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王秋梨 おうしゅうなし
晩生の赤梨。とても大型になりやすいです。
外皮色が青みがかったものが流通したりします。
熟すと、本来の薄茶色に変化します。
中華梨「慈梨(ツーリー)」と和梨の交配品種を、和梨「新雪(しんせつ)」と交配しています。
他の例では、「豊華」があります。
珍しい事例になります。
ちなみに、洋ナシと和梨の交雑には、「清麻呂」、「ラフザス」があります。
まだあるのかもしれません。
御存じの方 お教え下さい。
似た名前ということで、ご紹介。
名前を前後入れ替えた、「秋王(あきおう)」という名前の 柿 があります。
とても優秀な純粋甘柿で、福岡限定。
【 品種登録情報 】
この品種は農水省に品種登録されています。
抜粋し転載。
作物区分 果樹
農林水産植物の種類 Pyrus pyrifolia (Burm. f.) Nakai var. culta (Mak.) Nakai (和名:ニホンナシ変種)
登録品種の名称 王秋 (よみ:オウシュウ )
登録年月日 2003/03/17
育成者権の存続期間 25年
育成者権の消滅日
品種登録者の名称及び住所
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 (305-8517 茨城県つくば市観音台三丁目1番地1)
この品種は、「C2」(「慈梨」×「二十世紀」)に「新雪」を交配して育成されたものであり、果形が円楕円、果実の大きさが極大、果皮色が黄褐の育成地(茨城県つくば市)では10月下旬~11月上旬に成熟する晩生種である。・・・果実の形は円楕円、果形指数は大、梗あの深さは中、広さはやや狭、ていあの深さは中、広さは広、有てい果の有無は無、果実の大きさは極大、果皮色は黄褐、果点の大きさ及び密度は中、果面の粗滑は滑である。・・・「新高」と比較して、花色が淡桃であること、やくの色が濃紅であること、花粉が有ること等で、「晩三吉」と比較して、新梢の色が濃茶褐であること、肉梗が無いこと、果肉が軟らかいこと、甘味が高いこと等で区別性が認められる。
「慈梨(ツーリー)」は、大正時代に導入された、中国梨。
「C2」は、ハーフということになります。
「新雪」は、新潟生まれの、大型梨。
「王秋」は、それぞれの優れたところを引き継いでいると言えます。
「王秋」は、「新雪」ゆずりなのか、貯蔵性も良好で、けっこう長期間流通しています。
成熟期が「新高」より少し遅く、「晩三吉」よりも前に出てきます。
おおむね600g前後の、大型になる梨。
端境を埋める市場性の点でも、優位。
【 食べてみた印象 】
外観は、ややデコボコ感のある形。
外皮は、ザラザラした感じではなく、滑らか。
独特の香りを持っており、「慈梨(ツーリー)」ゆずりの特徴が出ています。
果肉は、晩生梨にありがちな、ザクザクとした粗い感じではなく、緻密な果肉。
甘さは強く、酸味も同時に感じられます。
それぞれのバランスが取れて、とても調和した、良食味。
ジューシーさ たっぷり。
シャリ感もあります。
晩生梨にありがちな、堅くてガシガシした食感ではありません。
優雅で、とてもバランスが良く、美味しい梨でした。
202509改