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ピーチパイン|心にチクっとささるワードで作る「ちくわPOP(ちくわぽっぷ)」|農産物直売所やスーパーの青果売り場の活性化に!農に特化したPOPが無料!!

ピーチパイン

カテゴリ:くだもの

こぶりですが、芯まで食べられます。かなり甘くて香りもよく満足感が高いです。「ソフト タッチ」で、名前の文字にスペースがあります。解説が長いですが、かなり理解が深まると思います。

ファイル名:20220315.jpg

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ピーチパイン  ソフト タッチ  ミルクパイン

科:パイナップル科 Bromeliaceae
属:アナナス属 Ananas
種:パイナップル A. comosus
品種登録名は、「ソフト タッチ」。
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Pine(松)+ Apple(りんご)で「パイナップル」。松ぼっくりに似ている姿からきたようです。
日本記念日協会登録の「パイナップルの日」が8月17日。「パインの日」は8月1日。アメリカ資本の大手ドールが申請。
パイナップルは、熱帯アメリカ原産。広まったのは大航海時代で、アフリカや熱帯アジアで広まりました。
日本に伝わったのは、案外遅く、江戸時代末期の1866年、石垣島沖で座礁したオランダ船から川平湾に漂着したパイナップルの苗が最初とされます。
1888年国頭郡(くにがみぐん)朝武士干城(あさぶしかんじょう)氏が小笠原から導入した有刺紅皮種の試作が、沖縄での最初の栽培。
1935年以降、大同拓殖㈱が大規模栽培を石垣島で大規模栽培。1936年に種苗を導入以後、石垣島で盛んに栽培され主に缶詰需要に生産拡大されました。戦中に廃業したものの、戦後琉球政府の奨励や、日本への関税免除などで、八重山諸島、沖縄本島北部で栽培が広がり、沖縄経済を支えました。今的表現をすれば、パイナップル・バブル状態だったようで農業と関係ない人も参入したようです。主な用途は「缶詰」。
ちなみに、暑い熱帯であればどこでも栽培できるわけではなく、隆起したサンゴ礁のあるアルカリ土壌では育てることができません。酸性土の適応性はあります。種で繁殖するのではなく、栄養繁殖植物です。
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当初、持ち込まれた品種について。
パイナップルは、カイエン群、クイーン群、レッドスパニッシュ群、ブランコ群、アマレロ群、交雑種に分類されます。
カイエンの一系統で、「三菱系」と呼ばれるものは、合資会社三菱農場が導入したものです。そのほか、タイから持ち込まれた、「TH-56」、ハワイから持ち込まれた、ハワイ系と呼ばれる「スムースカイエン」が混在していました。「スムースカイエン」は、雑多な品種も混入していたようで、雑多な系統からの選抜をおこない、現在も栽培される品種「N67-10」が誕生しました。1985年のこと。
その後、1990年代に入ると,生食 用果実が求められたため, ハワイ系沖縄カイエン種 は ソフトタッチ に(1999年), 三菱系同種はハニーブライトに品種改良され(1999年), 外国種(台湾)のボゴール等を含め, 生食用としてハウス栽培 されるようになりました。「ゴールドバレル」は2009年に登録された、沖縄県開発の品種。
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現在栽培状況
缶詰加工用が減って、生食用が66%となっています。
統計では1973年に8万5千トンの生産だったものが、2017年では、生食用5520トン、加工用2790トン、計8,310トン。かつての十分の一まで減っています。
一方、生食用の需要は増えています。
背景には、度重なる輸入自由化の波、1990年のパイン果汁・缶詰の輸入自由化があり、急速に減少。その後も、農家の高齢化、後継者不在もあって、青果用が主な生産に変わっています。
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品種別の沖縄県栽培状況
「N67-10」277.6ha 「ソフトタッチ」90.2ha 「ボゴール等(込)」140.4ha「ゴールドバレル」19.4ha 
品種別にざっと紹介しておきます。
「N67-10」。主力品種です。
1967年に沖縄県農業試験場名護支場においてスムース・カイエンを個体選抜。大型で、島パイン、ハワイ種とも呼ばれているものです。6~7月に完熟したものが入手できるとラッキーです。
「ボゴールパイン」
2番目に多くつくられているようです。農水データではボゴール等となっていますが、1/4ほどがこの品種と思われます。台湾原産で、「台湾4号」が品種名。「ポコットパイン」や、手でちぎって食べられるので、「スナックパイン」の名で売られています。
「ソフトタッチ」
1999年に登録された品種です。生産量の約17%がこの品種に切り替わっています。
その他の品種は、数パーセントで少数派。
「ゴールドバレル」
「クリームパイン」と、「McgregorST-1」交配で沖縄県の育成。大きな果実で食味も良い。

