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埼玉青大丸茄子 埼玉青なす
読みは、「さいたま あお おお まる なす」です。
埼玉県北西部の、ときがわ町が銘産地。
ときがわ町からほど近い、東部の北本市(きたもとし)にも、似たナスがあって、「中山道なす」と呼んでいます。
ほぼ同じものかと考えます。
果皮色が黄緑色の、でっぷりと下膨れした形の大型ナス。
ナスはインド原産の野菜です。
めぐりめぐって、東南アジア系のナスが、明治時代に埼玉県で定着した、とされています。
熟しても皮が青い在来ナスは、各地に点在し、姿や形も様々です。
青みがかかっていても、白っぽいものは、「白ナス」と呼ぶことがあります。
もちろん、真っ白なものもあります。
紫色にならない理由は、アントシアニン系の色素を持っていないため。
元々は、ナスは白っぽいものと理解されていたのかもしれません。
ナスは英語で「eggplant」です。
つまり、白くて卵型だったのです。
紫外線から実を守るため、アントシアニンを得て、紫色になったとされます。
白系のナスは、実を守るために、皮が厚いです。
アクの有無については、紫色のナスと変わりません。
【 このナスの利用方法 】
堅めの果肉で、奈良漬に使われていたそうです。浅漬け向きではないようです。
加熱すると、堅いと思っていた果肉が、嘘のように柔らかく変化します。
加熱して、とろけるような味わいを楽しむほうが向いています。
田楽、煮物、ステーキなどのほか、フレンチでも使われているようです。
【 世界初のF1野菜はナスだった 】
世界初のF1野菜は日本のナスです。
「埼交茄子」は、「真黒茄子」と「埼玉青大丸茄子」のかけ合わせ。
埼玉県農事試験場の柿崎洋一氏によるものです。
参考
公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会
「世界ではじめて野菜のハイブリッド品種をつくった柿崎洋一」
https://www.jataff.or.jp/senjin4/23.html
現在は、ナスだけでなく、F1品種が主流になった野菜が多いです。
固定種の魅力も、再発見したいものです。
【 栽培してみた 】
ナスはインドから渡って、アジアでも変異し、日本国内でも多様な地方品種が今も残っています。
埼玉に定着した理由は不明ですが、土地柄に合っていたのでしょう。
種はトキタ種苗のもの。
気温がじゅうぶん上がってからでないと発芽しません。
ミニハウス内で育苗しました。
白い花を咲かせます。
実がつく様子
大きくなると、ヘタ部分に 小さくて鋭いトゲができます。
収穫時には注意して下さい。
大型になりやすくて、下膨れの丸い形のナスです。
形は多少いびつで、縦筋が入ってデコボコ感のある個体も出るようです。
大きくなると、300-450g位になるようですが、450gにまでは大きくなりませんでした。
育成環境に左右されるのでしょう。
アリが好むのか、よじ登る様子が見られます。
アディオン乳剤散布と化成肥料の追肥を行いました。
暑い時期でも、水やりは2日に1回は行いました。
【 食べ方 】
果肉が堅めで、浅漬けには向きません。
当初は、奈良漬用に導入されたと言われます。
果肉は、さわるとかなり堅い印象。
ところが、加熱すると、とろける肉質に変わります。
バター醤油で焼いたり、ステーキにしたり、揚げても美味しく頂けます。
焼きナスも申し分ないです。
チーズを載せたり、パスタにしても良さそうです。
皮が厚いので、食べ残すか、皮むきして提供しましょう。