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こがね丸
ジャガイモシストセンチュウ抵抗性を持つ多収のジャガイモ。
まん丸に近い形のものが多い印象です。
実際に栽培もしてみました。後述。
「ムサマル」と「十勝こがね」の交配であることから、両方の名前の一部「マル」と「こがね」を取って名付けたのかなと思われます。
同名には、佐渡汽船運航のカーフェリーがあります。
【 品種登録情報 】
この品種は農水省に品種登録されています。抜粋し転載。
作物区分 食用作物
農林水産植物の種類 Solanum tuberosum L. (和名:バレイショ種)
登録品種の名称 こがね丸 (よみ:コガネマル )
登録年月日 2009/02/24
育成者権の存続期間 25年
品種登録者の名称及び住所 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 (305-8517 茨城県つくば市観音台)
・・・いも着生の深浅は中、いもの長短はやや長、いもの扁平度はやや弱、いもの形は楕円形、皮色(1次色)は黄褐、皮色(2次色)は無、目の深浅は浅、肉色(1次色)は淡黄、肉色(2次色)は無、休眠期間はやや長、枯ちょう期は中晩、早期肥大性はやや遅、上いも重は多、上いも数は中、上いも平均1個重は大、肉質は中、Yモザイク病抵抗性は弱、疫病圃場抵抗性は弱、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性推定遺伝子型はH1である。 出願品種「こがね丸」は、対照品種「ホッカイコガネ」と比較して、いもの形が楕円形であること、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性推定遺伝子型がH1であること等で区別性が認められる。
「ムサマル」を母に、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性をもつ「十勝こがね」を父として交配。
農研機構の解説では、やや粉質で、フライ加工に適している、と説明されています。
光を浴びることで発生しがちな、青くなる性質「グリコアルカロイド」の増加が少ない品種だそうです。品質維持の点では優位です。
打撲黒変耐性が弱いとされます。梱包・運搬時には留意ください。
【 栽培してみた 】
発芽率は良く、欠株もありません。
順調に見えましたが、掘ってみると、一次皮がむけたような状態。
月面クレーターみたいになっています。
ほぼ全てがそうなりました。
理由は、不明。
家で食べる分には、何の問題もないのですが、商品作物という点では、困った事態です。
原因のわかる方、お教えください(涙)。
【 たべてみた 】
先に言って おきたい事。
とても美味しいジャガイモです。
見た目はブサイクな月面クレーターですが、
食べると、印象がガラリと変わりました。
ジャガイモらしい美味しさを、たっぷり味わうには、フライや炒め料理が向いているのでは、と想像。
フライ特性が高いとのことで、まずはフレンチフライ。
揚げ時間4分半ほど。
ふり塩少々。
ほっくりとした、香りの良いフレンチフライになりました。
皮は案外厚みがあって、余計だったかもしれません。
ビールは お好みで。
「サッシー」ほどではありませんが、もっちり感の残る、とても美味しいフライになります。
さて。
やや粉質ということで、蒸して食べてみます。
見事なくずれ具合です。
甘味があって、ホクホク。
少ししっとり感があって、良い香りも楽しめました。
雑味はほぼ無く、とても美味しいジャガイモ。
マッシュにしても、美味しいでしょう。
ジャーマンポテトにも、よく合いそうです。
程よく崩れた感じの肉じゃが、たまりませんね。
オホーツクでは大部分が澱粉原料用として栽培されるとか。
もったいないような気がしてきますね。
青果用として、とても美味しいジャガイモ品種でした。