Ananas comosusで品種登録されているものを見ると、202203現在17品種あります。県・国が開発したもの10件のほか、個人育種、企業によるものです。今後、ゴールドバレルなどが後発品種に切り替わるのかもしれません。
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さて、テーマのピーチパイン。
農水品種登録DB  抜粋転記一部略
物区分 果樹
農林水産植物の種類 Ananas comosus (L.) Merr.(和名:パインアップル種)
登録品種の名称 ソフト タッチ(よみ:ソフト タッチ )
登録年月日 1999/09/06
育成者権の存続期間 20年
育成者権の消滅日 2001/09/07
品種登録者の名称及び住所 沖縄県 (900-8570 沖縄県那覇市泉崎1丁目2番2号)
この品種は,「ハワイ系(スムースカイエン種)」に「Ⅰ-43-880」を交配して育成されたもので,果形は円錐,果実表面の色は黄橙で,大きさが軽の,育成地(沖縄県名護市)で7月中旬に収穫できる品種である。---果実の大きさは軽(800g程度),長さは中,果実表面の色は黄橙,小果の数は中,大きさは軽,果皮の厚さは中,果肉の色は白,果芯の太さは細,甘味は高,酸味は中,香気はかなり多,肉質は軟,種子の多少は無である。開花期は早,収穫期は早で育成地において7月中旬,成熟日数は短である。日焼けは中,裂果は少である。「N67-10」と比較して,果実が小さいこと,甘味が高いこと等で,「ボゴール」と比較して,葉のとげの密度が粗く硬さが軟らかいこと,果肉の色が白であること等で,「クリームパイン」と比較して,草丈が低いこと,葉幅が狭いこと,果実が小さいこと,収穫期が早いこと等で区別性が認められる。
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登録品種名は「ソフト タッチ」ですが、「ピーチパイン」の名で親しまれています。
城間正守氏が育てた、パッションフルーツ「ソフトタッチ」が品種登録されていますが、似た名前で間違えやすいのか、「ソフトタッチちゅうちゅう」の名で出回っています。
このパイナップルは、品種名で呼ばれることは少ないと思います。果肉色が白っぽいので、別名ミルクパインとも呼ばれます。こんどは、パイナップルの「クリームパイン」の方と混同しそうです。余計な心配ですね。
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パイナップルの不思議な点
実と呼ばれる部分は、たくさんのブツブツが集まっています。花の子房が肥大したもので、トウモロコシに似ています。葉っぱが上についていますが、光合成のためというよりは、「日よけ」と「雨水をあつめる」ためのもの。
食用のものは、品種改良で、種がないものが多いです。バナナと同じです。種があるとすれば、皮の近くにブツブツとした小さなものが見えます。
苗木のほか、栄養繁殖植物ですので、冠芽(葉っぱ)の部分をそのまま植えても生えてくるようです。一般には、育つ途中で生える脇芽をつかって育てたほうが早いです。それでも苗で1年半~2年ほどと、生育期間は長いです。


にょっきりと果実が上の方に伸びて、不安定に見えますが、案外台風の被害は少ないほうだそうです。
口のまわりが、ヒリヒリするときがあります。針状結晶の「シュウ酸カルシウム」で、未熟果ほど多いとされます。
肉を柔らかくする効果があるといわれます。酵素「ブロメライン」がパイナップルに多く含まれているから。
非加熱で漬け込むのであれば意味があるかもしれません。熱に弱いです。
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やや小型のパイナップルで、テーブルに置いておくと可愛いくて、楽しい気分になります。
甘さは、相当高く、17度前後になります。酸味が少ないこと、香りが良いこと(モモに似ている)、芯まで食べられることから、小さいサイズですがかなり満足度が高いです。
熟し具合ですが、皮色が、この品種は赤黒くなりやすいこと、冠芽(かんが)=葉っぱの反対の、おしり周辺の匂いが甘く強い香りがしたら、食べごろと判断したいです。緑色が混じった個体もありますが、異常ではないですが、甘味が薄い印象ですので、避けた方がよいです。
追熟するフルーツではないので、いくら待ってもさらに甘くなるわけではないですが、酸味は和らぎます。
俗説かもしれませんが、梨と同じで、甘さが下(おしり)に多くなるので、逆さにしておくといいという意見があります。個人的には、重力の影響程度では、あまり変わらないような気がします。
ボゴールやピーチパインは、芯も甘くておいしいので、是非平らげてください。

「パイナップルの生理生態に関する研究」 沖縄県農業試験場 
は、長文ですが、読んでおくと参考になると思います。
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010670124.pdf


202203改

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くだもの南国フルーツピーチパインソフトタッチミルクパイン

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