べにはるか　　紅はるか　　

科:ヒルガオ科 Convolvulaceae
属:サツマイモ属 Ipomoea
種:サツマイモ I. batatas

「紅はるか」と表記されることが多いですが、登録名は「べにはるか」。
登録年月日2010/03/11と10年ちょっとしか経過していませんが、
2022年すでに青果用サツマイモ品種トップの生産量になっています。
驚異的な甘さが、支持される理由。
名前の由来は、いもの皮色が赤紫（紅）でこれまでの品種より「はるかに優れている」ことからこの名がついたそうです。

【　品種登録情報　】

農水省品種登録DBから引用抜粋

作物区分 食用作物
農林水産植物の種類 Ipomoea batatas (L.) Lam.　（和名：カンショ種）
登録品種の名称 べにはるか　（よみ：ﾍﾞﾆﾊﾙｶ ）

登録年月日 2010/03/11
育成者権の存続期間 25年
品種登録者の名称及び住所
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 （305-8517 茨城県つくば市観音台三丁目1番地1）

・・・いもの形状(1)は長紡錘形、いもの皮色(基本色)は赤、いもの皮色(補助色)は紫、いもの皮色(濃淡)は中、いもの皮色(分布)は均一、いもの肉色は黄白、いもの暈の多少は無、・・・カロチンの多少は無、ネコブセンチュウ抵抗性は強、ネグサレセンチュウ抵抗性はやや強である。　出願品種「べにはるか」は、対照品種「高系１４号」と比較して、葉形が心臓形であること、蜜腺色がやや多であること、いもの皮色(補助色)が紫であること等で区別性が認められる。対照品種「べにまさり」と比較して、蜜腺色がやや多であること、いもの形状(1)が長紡錘形であること、いもの皮色(補助色)が紫であること等で区別性が認められる。

【　開発の目的　】

高系14号およびその枝変わりは、現在も人気ですが、収穫後の甘味が少なく、サツマイモネコブセンチュウや立枯病に弱いことから、欠点を克服した西日本向けの青果用品種開発として育成されます。
育成地は九州農業試験場。

元はと言えば、九州で育成し、西日本向けとして育成されましたが、あっという間に、全国Ｎｏ．１の作付け面積（青果用）に増加しました。
現在もっとも多く栽培されているのは、茨城県。次いで千葉県となっています。
親品種は、「九州121号」を母、「春こがね」を父とする交配の選抜です。

農研機構の資料から転載。「サツマイモ新品種「べにはるか」の育成」
https://repository.naro.go.jp/record/34/files/karc-report66-005p.pdf

【　べにはるか作付面積　】

サツマイモには、青果向きの品種だけでなく、酒類やでん粉、ペーストなど製菓向きの品種があります。
どちらの用途にも使われる品種がありますが、ここでは用途を分類して表にしてみます。

全体では、青果用の栽培が半分以上になっています。
その中でも、「べにはるか」は全栽培面積の約２割ほどを占めていて、堂々の１位となりました。
わずか10年ちょっとで、青果用サツマイモを席捲してしまった「べにはるか」。
甘さが際立っている所が、市場からも歓迎されています。

【　食べ比べ　焼き芋にしてみた　】

希少な白い芋、「紅きらら」、一定の評価が定着した、「ハロウィンスイート」、ホクホク系の比較的新しい品種「すずほっくり」の食べ比べをしています。比較対象として、「べにはるか」を選択。
こちら。

密がダラダラと出て、食べる前から異様な雰囲気に飲み込まれます。
食べると、かなりシットリ系で、甘さは申し分ないというか、甘すぎなのではないか！と思うような焼き芋に仕上がりました。

好みは色々あると思います。
ただ、市場の出した結果＝人気のあるものが引きが強い＝甘いのがいい
ということで、甘さ自慢の安納芋を差し置いて、ぶっちぎりの独走状態です。

新品種が続々出ていますので、予断を許さない状況ですが、当面は王者としてしばらく君臨しそうな感じです。
青果としての「サツマイモ」は嗜好品に近い存在なのかもしれません。
今後もサツマイモ戦国時代はしばらく続く？と期待したいです。

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広範囲の知識を得られます。参考にしてください。

202212
202401改

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