あいこまち　　アイコマチ

農研機構が育成した、サツマイモ品種。
多用途で高糖度の良食味品種。

ベニアズマよりも小さめになりやすいサツマイモ。
小型で食べきれるという点も注目されています。

今後が期待されます。

【　品種登録情報　】

この品種は農水省に品種登録されています。抜粋し転載。

農林水産植物の種類 Ipomoea batatas (L.) Lam.　（和名：カンショ種）
登録品種の名称 あいこまち　（よみ：ｱｲｺﾏﾁ ）
登録年月日 2014/03/14
育成者権の存続期間 25年
品種登録者の名称及び住所　国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 （305-8517 茨城県つくば市観音台）
・・・いもの形状(1)は紡錘形、いもの皮色(基本色)は赤、いもの皮色(補助色)は紫、いもの皮色(濃淡)は濃、いもの皮色(分布)は均一、いもの肉色は淡黄、いもの暈の多少は無、不和合群はＡ群、露地開花性は無、１株当たり上いも個数はやや多、ａ当たり上いも重はやや多、カロチンの多少は無、ネコブセンチュウ抵抗性は強である。　 　出願品種「あいこまち」は、対照品種「ベニアズマ」と比較して、葉形が単欠刻浅裂であること、ネコブセンチュウ抵抗性が強であること等で区別性が認められる。対照品種「クイックスイート」と比較して、葉脈色が少であること、蜜腺色が中であること等で区別性が認められる。

食味に関する農研機構の情報
https://www.naro.go.jp/collab/breed/0100/0102/043916.html
以下
「あいこまち」の食味は「ベニアズマ」並みに優れ、調理後の黒変が少なく、糖度が高い。いもの条溝がなく、外観が良い。サツマイモネコブセンチュウと黒斑病に強く、つる割病と立枯病に中程度の抵抗性を持つ。いも菓子類への加工にも適する。

高糖度のクイックスイートを母、多収で条溝がない「関系107」を父に交配したとあります。
黒変が少ないことは、菓子への応用にも期待が高まります。
加熱後の黒変にも強いという点が評価の重点になっています。

やや粉質という評価です。
熟成がすすむことで、ややしっとり系になるとの評もあります。

【　じっさいに栽培してみた　】

苗を取り寄せて栽培してみました。
4月末に植え付け。
あまり勢いはありません。

120日目で試し掘りしてみましたが、まだ小さい状態。
元々が小さめな品種と聞いていましたが、もう少し様子を見ることに。
135日目で収穫。

【　じっさいに食べてみた　】

それほど大きくない100ｇちょっとの個体でしたが、焼き時間が長めでした。

ホクホクとしっとりの、中間の食感。

焼き上がりの外観はホクホクですが、食べるとしっとり感があります。
翌日も焼いてみましたが、同じような印象です。

果肉は、シルクスイートに似た、しっとりとキメ細かな肉質で、両端までスジ感のないもので、とても好感が持てます。
甘味はじゅうぶん感じられ、比較的甘い方だなと感じました。

肉質の良さと甘さが光る、良好な品種だと思いました。

２度目に焼いたものは、普通程度の加熱時間で出来上がりました。
キメの細かな果肉と食味の良さが再度確認できました。

とても美味しい品種で、焼き芋店でも人気が出るはずです。