素材ダウンロード
トヨシロ とよしろ
昭和30年代に北海道農業試験場で育成された、ジャガイモ品種。
日本初の、加工専用ジャガイモ品種として育成されています。
「北海19号」を母、「エニワ」を父に交配され、1976(昭和51)年に「ばれいしょ農林21号」として登録されました。
還元糖含量がすくないので、フライ適性が高いです。
チップス用途として、50年を経た現在も、多く栽培されています。
カルビー「じゃがりこ」にも使われているジャガイモです。
「豊」かに穫れて、色が「白」いことから、「トヨシロ」の名がついたそうです。
なお、この品種から、「ホッカイコガネ」「コナフブキ」が生まれています。
どちらも、加工用品種として、上位に食い込んでいる品種です。
【 栽培状況 】
令和元年の栽培面積です。
育成から50年以上経過して、現在も3位の栽培面積です。
チップス需要の主力として、現在も多く栽培されている事がわかります。
【 栽培してみた 】
発芽は欠株もなく順調。草勢は強く、他よりも元気な様子でした。
俵型になるジャガイモ。
粒ぞろいが良く、大型の個体もありましたが、奇形果は発生しませんでした。
収量もまずまず。
同時期に植えた「トヨシロ」よりも、あまり気を遣うことなく、収穫にたどりつきました。
大型では、空洞果が発生しやすいようです。
【 食べた印象 】
外観は、丸みのある横長という感じ。
チップス向き品種とされています。
でん粉価は低いので、ホクホク、というわけではありません。
断面は、ほぼ白い印象です。
同時に調理した「ワセシロ」に似た感じで、煮崩れは少ないです。
煮崩れしても、それほどでも無い、という感じ。
変色も少ないです。
全体に、「サッパリ」とした味わい。
無個性なほうが、意外に チップスに向いている、というのは、「サッシー」でも経験しています。
食べだすと、とまらない美味しさを生み出します。
煮込んだり、茹でて食べるより、揚げたほうが、味わいが良いかもしれません。
スーパーで、見かけることは少ないと思います。
育成当初の思惑どおり、業務用のチップス素材として今後も広く栽培されそうです。