豊華　　ゆたか

中華梨と和梨の混血です。
「紅梨（ホンリー）」×「豊水」と考えられています。

中華梨と和梨の交配は希少な存在です。
比較的知られた品種には「王秋」があります。
中国梨の「慈梨」と鳥取名産「二十世紀梨」を交配した「C2」が親になっています。

洋梨と和梨の交配品種には、「ラフザス」「清麻呂」があります。

【　品種登録情報　】

この品種は農水省に品種登録されています。抜粋し転載。

作物区分 果樹
農林水産植物の種類 Pyrus pyrifolia (Burm. f.) Nakai var. culta (Mak.) Nakai　（和名：ニホンナシ変種）
登録品種の名称 豊華　（よみ：ﾕﾀｶ ）
登録年月日 2009/03/06
育成者権の存続期間 30年
品種登録者の名称及び住所　木村豊 （346-0106 埼玉県久喜市菖蒲町菖蒲3272番地）
登録品種の育成をした者の氏名　木村豊
・・・果実の大きさはかなり大、果皮の色は黄褐、果点の大きさは中、果点の粗密は密、果面の粗滑（赤なし品種に限る）は粗、・・・果肉の色は白黄、果肉の硬さは軟、果肉の粗密は中、果実の甘味は高、果実の酸味は中、果汁の多少は多、・・・開花始期は早、成熟期はやや晩である。　出願品種「豊華」は、対照品種「新高」と比較して、葉柄の長さが中であること、果実の甘味が高であること等で区別性が認められる。 対照品種「新興」と比較して、葉柄の長さが中であること、果実の形が円形であること等で区別性が認められる。

育成者で登録者　木村豊さんのHP
http://www.yutaka-nashi.com/index.html

「豊華」の交配情報
登録時は、交雑組み合わせを「紅梨」×「新興」　としたが、その後ＤＮＡ解析により「紅梨」×「豊水」
であったことが明らかになった　　とあります。

「紅梨（ホンリー）」は、中国梨で、赤い皮と香りに特徴がある品種。

「豊華」の名前の元は、木村氏の名前の一部と、中華梨の交配であることが理由と思われます。

【　食べてみた印象　】

800ｇはあると思われる、大きな実。

特徴的な点として、終始酸味を感じる梨です。
また、水分が多く、ジャバジャバした感じ。
果肉の質は緻密という感じではなく、柔らかい感じで、食べやすいです。

甘味は、ごく普通で、おとなしい部類です。
まるでリンゴの評のようですが、甘さと酸味のバランスが良いです。

少々スジっぽい感じもありますが、甘さ一辺倒の時代にあって、個性的な面白い梨です。
果肉の変色は中心部からやや早めに発生します。

あふれる水分、甘味とともに酸味を堪能してください。