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きたろう 黄太郎 kitarou20230318TX
カテゴリ:くだもの
育成地岩手のほか、青森など東北でつくられているようです。希少。
写真の個体は、石川県産のもの。
きたろう 読みでは、サルナシの「貴太郎」、柿 の「輝太郎」が登録されています。
ファイル名:kitarou20230318tx.jpg
きたろう
農研機構が育成した、黄色い中生リンゴ。中生のリンゴは品種が少なく、有望。
しかも、とても美味しい。
2000年登録。まだ入手し辛い品種です。
両親は赤リンゴですが、生まれたのは黄リンゴ。
【 品種登録情報 】
農水省に品種登録されています。抜粋し転載。
作物区分 果樹
農林水産植物の種類 Malus Mill. (和名:リンゴ属)
登録品種の名称 きたろう (よみ:キタロウ )
登録年月日 2000/07/31
育成者権の存続期間 25年
品種登録者の名称及び住所
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 (305-8517 茨城県つくば市観音台三丁目1番地1)
この品種は,「ふじ」に「はつあき」を交配して育成されたものであり,果実の外観が扁円,果皮を被う色が赤,色の強さは淡,色の量は少,大きさが中の育成地(岩手県盛岡市)では10月中旬に成熟する中生種である。・・・果実の外観は扁円,王冠は中,がくの開閉は開,がくあの深さは中,広さは広,こうあの深さは中,広さは広,果実の大きさは中,果皮の地色は黄緑,果皮を被う色は黄,色の強さは濃,色の量は少,さびの位置は全面,量は多,さび状果点は有,果点の大きさ及び密度は中,スカーフスキンは無,果皮のろう質及び粗滑の程度は中である。・・・果肉の色は黄,果肉の褐色化は強,硬さは硬,きめはやや粗,蜜の多少は少,甘味はやや高,酸味は中,渋味は無,香気は少,果汁の多少は多である。種子の形は倒卵,大きさは大である。発芽期及び開花期は晩,成熟期は中で育成地においては10月中旬,後期落果は多,普通貯蔵性は長い,冷蔵貯蔵性は非常に長い,心かびの発生は無~僅かである。「シナノゴールド」と比較して,果実の外観が扁円であること,果実の後期落果が多いこと等で,「きおう」と比較して,成熟期が遅いこと等で区別性が認められる。
【 開発の背景と特性 】
育成した農研機構に、開発の意図などの記述があります。抜粋し部分転載。
農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター リンゴ新品種'きたろう'
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010831473.pdf
中生品種としては‘ジョナゴールド.の生産が最も多く. リンゴ全体の 8%前後を占めるが,その他の中生品種の普及率は低い.米国から導入された.ジョナゴールド'は豊産性で食味の優れた品種であるが,やや酪味が強く,また,貯蔵中に果皮に脂質が発生しやすく,日持ち性がやや劣るため 今日では漸減傾向にある
そのため,現在は中生の基幹品種を欠いており,早急にそれを育成する必要がある.・・・リンゴ第4次育種試験においては,果実品質が優れ.生産力の高い中生の優良品種育成に取り組み .きたろう'を育成した
・・・果肉の色は黄色で,切り口は褐変しやすい.果肉の硬度は15.71bsと硬く,きめは「やや粗」である. 果汁が多く,香気は少ない.糖度 (Brix) は15.7%と高く,滴定酸含量(リンゴ酸換算)は0.51g/100 1111前後を示 し,甘酸適手iJで食I床は濃厚である 渋味は無い 通常果肉に蜜は入らないが,年によっては完熟果に少量の発生が認められる場合もある.
交配親の「はつあき」は、酸味に特徴のある希少種です。
「ふじ」「はつあき」ともに、赤リンゴ。できたのは黄リンゴ。
リンゴにはこういった例が時々見られます。
具体的には、こういう事になります。
育成地の岩手県のほか、青森など東北でつくられているようです。
希少な部類。写真は石川県産のもの。
【 じっさいに食べてみた 】
果皮には何かのシミのようなものがあって、全体にきれいな黄色ではあるのですが、美しいとはいえない外観です。
見た目で、あきらかに損しています。
形は丸っこく、縦長ではないです。
切ってみると、みずみずしい感じの断面。少しの香りが感じられます。
食べてみると、果肉は堅めですが、ザクザクと心地よく食べられます。果肉が粗いのでしょう。
ジュースは見た目ほどの量ではないものの、濃厚なコクを感じて、なかなかに美味しい。
糖度が高いのでしょう。じゅうぶんすぎるほどの甘さを感じます。
食べる合間に、スッキリとした香り。
酸味は少し感じられましたが、むしろ良いパンチとなっています。
渋みがなく、その点、安心して食べすすめることができました。
かなり満足度の高いリンゴだと思いました。