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ピルカ 北海97号
長崎県と、農研機構の共同育成品種。
「ピルカ」は、アイヌ語で「美しい」という意味の言葉だそうです。
実際に栽培もしてみました。後述。
【 品種登録情報 】
この品種は農水省に品種登録されています。抜粋し転載。
作物区分 食用作物
農林水産植物の種類 Solanum tuberosum L. (和名:バレイショ種)
登録品種の名称 ピルカ (よみ:ピルカ )
登録年月日 2011/03/22
育成者権の存続期間 25年
品種登録者の名称及び住所
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 (305-8517 茨城県つくば市観音台)
長崎県 (850-8570 長崎県長崎市尾上町3番1号)
・・・塊茎の形は長卵形、塊茎の目の数は少、塊茎の目の基部の色は黄、塊茎の皮色は黄、塊茎の表皮のネットは無、塊茎の肉色は明黄、枯ちょう期はやや早、上いも重は中、上いも数は中、上いもの平均重は重、・・・Yモザイク病抵抗性は弱、そうか病抵抗性は弱、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性推定遺伝子はH1である。出願品種「ピルカ」は、対照品種「メークイン」と比較して、幼芽の基部のアントシアニン着色の程度が無又は極弱であること、花冠の内面のアントシアニン着色の広がりが大であること、塊茎の形が長卵形であること等で区別性が認められる。 対照品種「ホッカイコガネ」と比較して、枯ちょう期がやや早であること、花の結果数が少であること等で区別性が認められる。
育成に関する論文
【特集】いも類新品種の紹介 ピルカ(青果用)
北海道農業研究センター 津田昌吾氏
https://imoshin.or.jp/imoshin-viewer/pdf/106011.pdf
「メイホウ」を母、「十勝こがね」を父として交配したとあります。1994年のこと。
品種登録完了までに17年かかっています。
「十勝こがね」は、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性をもつことから、「ピルカ」もジャガイモシストセンチュウ抵抗性品種となっています。
「メークイン」よりも煮崩れしにくい、粘性のジャガイモ。水煮特性が良いとされます。
芽が浅いことから、皮むきも容易。
皮むき後の褐変も少ないです。
栽培適地は北海道が想定されていますが、長崎・鹿児島での試験栽培も良好な結果とのことで、今後各地で広まることが期待されます。
【 じっさいに栽培してみた 】
初期の生育は、やや小さい印象でした。
枯れ気味の90日目で収穫。
やや楕円形をした形。
形の揃いは、とても良い印象。
大型になりやすいようで、全体に大きめの個体が目立ちました。
果皮は、つるつるですが、そばかすのような斑点があります。
ただ、腐りが多く発生してしまいました。
栽培適地は寒冷地となっています。
4月上旬植付では遅いのかもしれません。
中間地ではもう少し早めに植え付けたほうが良いかもしれません。
あくまで ご参考に。
【 たべてみた 】
非常に崩れにくい、粘質のジャガイモ、という印象です。
「こがね丸」、赤皮の「シェリー」、「アルバン」と同時に比較してみましたが、
崩れにくく、しっかり形が残るタイプです。
スッキリとした、クセのない味で、ほんのり甘味を感じます。
香りはさほど強くなく、どんな素材にも合うような印象です。
煮崩したくないような、煮物用途には申し分ないでしょう。