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ジョナゴールド サンジョナ 赤リンゴ TX
カテゴリ:くだもの
久しぶりに食べましたが、適期に食べることがとても大切だと判ります。
保存も可能なのですが、10月末~11月に食べるのをおすすめします。
本来の味わいは、とてもシャープで豊かな味わい。
ファイル名:20231120tx.jpg
ジョナゴールド
Jonagold
大柄なうえに、テカテカと油ギッシュな外観で、店頭でも独特の存在感。
黄リンゴの、ゴールデンデリシャス(Golden Delicious)と、紅玉(Jonathan)の交配で生まれた、大型の赤リンゴ。
「ジョナサン」+「ゴールデン・・・」で「ジョナゴールド」。わかりやすいネーミングです。
ゴールデンデリシャスは、ウエストバージニア生まれ。
紅玉は、ニューヨーク州生まれ。
米国品種同士の交配です。
「紅玉」の名は、明治期に和名として統一して呼ばれるようになった和名で、国産品種ではありません。
この品種は、10月下旬以降に収穫したものが、良いようです。
酸味も、このリンゴの持ち味ですが、香りも良いバランスの良い時期に食べたいものです。
この二つの要素が、このリンゴの肝ではないかと思います。
レア品として、「ホワイトジョナ」があるようです。品種名ではありません。
寒くなる時期に袋掛けしたものを取り除かずにおいたもの。
レアなので、見かけることは少ないです。
杉山芬さん「青森県のりんご」に詳しいです。
http://malus.my.coocan.jp/appls/jonagld/jonagld.html
【 りんご歴史の一時代を築いた品種 】
和リンゴという類があります。食用として現在残っていません。
現在あるリンゴは、原産地はカザフスタンあたりと考えられ、4000年以上前に西欧に渡って、やっと16世紀になって今に近いような大きさの果実になったそうです。
その後、17世紀になって、移民とともにリンゴもアメリカ大陸にわたり、交雑を続けます。
19世紀には、すでに1000種を超す品種が存在したそうです。
現在日本に残っているリンゴ品種のルーツは、アメリカ系の品種になります。
明治期に三田育種場に持ち込まれた欧州種は、日本の高温多湿な気候に適応できなかったのです。
昭和になると、高度成長とともに、消費増大に合わせて栽培も増加します。
昭和48年時点で、最も多く栽培されていたのが、「紅玉」と「国光」。
昭和60年になると、上記2品種は激減。代わりに、「ふじ」と「ゴールデンデリシャス」の系統で国内生産の7割近くを占めるようになります。
昭和~平成の始めごろまでの5年単位のリンゴ栽培品種
大きく変わったのは、昭和の終わり~平成の初め。
「ふじ」が生産量の半数を占めるようになります。
また、「王林」と「ジョナゴールド」が統計上に出てきます。
この時点で、現在もメインとなっている品種が、上位に並んでいるのがわかります。
平成3年ごろから、統計に「千秋」と「北斗」が加わります。
しかし、この2品種は10年ほどで統計からは姿を消しました。
「王林」と「ジョナゴールド」は、現在も栽培され続けています。
「北斗」は栽培が難しいようです。
秋田うまれの「千秋」は、秋映、未希ライフ、シナノゴールド等の交配親になっています。余談でした。
【 じっさいに食べてみた 】
ほんとうに久しぶりに食べるのかもしれません。
改めてまじまじと眺めると、なんと立派な体格か。
さすがアメリカンだなと感心。
重量を量ると、300g。
大きなわりに、案外軽い印象。
ベタつきのある、ロウたっぷりの果皮。
デコボコの掘りの深いWASPっぽい顔立ち。
果肉は、イメージどおり切りやすく、いとも簡単に二つに割れていきます。
かじると、果肉はとてもやわらかく、もっさりして、歯ごたえはありません。
果肉も、緻密な印象ではありません。
多汁なのですが、果肉自体がもっさりしています。
粗くて、食感が頼りない。
ここまでは、過去のイマイチな記憶と一致します。
ただ、このリンゴの良さは、食感には無かったということに気付きました。
そう、甘味、酸味と香りの良さです。そしてジュース。
酸味は強く、しっかり主張します。
香りも、思いのほか強く、グイグイと引っ張られる感じ。
甘さもしっかりあって、酸味と香りで、味を牽引しています。
食感を除けば、なかなかの味わいです。
改めて生食すると、とても個性的。
酸味・香りともに、とてもキレのある、なかなか心地よいものです。
生食では、もっさりとした食感が残念なところです。
しかし、ジュースなど、加工にはまだまだ勢力を伸ばしそうな、優良品種だなと思いました。