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なかの真紅 ナカノシンク 赤りんご TX
カテゴリ:くだもの
複数品種あります。
後述。
今後もメディアで注目されそうです。
見た目のインパクトだけでなく、味もなかなか個性的です。
ファイル名:20231203tx.jpg
なかの真紅 なかのしんく
長野県中野市の育種家 吉家一雄氏が育種した品種。
断面が赤く色づくリンゴに強いこだわりを持っておられ、複数の品種を登録にこぎつけています。
メディアでも度々取り上げられています。
入手個体は青森県産のものでした。
【 品種登録情報 】
農水省に品種登録されています。抜粋し転載。
作物区分 果樹
農林水産植物の種類 Malus Mill. (和名:リンゴ属)
登録品種の名称 なかの真紅 (よみ:ナカノシンク )
登録年月日 2018/05/29
育成者権の存続期間 30年
品種登録者の名称及び住所 吉家一雄 (383-0066 長野県中野市大字厚貝)
・・・果実の大きさはやや大、果実の形は円錐形、・・・果皮のろう質の多少は中、果面の粗滑は滑、果皮の地色は黄、果皮を被う色の面積は大、果皮を被う色は紫紅、果皮を被う色の濃淡は濃、・・・果肉の硬さは硬、果肉の色は帯桃、果実の甘味は高、果実の酸味は中、果実の蜜の多少は少、果心の形は円錐形、開花始期は中、収穫期は中である。出願品種「なかの真紅」は、対照品種「紅の夢」と比較して、果実の形が円錐形であること、果皮の地色が黄であること、果実の甘味が高であること、果実の酸味が中であること等で区別性が認められる。対照品種「HFF60」と比較して、果実の形が円錐形であること、果皮の地色が黄であること、果皮を被う色の面積が大であること、果実の甘味が高であること等で区別性が認められる。
対照品種「紅の夢」「HFF60」はいずれも弘前大学が育成したリンゴで、断面が赤くなるタイプです。
【 果肉が赤いリンゴとは? 】
断面が美しく、機能性も高いことから、赤肉リンゴは、世界各地で育成ががすすんでいます。
赤い色は「ポリフェノール」です。
果肉の赤いリンゴは、以前から存在していました。
ただ、小さくて、酸味が強くて生食用としての利用が難しかったのです。
改良の結果、今見るような、大型で甘味の強い品種が生まれています。
果肉が赤くなるタイプは、遺伝子配列の違いで、I型 と、II型のタイプに分けられます。
II型では,果皮着色が果肉と異なる遺伝子で制御されるようで、赤皮だけでなく黄色のリンゴも着色します。
現在わかる範囲で、農水省に品種登録されている、果肉が赤いリンゴを表にしてみます。
なお、遺伝的な要因ではない、環境の違いによる、果肉の着色不良が課題になります。
弘前大・松本助教(現 静岡大農学部教授)によれば、光との相関は低く、低温の程度と期間の影響を強く受けるとのことです。「紅の夢」を対象にした研究結果。
リンゴの果肉・果芯の着色要因は光か?温度か
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-24780020/24780020seika.pdf
品種による差異については、まだ究明途上というところのようです。
【 吉家氏が育成した、果肉が赤いリンゴ 】
吉家さんは、農家の育種家。赤いリンゴのインパクトに魅了されたとのことです。
2023年時点で7品種のリンゴを農水省に登録しています。数字は出願年度。
たかいこがね2000 いろどり2014 なかの真紅2014 なかののきらめき2014 炎舞2014 ムーンルージュ2014 冬彩華(とうさいか)2017
ほか、2品種が品種登録待ち。
「たかいこがね」は、「王林」の枝変わりですが、他は、一貫して果肉断面が赤くなる品種を育成しています。
「ムーンルージュ」など、甘くておいしいだけでなく、その珍しさも手伝ってメディアでも取り上げられています。。
その他情報
勝手に赤果肉委員会
https://uekiy880209.wixsite.com/red-flesh-apples
苗木については、長野県須坂 有限会社植木農園さんで販売しているという情報があります。お問合せしてみて下さい。
【 じっさいに食べてみた 】
けっこう大柄な個体です。350gくらいはありました。
外皮はロウがたっぷりで、完熟しているなという印象です。
形状が、円錐とされますが、ゴツゴツとデコボコも多く、つるりとした外観にはなりにくいようです。
青森県産の個体だったからか、果皮の色が濃く黒っぽくなっています。
果点は小さくまばらで、ぼんやりとした縦縞があります。
全体に、堅めの印象。
切ると、出ました!紅色の断面。
なかなか楽しい!
せっかくなので、横断面でスライスするように切ってみます。
こんな風になってるんですね。
食べても、実はかなり美味しいリンゴです。
酸味のパンチに負けない、香りと甘味が一気にやってきますが、
なぜかしばらくすると、すぅーっと引いていきます。
何度食べても、そんな印象です。
面白い味わいです。後味すっきり。
測ってみると糖度も立派で14.3度ありました。
堅めの果肉で、歯の弱いひとには厳しいでしょうか。
ほぐれにくく、噛む回数も多くなります。
多汁という感じではありません。
また、渋みは感じられません。
赤い断面のリンゴというだけでなく、強い味わいとさっぱりした食後感は、なかなか斬新に思えました。
ふつうに、とても美味しいリンゴなんですね。