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おいらせ 奥入瀬 赤りんご TX
カテゴリ:くだもの
完熟前かもしれませんが、入手できたら、再度検討したいです。
希少で、見かけることは少ないでしょう。
ファイル名:20250930tx.jpg
おいらせ
「おいらせ」は、地名なのでしょう。
「奥入瀬(おいらせ)川」は、青森の巨大水がめ「十和田湖」から流れる、神秘的な渓流スポットで知られています。
青森県弘前市鬼沢の、藤田正則氏が、「スターキングデリシャス」×「つがる」を交配し育成した品種とされています。
農水省の品種登録では、確認できませんでした。
藤田氏の住まいは、西側の岩木山の近くですが、地元青森の美しい自然を誇る気持ちから、「おいらせ」と名付けたのでしょう。
「青森県のりんご」杉山芬/雍 共著 北の街社 に、栽培に関わった赤石りんご園さんと、藤田正則氏のコメントが残っています。
接木をすると、原木が枯れてしまうので、増殖できない状態だったとのこと。
1970年より前には育成されていたようですが、「誰も知らない私の宝物」状態のものを、藤田氏が赤石氏の考えに賛同くださって、分譲されたと記述されています。
増殖が長らく出来なかった理由が、「高接病ウイルス」だと判明。
原木は枯れ死しているそうです。
のちに、「北斗」に接木したものが、ウイルスに負けずに育っていくことが判り、増殖が可能になったそうです。
2003年には種苗会社から苗木が販売され始めたそうです(現在も原田種苗さんで入手可能)。
今回入手したのは、長野県。
なお、似た名前のリンゴに、「夢おいらせ」があります。こちらは、小さめの特徴あるリンゴです。
【 食べてみた 】
明るいピンク混じりの外皮。美しい外観。
本来は、ゴツゴツした、もっと赤黒い感じになるようです。
香りはあるようですが、切る前では、弱く感じる程度です。
青い果実のような香りで、完熟カンキツのようなものとは違います。
皮は厚みは薄く、果肉を切った感じは柔らかめですが、刃にくっつくような印象です。
果肉がとても緻密なのでしょう。
食べてみると、ずいぶん印象が変わりました。
いい意味で予想を裏切るリンゴです。
果肉がモチモチして、弾力さえ感じられ、非常に個性的。
リンゴで「モチモチ食感」というのは、初めての体験かもしれません。
果肉の密度が高い感じで、食べやすくはないですが、実に噛みごたえのある果肉です。
甘さは、味覚上はあまり強く感じないのですが、13.8度とまずまずの糖度。
食後感は、濃厚ではなく、案外さっぱりした感じの残るリンゴでした。
高密度で、腹持ちが良いかもしれません。
香りはとても弱いですが、洋ナシに似た感じの爽やかな香りが感じられました。
別のサイトを見ると、真っ赤に色づいて、密が牛肉のような霜降り状態になる様子が見られます。
収穫時点が早かったのかもしれません。
育成者藤田氏によれば、毎年収穫日が違っていて、状態をよく見て収穫する必要があると述べています。
しかし、食べた時点で、とても満足感のあるリンゴでした。
非常に特異な食感をもつリンゴ。
弾力ある、「モチモチりんご」は、とても記憶に残る経験でした。
入手機会があれば、再度 検証したいと思います。
202509