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バートレット ウィリアムズ・ボン・クレティエ 洋梨 TX
カテゴリ:くだもの
世界で最も多く栽培されている品種で、超メジャー級の洋梨。
この美味しい洋梨が、缶詰になっていたとは・・・。
ファイル名:202510tx_004.jpg
バートレット bartlett ウィリアムズ・ボン・クレティエ
イギリス生まれの洋梨品種。
世界で最も多く栽培されている品種で、超メジャー級の洋梨。
国内では3番目に栽培が多いようです。
赤い果皮のものもあります。
「マックス・レッド・バートレット(max red bartlett)」で、バートレットの枝変わり品種。
縮めて、「レッド・バートレット」とも呼ばれます。
【 来歴 】
イギリス南部生まれの洋梨。1770年代のこととされます。
ステアという人物が発見者です。ウィリアムズという苗木業者が広め、「ウィリアムズ・ペア」などと呼ばれました。
苗木がアメリカに渡り、マサチューセッツ州のエノック・バートレットが栽培を広めたことから、「バートレット」の名で広まりました。
今日北米で知られているバートレット梨は、世界の他の多くの地域で「ウィリアム(ズ)」、「ウィリアムズ・ボン・クレティエ」と呼ばれている品種と同一と考えられます。
ここでは、現在の日本での通り名「バートレット」としてすすめます。
日本には明治時代になって多くの洋梨品種が試験導入されます。
1903(明治36)年に、ラ・フランスが導入されます。
「バートレット」は、それよりも早く、明治初期に導入されたようですが、百種を超える品種が試されたそうで、導入時期について明確な年代は判りませんでした。
大正天皇(当時皇太子)が東北地方を訪問した際、おいしい和梨のお礼に、「バートレット」の苗を授けたという話が残っています。明治42年のこと。
日本での導入当初は、「バートレット」は缶詰の原料として多く栽培されるようになります。
当時は、「追熟して食べる」という知識が広まっていない事、道路インフラなど物流に課題があって、生食用としての流通は極少なかったと思われます。
【 特徴 】
洋梨らしい、ビン型の形状をしています。
それほど大きくなるわけではなく、250g前後の個体が多いと思います。
果皮にサビがあっても、食味には影響がなさそうです。気にしないで下さい。
収穫時は、黄緑色。その後、追熟すると、黄色みを帯びてきます。
果皮に傷があると、そこから腐敗が始まります。また、熟しすぎると、アルコール臭が出ますので、注意が必要です。
肩に日焼けのような、赤味がかった個体もあります。
食べ頃判断は、やはり色の変化という事になります。
早く食べたいならば、黄色くなったものを選びます。
上の写真のように、かなり黄色くなるまで待たなくても、良いと思います。
この個体で、2週間程度ねかせたものです。
常温で保存しますが、追熟を遅らせるには、冷蔵庫へ。
程度はありますが、自分で少しはコントロールできます。
早生品種にあたります。産地で前後しますが、9月から3週間程度の間入手できます。
【 食べてみた 】
ご縁がなく、2025年に入手。
国内洋梨の中では、栽培は多いほうです。
外観はいびつな印象で、デコボコが多いです。
切る時点では、ほんのわずかに黄緑色が残る黄色という感じ。
今だな、と判断して、切ることにします。
洋梨一般に言えますが、切る前は、外からは、あまり強い香りは感じないものです。
切って一口。
鋭い甘味と酸味が口いっぱいに広がります。
正直、この小さな実で、これだけのインパクトがあるのか!と驚きました。
和梨とは、全く異なる食体験です。
荒々しささえ感じる、濃厚で鮮烈、豊かで濃縮した味わい。
口の中で、とろりと溶けていく。
香りはあるのでしょうが、甘味と酸味が鋭く前面に出てきて、香りの存在感は薄い印象。
柑橘まじりの、リンゴに似た香りを感じました。
同時に食べた、「スタークリムソン ペア」 と比べると、微妙な違いに気付きます。
「スタークリムソン ペア」も、強さがありますが、どこか優雅で品がある感じがします。
今回は、十分追熟した、ジャストなタイミングで食べることができました。
少し早めだと、ちがった印象になるかもしれません。
今回は、歯がなくても食べられる状態でしたが、食感も少し堅い印象が残るでしょう。
また、遅すぎると、ぼやけた味とゆるい果肉で、まったく美味しくありません。
「バートレット」は、小さな巨人。
強い酸味と甘み、香り。
それぞれが強い存在感を放って、一体感を感じます。
世界で最も多く楽しまれている洋梨というのも、頷けます。
和梨と違い、コンポートやパイといった加熱料理も、レンジ等で手軽に作れます。
スパイシーな生ハムとオリーブオイルとも相性が良いです。
かなり美味しいです。日本にはない食文化をたのしみたいです。
ただしワインの呑みすぎには注意が必要です。
202509