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イタチ胡瓜 いたちきゅうり 鼬胡瓜
滋賀県内最高峰の伊吹山。
そのふもとにある、滋賀県坂田郡伊吹町や、長浜市、琵琶湖対岸の高島市安曇川あたりで作られているきゅうりのようです。
「鼬瓜(いたちうり)」はキュウリの別名。
大きくなって熟成した黄色いキュウリが、「イタチ」に似ているとして、各地で「いたちきゅうり」と呼んでいるかもしれません。
おそらく、インド原産で昔日本に渡ってきた華南型なのか、華北型との交雑なのか・・・。黒いぼです。
黄色みがあるので、よく判りませんが半白系にも思えます。
断面はこんな感じです。
毛馬きゅうりにも似ています。
【 名前の由来になった イタチ 】
イタチはこんな動物です。
ずいぶん胴長で、そういえば見かけたことがあるように思います。
野ネズミ駆除目的で放たれたことがあり、ニホンイタチとして国内にも広く生息しています。
ニホンイタチのしっぽは、写真よりも少し短いと思います。
さて、名前の元になった「いたちきゅうり」と比べると・・・
イタチに見えるような違うような・・・
【 実際に食べてみた 】
この個体は、滋賀県湖東の直売所で入手。
断面や香りは、きゅうりそのもの。濃厚な印象。
生でかじってみましたが、ムリです(笑)。
けっこうな苦味で、飲み込みにくいです。
皮付近に、特に苦味があるので、そこを避けると、まあ、何とかなるかなと。
良い所は、鮮烈なキュウリらしい味わい。
豊かな香りは、この手の在来種だけが持つ野性味です。
一般には、トウガンなどと同じく、加熱して和風だしや、あんかけ等で頂くことが多いと思います。
今では巨大市場のキュウリ。
昔の人は、キュウリを決して好んで食べませんでした。
まずいと感じていたのです。
むかしキュウリの多くは、「煮物」もしくは奈良漬けなどの「漬け物」用途でした。
現在は、キュウリといえば、サラダ生食が普通。
食文化も大きく様変わりしました。
在来種・伝統野菜は、とても特殊なものとして、自家消費か、直売所で扱われる程度になっているのが実情です。