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藤原ロマン 高野2号 黄りんご TX
カテゴリ:くだもの
黄りんごの中では、酸味のあるリンゴです。
甘いだけではない所が、楽しい。
味の複雑さ すべて込みで楽しみたいです。
ファイル名:20231115tx_001.jpg
藤原ロマン 高野2号
「高野2号」が登録品種名です。
育成した高野卓郎氏については後述。
江刺リンゴを代表する、「ロマンシリーズ」です。
【 商品登録情報 】
農水省に品種登録されています。抜粋し転載。
作物区分 果樹
農林水産植物の種類 Malus Mill. (和名:リンゴ属)
登録品種の名称 高野 2号 (よみ:タカノ 2ゴウ )
登録年月日 2011/03/15
育成者権の存続期間 30年
品種登録者の名称及び住所
高野豪 (023-1131 岩手県奥州市江刺愛宕字皀角119番地)
登録品種の育成をした者の氏名 高野卓郎
果実の大きさは中、果実の形は球形、・・・果皮のろう質の多少は無又は少、果面の粗滑は粗、果皮の地色は黄、・・・果点の数は中、果点の大きさはやや大、・・・果肉の硬さはやや軟、果肉の色は黄白、果実の甘味はやや高、果実の酸味はやや低、果実の蜜の多少は無又は極少、・・・出願品種「高野 2号」は、対照品種「王林」と比較して、葉柄のアントシアニン着色の広がりが大であること、果実の形が球形であること、果皮の地色が黄であること等で区別性が認められる。 対照品種「シナノゴールド」と比較して、果実の形が球形であること、果面の粗滑が粗であること等で区別性が認められる。
【 名前の由来 藤原氏について 】
名前に、「藤原」の名がついています。
奥州藤原氏のことと思われます。
奥州藤原家は、元々奈良・平安時代の藤原四家のうち、藤原北家(ふじわらほっけ)をルーツとする一族と考えられています。
11~12世紀にかけ、藤原清衡(きよひら)、基衡(もとひら)、秀衡(ひでひら)が、岩手県西磐井郡平泉を拠点に、奥州一帯の実質的な支配者となります。財政的に豊かで、大陸との交易や、砂金、馬などで財をなし、豊かに栄えました。
中尊寺金色堂や、毛越寺(もうつじ)などを建立し、仏教都市で平和な国を作ろうとしたようです。
岩手県人にとっては、世界遺産でもある平泉、そして隆盛をきわめた奥州藤原氏は、地域の誇り。
また、初代清衡氏は、平泉ではなく、元は江刺に拠点を構えていたことも、江刺の住民にとって、誇らしいのではないでしょうか。
【 ロマンシリーズ について 】
高野卓郎さんは、岩手を代表する、リンゴ界の貢献者。
「江刺市りんご同好会」初代会長。
「小倉沢りんご生産組合」初代組合長
長年、農水省落葉果樹研修所の非常勤講師もつとめられました。
高野卓郎さんは、個人として多くのリンゴ品種を生み出しています。
高野1号(紅ロマン) 高野2号(藤原ロマン) 高野3号(ゴールドロマン) 高野5号(奥州ロマン/恋桜) 高野6号(みちのくロマン) 高野7号(江刺ロマン)
高野卓郎さんの子息高野豪(つよし)さんも、3品種登録しています。
親子2代ですごいファミリーです。
高野8号(伊達ロマン) 高野10号(ロマンのしずく) 高野台1号(ロマンエース)。
ネーミングは、あくまで「ロマン」シリーズ。
高野さんのトーク動画が残っています。
https://www.youtube.com/watch?v=ujWoqhUUxu0.
高野豪さんの奥さんを取材した記事があります。
岩手県公式サイト「いわてびと」
都会から移住し、地域に溶け込む様子が随所にうかがえます。
ご参考にどうぞ。
https://iwatewakamono.net/archives/5143
高野家の育成品種を一旦整理します。ロマンシリーズ。
高野1号(紅ロマン)
高野2号(藤原ロマン)
高野3号(ゴールドロマン)
高野5号(奥州ロマン/恋桜)
高野6号(みちのくロマン)
高野7号(江刺ロマン)
高野8号(伊達ロマン)
高野10号(ロマンのしずく)
高野台1号(ロマンエース)
【 じっさいに食べてみた 】
黄色い果皮のやや小ぶりな個体でした。江刺で入手。
江刺でしか入手しにくいと思われます。
リンゴの頭にあたる部分に裂開があるものや、黄色の果皮に混じって赤味の強い個体も含まれていました。
しっかりと堅めの果肉の印象。
先ず、酸味の混じった、香りのよいジュースが飛び込んできます。
口の中いっぱいに満ちて、心地よい。
皮は堅めの印象の個体でした。皮には、少し渋味もあるので、皮むきすれば、楽しめます。
黄色いリンゴは、甘味が強く、酸味が少ない印象が強いので、そんな中では少々の酸味が楽しめて、しっかりした歯ごたえのある黄リンゴは、面白みがあるといえます。
サツマイモなどもそうですが、甘ければいいというものではありません。
総合的な、食感や香り、味の複雑さすべてを込みで楽しむ姿勢でいたいです。
メジャーな王林などと比べても、はっきり違いのある、個性の光る味わいだなと思いました。
面白みがあって、これだからリンゴ探索は辞められません。