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アイスプラント クリスタリナム バラフ プッチーナ シオーナ ソルトリーフ クリスタルリーフ 雫菜
ハマミズナ科メセンブリアンテマ属の植物。
改訂によって分類が変わったようです。
英名common ice plant
多肉植物の一種です。
ice plant = 表面が凍っているように見えることから、この名で呼ばれるようになったそうです。
種の名前 クリスタリナムcrystallinumは、キラキラ光る表面の粒が名前の元になっています。
日本での栽培は、塩分の強い土地の土壌改良として国内に導入されたという経緯があります。後述。
【 原産地 】
原産地はアフリカ南部の、ナミブ(ナミビア)砂漠。
砂漠に、ライブカメラが設置されていて閲覧できますので、リンクを貼っておきます。
https://www.youtube.com/@NamibiaCam
私たちの暮らす場所からは、およそ想像つかないような異星の風情。
世界一美しい「赤い砂漠」と言われます。
水飲み場で動物たちが集まる様子も見れます。
映画「マッドマックス怒りのデスロード(原題:Mad Max: Fury Road)」のロケ地でもあります。
【 流通している系統 】
「バラフ」の名前で出ているものは、メキシコのバハ・カリフォルニア半島の野生種が元です。
「プッチーナ」はフランスで生まれた系統。
主に、この2系統が国内で流通しているようです。
ほかにも、フランス、イタリアでいくつかの品種が育成されていて、細かな違いがあるようです。
【 日本への導入経緯 】
土壌に含まれる塩化ナトリウムを吸収する、アイスプラントの吸塩機能を有明海沿岸の塩害対策に役立てようと、1985年に佐賀大学農学部が持ち込んだのがきっかけです。
参考 リンク先
アイス プラ ン トを用 いた土壌 脱塩技 術の可 能性 / 佐賀大学農学部 東江栄(あがりえ さかえ)現九州大学農学部農学研究員教授
佐賀県で栽培が始まり、希少性もあって人気となり、その後、静岡、埼玉、千葉、福島、東京など全国に栽培が広がりました。
見た目のインパクトだけでなく、しょっぱい点も強く記憶に残ります。
【 この野菜の特徴 】
アイスプラントは、冬に湿度が高く、夏に乾燥する土地によく適応します。
塩分、乾燥、強光、低温などの環境ストレスに強い性質です。
また、ストレスに遭遇すると、光合成の型を、「C3型」から「CAM型」も切り替えるそうです。
CAM型光合成については、Wikipediaでどうぞ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/CAM%E5%9E%8B%E5%85%89%E5%90%88%E6%88%90
夜にCO2を取り込んで、昼は気孔を閉じて還元し、水分の損失を最小限にする型だそうです。
葉の表面に、「ブラッダー細胞」と呼ばれる、キラキラした粒が見られます。
ストレスが無い状態では、表皮に埋没していますが、塩分吸収などによって、表皮にプチプチした、いわば「塩の入れ物」をつくります。
その結果、耐塩性に極端に強い性質を獲得しています。海水並の塩分でも生育するようです。
結果として、食べると塩味がするわけです。
カナリヤ諸島では、アイスプラントから食塩をつくっている、という記事が以前ありましたが、現在は削除されていますので、実現には至らなかったのかもしれません。
土耕栽培では、エグ味が強くなること、塩分の制御もしにくいことから、水耕栽培のものが多く流通します。
【 食べ方 】
さほどクセは感じません。
生で食べられます。
まずは、サラダでどうぞ。
シャリシャリした食感は心地よいです。
加熱であれば、フライなど短時間調理に向きます。
パスタにも面白いと思います。ちぎった葉を、最後にさっと絡めてください。
細いカッペリーニで冷製にしても美味しいでしょう。
カロリーは低く、カリウム、ナトリウムを多く含みます。
一方で、塩分が感じられるので、生食の場合は、薄めの味付けが向いています。