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ルバーブ 食用大黄 rhubarb
カテゴリ:やさい
ファイル名:rhubarb-20210712.jpg
ルバーブ ショクヨウダイオウ 西洋フキ
Rhubarb
科:タデ科 Polygonaceae
属:ダイオウ属 Rheum
種:R. rhabarbarum
シベリア原産。
青いものと赤いものがあります。昼夜の温度差が大きくなると赤くなります。緑色だと、フキに似ていますが、フキはキク科の植物で別系統。赤と緑とでは、性質に大きな差がないと思います。
海外では、まるでフルーツのような使い方で食べられています。そのまま食べると、とても酸っぱいので、工夫が必要です。加熱すると、ドロドロにとけるので、ジャムがよく知られています。ほかパイ、サラダ、ケーキなどに使われています。ちなみに葉には毒性あり。
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ローマ帝国時代すでに存在していて、副作用のない謎の下剤として重宝されたようです。一部は中国で「ダイオウ」として自生し薬用とされたようです。
ロシアは、国営輸出品として西欧むけに輸出。私的に流用すると、死刑とされるなど、厳しく管理されていたそうです。
イギリスは、東インド会社を通じて、中国からインド経由で西欧に商品作物として流れるようになったそうです。のちに、18世紀になって英国内でも栽培が始まったようです。案外最近といえなくもない話です。その後、西欧で薬として大ブームになったそうです。
上記 歴史的な内容の記述について
https://akihitosuzuki.hatenadiary.jp/entry/2008/12/27/071224
文献は、Foust, Clifford M., Rhubarb: the Wondrous Drug (Princeton, NJ.: Princeton University Press, 1992).
医学史研究者で、鈴木晃仁氏 慶応大学経済学部名誉教授/東京大学文学部教授 の書評から引用させていただきました。楽しそうな本ですね。書籍はAmazonで入手可能。
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近縁種の薬草「大黄(ダイオウ)」はかなり古くからありました。
日本へは、大正から昭和にかけて、外国人宣教師などが持ち込んだもの。要は、自分が食べたいので、作ってくれないか、というわけです。
ルバーブは、西欧や北米など各地に渡り、品種改良を重ねられているので、「大黄」とは同属で別物です。
寒さに強い宿根草で、氷点下4度で地上部は枯死しますが、根部分は越冬できます。
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皮はむかなくてもいいです。葉は生だと毒性があるので、使いません。ジャムは作りやすいのでおすすめ利用法。ドリンクも手軽です。なるほど、酸味を活かしてドレッシングをつくる人もいるようです。
緑色のと、赤いもの、その両方のグラデーションの色があります。緑色のほうが、香りが良いようですが、見た目の楽しさは赤いほうに軍配があがります。
赤はポリフェノールの類。シュウ酸を含みますので、茹でて取り除きます。
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種について
じつは、100品種以上あるとされます。日本で通常入手可能なもの
三笠園芸 「ルバーブレッド」 オランダ
Franchi社 「ルバーブ」 イタリア
Vilmorin社 「ビクトリア」
藤田種子 「ルバーブ」米国産緑種
Thompson&Morgan社 「グラスキンズ・パーペチュアル」
CATROS社 「ルバーブ・Paragon」
Johnsons Seeds Rhubarb Victoria ルバーブ ヴィクトリア
グリーンフィールド 「ルバーブ 食用大黄」 イタリア
細かい品種表記は少ないので、種の産地を記載しました。202203時点。
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ちなみに、種のパッケージが赤い色になっていても、緑色になるものがあります。
気候のせいではありません。どうやら、親の特性を引き継がない性質があるようです。
どうしても赤いルバーブを作りたい!
そういう時は、種ではなく、赤いものを「株分け」したものを植えれば、分身ですから、赤くなります。
ちなみに、ヨーロッパでも、栽培としての主力は緑色だそうです。味のいいほうを選ぶのが普通の選択です。
202203改