リーガル・レッド・コミス　　　
Regal Red Comice

アメリカ・オレゴン州チャールズ・キニー氏の園地で見つかった、ドワイエンヌ・デュ・コミスの枝変わり。
赤いので、ギョッと驚いたでしょうね。

ベタッと全体に赤くなるものと、赤い縞状になるものがあるようです。
「キメラ」という、ひとつの個体に、２つの遺伝性質を持っている果物なので、こんな現象が起きるとか。
今回入手したものは、やや不明瞭な縞々のあるタイプでした。
「キメラ」は動物にもありますが、植物の場合、①接ぎ木で人工的に作り出す　②体細胞が突然変異　で起きるそうです。

国内で栽培している人は、ごく少ないようで、山形、岩手、宮城などとなっています。
なお、苗木の入手は通販で可能です。
興味のある方はチャレンジしてください。

今回入手したのは青森県産。りんご園の野宮農園さんのものです。
板柳町ふるさとセンター内、農産物直売アンテナショップ「とれたて市」で入手。
ここも、とても多様な果物があります。青森訪問時は是非お立ち寄りください。

【　じっさいに食べてみた　】

不明瞭な縞模様のあるタイプの青森県産の個体。
追熟済と思われましたので、さっそく切ってみます。
切る段階では、案外しっかりした果肉の印象です。
表面からは香りはあまり強く感じられませんでした。

つるりとして、皮むきで落っことしてしまう時があるので御注意ください。
（はい、落としてしまいました笑）

食べると、強い甘味と、とても良い香り。
何というのか、花に似た香り。
わずかに酸味も感じます。
とろりとした、なめらかな果肉で、心地よい美味しさです。
石細胞は、ほぼ無く、あくまでなめらか。

ドワイエンヌ（ドワイエネ）・デュ・コミスを評して、昭和天皇の料理番・秋山徳蔵氏いわく、「果物の王」「アイスクリームのよう」と言ったそうですが、この個体もとってもおいしくいただきました。
両者に甲乙をつけるのは、野暮というものです。

外観が赤いことから、ギョッとする所ですが、食べれば納得。
５人で食べましたが、皆さん高評価でした。

追熟状態だったので、その前の状態は見ていません。
赤褐色の状態で収穫され、明るい赤色に変化するそうです。
食べるタイミングをはかるのは難しいほうなのかもしれません。