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シェリー
フランス生まれのジャガイモ品種。
長楕円形で、赤い皮です。黄色みが強い果肉色。
Cherie は、女性の名前のほか、フランス語で呼びかけの言葉「愛しいよ💛」みたいな使われ方の言葉。
種イモは、ホームセンターでも入手可能です。
栽培もしてみました。後述。
【 品種登録情報 】
この品種は農水省に品種登録されています。抜粋し転載。
作物区分 食用作物
農林水産植物の種類 Solanum tuberosum L.(和名:バレイショ種)
登録品種の名称 シェリー (よみ:シェリー )
登録年月日 2004/03/03
育成者権の存続期間 20年
育成者権の消滅日 2024/03/04 ※期間満了
品種登録者の名称及び住所 GERMICOPA BREEDING ( 1, Allee Loeiz Herrieu, 29334 QUIMPER Cedex, FRANCE)
登録品種の育成をした者の氏名 エリック ボネール
この品種は、「ローズバル」に「VK76.199.3」を交配して育成された固定品種であり、いもの形状は長楕円形、皮色は赤、肉色は淡黄の調理向きの品種である。・・・いも着生の深浅は深、長短は極長、扁平度は中、形は長楕円形、皮色は赤、目の深浅は極浅、肉色は淡黄、枯ちょう期は中、早期肥大性はやや遅、上いも重はやや少、上いも数は多、上いも平均1個重は極小、肉質はやや粉である。「レッドムーン」と比較して、叢生がやや開帳型であること、茎の長さが短いこと、茎翼が直であること等で、「農林1号」と比較して、茎翼が直であること、いもの形が長楕円形であること、皮色が赤いこと等で区別性が認められる。
フランスのジェルミコーパ社の登録品種。
エリック・ボネール氏の育成品種で、ほかにもジャガイモ「シンシア」「シェリー」「サッシー」など12品種を農水省に登録しています。
国内での販売権は、北海道の㈱ホーブが保有しています。
現在、「シンシア」「アローワ」「サッシー」「グゥエン」「シェリー」「アルバン」の6品種を販売しています。
一部は大手ホームセンターでも入手可能です。
【 栽培してみた 】
発芽は良好ですが、草勢は、全体に元気がない状態。
90日目で収穫。
赤くて細長い果肉。
「レッドムーン」よりも細い印象です。
つるりとした皮で、洗うと、光沢があります。
芽があるのでしょうが、気になりません。
皮むきは楽です。
「インカのひとみ」ほどではありませんが、収量は少なかったです。
なかなか難しい・・・
赤皮じゃがいもの中では、フランスでは一番人気の品種だそうです。
なかなか美味しい品種なので、再チャレンジしたいと思っています。
なお、赤皮品種は、緑化を判別しにくいので、注意が必要です。
収穫後も、しっかり遮光しましょう。
【 食べてみた 】
しっとり系で、煮崩れないとの評が多いのですが、農水省の登録では、「肉質はやや粉」という評価です。
これは実際に食べてみないと判りませんね。
赤くて、つるりとした皮。芽も浅くてつるりとしています。
断面は、黄色みを帯びていて、全体にサツマイモに似ています。
蒸してみると、意外に皮に厚みを感じました。
果肉は、ほどよくしっとりで、ほぐれやすい印象です。
たしかに、「やや粉質」な果肉の印象です。
つまり、煮崩れしない、というよりも、程よく崩れる印象です。
スッキリとして、クセのない味。
いろんな素材に合いそうだなという印象です。
甘味がしっかりと感じられます。
けっこう甘い部類の、ジャガイモです。
ホクホクというより、ホックリとした、崩れ具合を示します。
同時に、「アルバン」「ピルカ」「こがね丸」を蒸して比較しましたが、
スッキリした、クセのない、何にでも合いそうな印象を受けます。
「こがね丸」も、甘味が強いほうですが、「シェリー」のほうが甘味は強いです。
「こがね丸」の次に、粉質な印象が残りました。
この2品種は、美味しさの点でも、一般受けしそうです。
用途を選ばないという点で、優秀だなと思いました。
マッシュ、煮物、炒め物、いずれも 美味しく仕上がりそうです。
細長くて、赤い皮であることも、差別化商品になりえます。
広まると、面白いな、と思いました。
全体に小柄な個体が多い印象ですが、実際の調理には、この位が都合が良かったりします。