素材ダウンロード

紅さわ香 紅紅甘夏 べにさわかTX
カテゴリ:くだもの
名前のとおりの、柑橘。「紅色」濃く、「さわやか」な「香り」。
ホントウの名前の由来は、後述。
ファイル名:20250414tx.jpg
紅さわ香 べにさわか 紅紅甘夏
「紅甘夏」の枝変わり変異種とされています。
「紅甘夏」も、川野夏橙(甘夏)の枝変わりで、赤みのある果皮ですが、さらに赤みの強い果皮色で、一目で別物と判ります。
鹿児島県阿久根市発祥。登録申請者のお孫さんから名付けたそうです。
JA鹿児島いずみ管内で主に栽培・出荷されているようです。
解説があります。
JA鹿児島いずみ 紅さわ香
https://ja-izumi.or.jp/fruit/benisawaka/
12月~1月に収穫し、酸抜きしたものを3月~4月の間に出荷しているようです。
「甘夏」「紅甘夏」「紅さわ香」の色比較が掲載されています。
「川野夏橙(カワノナツダイダイ)」=「甘夏」の枝変わり変異種は色々出ています。
「新甘夏」や「サンフルーツ」などの名で出ているものも「紅甘夏」同様、枝変わり変異種。
「紅さわ香」は、変異の変異種ということで、甘夏の孫世代変異といえます。
【 品種登録情報 】
この作物は、農水省に品種登録されています。
抜粋し転載。
作物区分 果樹
農林水産植物の種類 Citrus L. (和名:カンキツ属)
登録品種の名称 紅さわ香 (よみ:ベニサワカ )
登録年月日 2017/08/21
育成者権の存続期間 30年
品種登録者の名称及び住所 大野貢 (899-1131 鹿児島県阿久根市脇本)
・・・果実の形は扁球、果頂部の形は陥没、果頂部放射条溝の有無は無、果頂部の凹環の有無は不明瞭、果梗部の形は切平面、果梗部放射条溝の多少は多、果心の充実度は中、果心の大きさは大、果実の重さは中、果皮の色は赤橙、油胞の大きさは大小混合、油胞の密度は中、油胞の凹凸は凹、果面の粗滑は粗、果皮の厚さは中、果皮歩合は小、剥皮の難易はやや難、じょうのう膜の硬さは硬、さじょうの形は中、さじょうの大きさは大、さじょう(果肉)の色は黄橙、果汁の多少は多、甘味はやや低、酸味は低、香気の多少は中、種子数は中、・・・出願品種「紅さわ香」は、対照品種「紅甘夏」と比較して、香気の多少が中であること等で区別性が認められる。対照品種「大野紅」と比較して、果皮の色が赤橙であること、香気の多少が中であること等で区別性が認められる。
育成・登録者の大野貢氏は、紅甘夏を生産する果樹農家。
あまりに赤いので、周囲からは「伊予柑」じゃないかと疑われたそうです。
申請する時、奥さんの名前をとって、「紅ひとみ」にしようと思っていたのですが、すでに使われていたことから、お孫さんの名前をとって名付けたそうです。
阿久根市 市広報「あくね」 2018 5月号
https://www.city.akune.lg.jp/material/files/group/67/3005.pdf
当初は、外箱の品種名のところの「紅甘夏」の左に、「紅」のハンコが押してあったそうで、流通関係者の間では、「紅紅甘夏」と呼ばれたようです。
2025現在「紅さわ香」の商標登録は、されていないようです。
【 食べてみた感想 】
300gほどの個体。
皮色は、かなり赤味のある色です。
手近にあった、セミノールと同じくらいの色。
みかん色の「津之香」と比べると際立った赤味色。
切る前から、皮から柑橘らしい良い香り。
皮には厚みがありますので、ナイフで切り込みを入れるか、「ムッキーちゃん」などを使います。
横半分に切ってみると、断面から甘味のある香りが広がります。
紅甘夏よりも強い香り。
心なしか、果肉色も赤い印象。
果汁は、とても多い印象です。
種は7~8粒ほどで、多いほうではありません。
果肉はお馴染みの、甘夏のような感じで、違いは、香りが楽しめる点。
ほんのり甘味と、粒々感が楽しい素朴な味わい。
酸味は少なく感じられました。
じょうのう膜は、厚みがあること、苦味をともなうことから、剥いて食べてください。
多汁で、良い香りのせいか、より濃厚な旨みを感じることができました。
口のまわりが、少しヒリヒリと感じられました。個人差があるかもしれません。
名前のとおり、「さわやか」な「香り」が楽しめる、濃い紅色柑橘でした。
202504