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あきづき 秋月梨
栽培が広まって、入手しやすくなってきた赤梨。
当面、中晩生の本命といって良い、良食味な和梨です。
出回る時期は短い印象ですが、産地が北上しながら、各地の「あきづき」を楽しめます。
試験段階では、最も早い徳島で8月末、東北などで10月が収穫期と報告されています。
おおむね9月中下旬あたりが、平均的な出回り時期です。
つまり、「豊水」と「新高」の間を埋める位置づけとなります。
とはいえ、食味は豊水よりも良好で、栽培が広まれば、4番バッターの位置づけになるかもしれません。
名前の由来は、収穫期の「秋」と、まん丸な「月」のような形から名付けられています。
【 品種登録情報 】
この品種は農水省に品種登録されています。抜粋し転載。
作物区分 果樹
農林水産植物の種類 Pyrus pyrifolia (Burm. f.) Nakai var. culta (Mak.) Nakai (和名:ニホンナシ変種)
登録品種の名称 あきづき (よみ:アキヅキ )
登録年月日 2001/10/18
育成者権の存続期間 25年
品種登録者の名称及び住所 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 (305-8517 茨城県つくば市観音台三丁目1番地1)
この品種は、「162-29(「新高」×「豊水」)」に「幸水」を交配して育成されたものであり、果形が扁円、果実の大きさが大、果皮色が黄赤褐の育成地(茨城県つくば市)では9月下旬に成熟するやや晩生種である。・・・果実の形は扁円、果形指数及び梗あの深さは中、広さは広、ていあの深さ及び広さは中、有てい果の有無は有、果実の大きさは大、果皮色は黄赤褐、果点の大きさは中、密度は密、果面の粗滑は中である。・・・果肉の色は白、硬さは軟、粗密は密、切口の褐変は中、甘味は高、酸味は弱、香気は少、果汁の多少は多、・・・「幸水」と比較して、花色が白であること、果実が大きいこと、成熟期が遅いこと等で、「豊水」と比較して、花色が白であること、果形が扁円であること、開花期が遅いこと等で、「生水」と比較して、梗あが広いこと、果芯が大きいこと等で区別性が認められる。
育成者の論文が出ています。
果樹研究所研究報告 「ニホンナシ新品種‘あきづき’」
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2030651279.pdf
和梨の中でも大きな市場を持っている、「豊水」シーズン終了後の、中晩生の市場を担う優良品種として育成されました。
「162-29」は、晩生で肉質に優れた大型の赤梨。
それに、早生品種で優れた「幸水」という組み合わせの妙。
【 この果実の特徴 】
平均重量が500gを超える、豊水より大型になる梨です。
果肉は緻密で、酸味があまり感じられず、高糖度。
多汁で、食べ応えのある梨。
果肉は、豊水と同程度の堅さで、食べやすい柔らかさを持っています。
全体に、和梨らしい、瑞々しさと甘味がたっぷり味わえる、優良品種。
【 特記 】
2024年、当地近辺では、不良果が多く発生したようです。
多くは、果皮陥没、コルク状障害、でした。
表皮が陥没したり、果肉に褐色の斑点が出るものです。
大玉果で発生しやすいようです。
参考
埼玉県農業技術研究センター
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/63952/20180622techno.pdf
初夏の潅水と、土壌のカリ成分過多が原因と推定しています。
エテホン液剤散布による成熟促進で発生をおさえる方法
茨城県農業総合センター園芸研究所
https://www.pref.ibaraki.jp/nourinsuisan/enken/seika/kajyu/nashi/documents/18nasi4.pdf
何かの参考になれば幸いです。
202410