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油麦菜 ユーマイサイ ゆばくさい A菜 エーサイ ムギレタス
中華系レタスの一種。結球しないタイプです。
炒めると、麦やトウモロコシのような香りがすることから、この漢字があてられたと思われます。
A菜は、台湾での呼び名。
「ヨウマイツァイ」の発音のほうが、実際の発音に近いそうです。
旺盛な生育で、育てやすい印象の野菜でした。後述。
【 来歴 】
キク科アキノノゲシ属の、結球しないレタスの仲間。
中国南部や台湾では、古くから食べられてきた葉野菜です。
油麦菜は、ロメインレタスなどの「立ちチシャ」の仲間といえると思います。
葉の先端の形状や、葉の広さ、厚みなど、ロメインレタスよりもヒラヒラとした野菜です。
実際には、変異したものがあるようですが、普及している、藤田種子提供の「大葉油麦菜」をもとにお話をすすめます。
【 レタスの仲間 】
レタスには、その形状的特徴から、いくつかに分類できます。
結球する玉チシャ --- クリスプ型 --- 通常の結球レタス
結球する玉チシャ --- バターヘッド型 --- サラダ菜などゆるい結球をするもの
葉チシャ --- リーフ型 --- サニーレタス、グリーンリーフ等
立ちチシャ --- リーフ型で直立 --- ロメインレタス、油麦菜
掻きチシャ --- ステム型で葉を摘む --- カキチシャ、サンチュ
茎チシャ --- ステム型で茎を食用 --- アスパラガスレタス(セルタス・山クラゲ・茎レタス)
【 栽培してみた 】
露地での栽培です。
一般には3月播種の春夏どりと、8-9月播種の秋冬どりの作型があるようです。
おいしそうな野菜だなと思って、ちょっと遅い4月に種を入手し、中旬に播種~5月上旬に定植して、べたがけ。
発芽率は9割程度で良かったです。
レタスは涼しい気候が好きです。発芽温度は20℃以下にして下さい。
5月末には、長い葉で30cmを越す大きさに成長しました。
定植から1か月で、ここまで成長します。
農薬の類は必要ありませんでした。
農薬使用は、「非結球レタス」に使えるものを使用して下さい。
収穫は、株ごと取る人もいるかもしれませんが、葉だけを摘み取れば、次々と収穫し続けることができます。
葉は、手で簡単に摘み取ることができます。
べたがけ無しで栽培をした所では、葉の傷みが発生していました。
虫の食害が出にくい3月中に播種しておくべきかと反省。
また、高温長日になると、レタス同様花芽分化してトウ立ちします。
ちなみに、アブラナ科は低温の長日条件でトウ立ちします。
やはり適期の播種は大切だなと思いました。
べたがけを外して、今後の成り行きを見届けたいと思います。
【 食べてみた感想 】
中華野菜と言って良い、この野菜。
炒め物に向いているという評が多いです。
試しに、生で食べてみましたが、葉っぱの芯の所がシャキシャキして、あまりクセがありません。
鮮度が良ければ、生でも十分食べられると思います。
とくに、葉の中央のシャキシャキした感じが心地いい。
ただ、鮮度劣化も早いので、できるだけ早めに食べたいです。
まずは、炒めてみたところ、火の入りがとても速い!ので、加熱しすぎると、クタッとなって縮んでしまいます。強火で手早く炒めることをお薦めします。
次に、回鍋肉風に仕上げてみました。
他の具材を加熱した後、最後に油麦菜を加えて、強火で極短時間炒めます。
これなら、余熱で火が通るし、食感も残って正解でした。
名前の元になっている、炒めた時の麦のような香りは、それほど強いわけではありません。トウモロコシに似ているという評もあります。
たくさん収穫できて、繰り返し長く楽しめる点で、とても良い野菜です。
一般に普及するには、鮮度落ちの点で課題がありますが、自家消費に栽培してみてはいかがでしょう。