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ボゴールパイン|心にチクっとささるワードで作る「ちくわPOP(ちくわぽっぷ)」|農産物直売所やスーパーの青果売り場の活性化に!農に特化したPOPが無料!!

ボゴールパイン

カテゴリ:くだもの

スナックパインです。品種名がボゴール。スナッキーな食べ方ができるという点だけで、個性的です。

ファイル名:20200618_005.jpg

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ボゴールパイン  スナックパイン  ポコットパイン
snack pineapples

科:パイナップル科 Bromeliaceae
属:アナナス属 Ananas
種:パイナップル A. comosus
台湾生まれで品種名「台湾4號」
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Pine(松)+ Apple(りんご)で「パイナップル」。松ぼっくりに似ている姿からきたようです。
日本記念日協会登録の「パイナップルの日」が8月17日。「パインの日」は8月1日。アメリカ大手企業ドールが申請。
パイナップルは、熱帯アメリカ原産。広まったのは大航海時代で、アフリカや熱帯アジアで広まりました。
日本に伝わったのは、案外遅く、江戸時代末期の1866年、石垣島沖で座礁したオランダ船から川平湾に漂着したパイナップルの苗が最初とされます。
1888年国頭郡(くにがみぐん)朝武士干城(あさぶしかんじょう)氏が小笠原から導入した有刺紅皮種の試作が、沖縄での最初の栽培。
1935年以降、大同拓殖㈱が石垣島で大規模栽培を始めます。1936年に種苗を導入以後、石垣島で盛んに栽培され主に缶詰需要に生産拡大されました。戦中に廃業したものの、戦後琉球政府の奨励や、日本への関税免除などで、八重山諸島、沖縄本島北部で栽培が広がり、沖縄経済を支えました。今的表現をすれば、パイナップル・バブル状態だったようで、農業と関係ない人も多く参入したようです。主な用途は「缶詰」。
ちなみに、暑い熱帯であればどこでも栽培できるわけではなく、隆起したサンゴ礁のあるアルカリ土壌では育てることができません。酸性土の適応性はあります。種で繁殖するのではなく、栄養繁殖植物です。
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【 初期に持ち込まれた品種 】
パイナップルは、カイエン群、クイーン群、レッドスパニッシュ群、ブランコ群、アマレロ群、交雑種に分類されます。
カイエンの一系統で、「三菱系」と呼ばれるものは、合資会社三菱農場が導入したものです。そのほか、タイから持ち込まれた、「TH-56」、ハワイから持ち込まれた、ハワイ系と呼ばれる「スムースカイエン」が混在していました。「スムースカイエン」は、雑多な品種も混入していたようで、雑多な系統からの選抜をおこない、現在も栽培される品種「N67-10」が誕生しました。1985年のこと。
その後、1990年代に入ると,生食 用果実が求められたため, ハワイ系沖縄カイエン種 は ソフトタッチ に(1999年), 三菱系同種はハニーブライトに品種改良され(1999年), 外国種(台湾)のボゴール等を含め, 生食用としてハウス栽培 されるようになりました。「ゴールドバレル」は2009年に登録された、沖縄県開発の品種。
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【 現在の栽培状況 】
缶詰加工用が減って、生食用が66%となっています。
統計では1973年に8万5千トンの生産だったものが、2017年では、生食用5520トン、加工用2790トン、計8,310トン。かつての十分の一まで減っています。
一方、生食用の需要は増えています。
背景には、度重なる輸入自由化の波、1990年のパイン果汁・缶詰の輸入自由化があり、急速に減少。その後も、農家の高齢化、後継者不在もあって、青果用が主な生産に変わっています。
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【 品種別の沖縄県栽培状況 】
「N67-10」277.6ha 「ソフトタッチ」90.2ha 「ボゴール等(込)」140.4ha「ゴールドバレル」19.4ha 
品種別にざっと紹介しておきます。
「N67-10」。主力品種です。
1967年に沖縄県農業試験場名護支場においてスムース・カイエンを個体選抜。大型で、島パイン、ハワイ種とも呼ばれているものです。6~7月に完熟したものが入手できるとラッキーです。
「ボゴールパイン」
2番目に多くつくられているようです。農水栽培データでは「ボゴール等」となっていますが、1/4ほどがこの品種と思われます。「ポコットパイン」や、手でちぎって食べられるので、「スナックパイン」の名で売られています。
「ソフトタッチ」
1999年に登録された品種です。生産量の約17%がこの品種に切り替わっています。
その他の品種は、数パーセントで少数派。
「ゴールドバレル」
「クリームパイン」と、「McgregorST-1」交配で沖縄県の育成。大きな果実で食味も良い。

