素材ダウンロード
ビーツ table beet beetroot red beet
カテゴリ:やさい
直売所でちょくちょく見かけるようになりました。
手の平サイズを選ぶようにしましょう。
ファイル名:2021072002.jpg
ビーツ ビート 火焔菜 ビートルート ガーデンビート テーブルビート
英: beet / table beet / beets
ここでは呼び名を「ビーツ」として説明します。
目:ナデシコ目 Caryophyllales
科:ヒユ科 Amaranthaceae
属:フダンソウ属 Beta
種:ビート B. vulgaris
【 来歴 】
地中海沿岸が原産の植物。
紀元前から食べられ、現在でも欧米ではごく普段使いの野菜です。
葉物野菜のフダン草、砂糖の原料となるテンサイの仲間で、ほうれん草とも近縁。
日本には、江戸時代に入っていたとされる記録があります。
ところが、日本ではなじみが浅く、外国人居留地周辺のほか、一部のレストラン需要にとどまっています。
直売所では、初夏と、晩秋~冬にかけ見かけることができます。
和名は火焔菜(カエンサイ)。
燃えるような赤色を表現しています。
仲間の多いビートは、砂糖の原料となるシュガービート(てんさい)と区別するために、「ビート」のほか、複数形「ビーツ」で呼ばれ、現在も混在しています。
ビートルート、ガーデンビート、テーブルビートとも。
直売所などでは、「ビーツ」名ででていることが多いでしょう。
この語源は、ケルト語で「赤」を意味するbetteに由来するそうです。
ちなみに、仏語では「betterave」だそうです。ベッタラーブと聞こえます。
葉野菜のフダンソウ(スイスチャード)は「leaf beet」で、ビーツと近い存在。
断面が、真っ赤なものだけでなく、白赤で模様のあるものや、黄色など、さまざまなものがあるようです。
【 この野菜の栄養素 】
ビーツは「飲む血液」「飲む輸血」と呼ばれるほど、ミネラルが豊富な野菜と言われています。
リン、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、鉄、カルシウムを多く含んでいるとされています。
実際に、日本食品標準成分表を元に、カブ、にんじんと比較してみました。
無機質では、カリウム、マグネシウムは多いようです。
ほかは、有意な差は見られないように思います。
カブやにんじんも、優秀な栄養素を持っているということでしょう。
「飲む血液」「飲む輸血」という表現がどこから来たのか判りませんが、血液はあまり飲みたいものではありませんので、表現は程々にしておいたほうが好感が持てるかもしれません。
色素は「ベタシアニン」「ベタライン色素」で、アントシアニンではありません。
抗酸化作用を持つとされます。
その他ネット上では、むくみ、高血圧、がん予防、免疫力向上など、好き放題な事が書かれています。
根拠を示せない限り、表現しないでください。
【 おもな産地 】
農水省のビーツの国内での生産は、てんさい糖(ビート)の生産データしかなく、不明です。
主産地は、長野・北海道・茨城・愛知・静岡のほか、栽培は点在しています。
冷涼な気候を好みます。
冷涼な気候を好む地域の栽培との特異な相関について。
外国人居留地との地理関係がある、と考えています。
詳しくは、拙文 「セロリ」の解説文をお読みください。
https://tikuwapop.com/sozaiDetail.php?num=1285
需要があれば作る。そういう事なのかもしれません。
長野、北海道だけでなく、静岡も上位に入っていて、相関性があるように思います。
【 食べ方 】
葉っぱは、食べたことがないですが、若ければ生食できるようです。
根の部分は、あまり欲張らずに、手のひらサイズの、程々の大きさのものを選んだほうが味が良いそうです。
あまり大きいと、スが入ったような状態で美味しくないようです。
生食は、土臭さがあって、サラダにする人もいますが、特におすすめはしません。
ジュース・スムージーやピクルスにすることもあるようです。
ピクルスまでは想像できますが、ドリンク?? はどんな感じなんでしょうか。
機会があれば試したいところです。
ゆでる時は、皮つきのまま茹でないと、色が抜けてしまいます。
茹でると、クセが少なくなり、臭みは減ります。
鍋、スープホットサラダ、グリル、スープなど。
ボルシチは定番料理。
カブとじゃがいもの、あいのこのような食感です。加熱すると甘味も増します。
カラフルなので、是非いろんなシーンで活かしたいです。
【 海外事情 缶詰 】
国内では需要がないのか、あまり見かけませんが、ビーツは缶詰需要の市場が大きいそうです。
国際的には、生産量の半分以上が、缶詰になるそうです。
その使い方も、とても柔軟で、スムージーや焼き菓子、スプレッド、ハンバーガーなど、スープ以外のいろんな使い方がされています。
色を楽しむ、という感覚を大切にしているのでしょう。
真っ赤な色は、天然着色料としての需要もあります。
【 現在入手可能な品種について 】
202403時点。廃番があるかもしれません。
「デトロイト・ダークレッド」
タキイ種苗 ニチノウ 日光種苗 からも出ています。
苗も小売りされているようです。
㈱グリーンフィールドプロジェクト
「チオギア」「デトロイト」「エジプト」「シリンダー」といった種が入手可能なようです。
トキタ イタリア野菜シリーズ
「バルバビエトーラ」 真っ赤なタイプ。
「ゴルゴ(うずまき模様)」「ソーレ(くすんだ赤)」「ルナ(赤皮で黄色果肉)」といったものがリリースされています。
トキタ 公式オンラインショップより
https://tokitaonline.shop-pro.jp/?pid=155613675
断面が色とりどりで、楽しいです。
日本でブレークするとしたら、どんな食べ方なんでしょうか。今後が楽しみです。
202201改
202403改