Ananas comosusで農水省に品種登録されているものを見ると、202203現在17品種あります。県・国が開発したもの10件のほか、個人育種、企業によるものです。今後、ゴールドバレルなどが後発品種に切り替わるのかもしれません。
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【 パイナップルの不思議 】
実と呼ばれる部分は、たくさんのブツブツが集まっています。花の子房が肥大したもので、トウモロコシに似ています。葉っぱが上についていますが、光合成のためというよりは、「日よけ」と「雨水をあつめる」ためのもの。
食用のものは、品種改良で、種がないものが多いです。バナナもそうですね。種があるとすれば、皮の近くにブツブツとした小さなものが見えます。
苗木のほか、栄養繁殖植物ですので、冠芽(葉っぱ)の部分をそのまま植えても生えてくるようです。一般には、育つ途中で生える脇芽をつかって育てたほうが早いです。それでも苗で1年半~2年ほどと、生育期間は長いです。こんなふうに生えています。

にょっきりと果実が上の方に伸びて、不安定に見えますが、案外台風の被害は少ないほうだそうです。
口のまわりが、ヒリヒリするときがあります。針状結晶の「シュウ酸カルシウム」で、未熟果ほど多いとされます。
「肉を柔らかくする効果がある」といわれます。酵素「ブロメライン」がパイナップルに多く含まれているからです。非加熱で漬け込むのであれば意味があるかもしれません。ブロメラインは熱には弱いです。
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さて、テーマの「ボゴールパイン」について
台湾原産の品種で、品種名は「台湾4號(号)」。釈迦鳳梨、剥皮鳳梨と呼んでいるようです。釈迦に見えるのでしょうか。皮がむけるというのは、なるほどなネーミングです。
1980年代、スムースカイエンとシンガポール種の交配から生まれました。
葉っぱに棘があるほか、首の部分も尖った部分があるので注意してください。
ボゴールBogorは、インドネシアの首都ジャカルタに近い所の地名。種の名と思われますが、インドネシアにルーツがあるのでしょうか。「ボゴール」名の由来は、よくわかりませんでした。ちなみに、インドネシア・ボゴール地区では、パイナップル生産はほとんどされなくなっているようです。
「スナックパイン」という名前は、手でもぎ取ってスナックのように食べられるから。
日本に導入されたのは、先述のとおり1990年代以降のこと。
国産のものは、4月中旬くらいから出回り、5~6月が店頭でのピークになります。沖縄でも、「N67-10」に次いで多く栽培されていますので、シーズンであれば入手しやすいです。
赤まじりの黄色い皮色のものが多く、緑色のもありますが、緑色でも熟しているものもあります。
外観からは、腐熟状態かどうかが分からないのがこの品種の難点です。この品種に限らず、パイナップルは食べ時がわかりづらかったりします。
なお、勘違いしている方が多いですが、パイナップルは追熟して食べるタイプの果実ではありません。
ボゴールは、手でちぎって食べられるのが最大のセールスポイント。芯の部分も固くないので、おいしく食べられます。食べる過程を楽しむ提案をしたいですね。
甘さは、パイナップルの中では特に甘いというわけではないです。個体差はありますが、酸味が強いものがあります。育成日数よりも早く出荷してしまったものと思われます。切ったものを、冷蔵保存すると、酸抜けする場合があります。


「パイナップルの生理生態に関する研究」 沖縄県農業試験場 
は、長文ですが、読んでおくと参考になると思います。
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010670124.pdf

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くだもの南国フルーツスナックパインボゴールパイン台湾4号

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