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エシャレット shallot TX
カテゴリ:やさい
上の青い部分が写真はついていません。辛い印象がありましたので、状態に差がありそうです。この個体は静岡県産のもの。
ファイル名:shallot20211230tx.jpg
エシャレット
ラッキョウ
科:ヒガンバナ科 Amaryllidaceae
属:ネギ属 Allium
種:ラッキョウ A. chinense
【 エシャロット と エシャレット 】
この違いって何だっけ?と、幾度も調べなおした経験がありますよね。
まず、「エシャレット」ですが、これは造語と思ってよいでしょう。
元々は、エシャロット という名前の野菜が存在します。
ベルギーエシャロット/写真AC
エシャロット Échalote(仏)
科:ヒガンバナ科 Amaryllidaceae
属:ネギ属 Allium
種:タマネギ A. cepa
変種:エシャロット A. c. var. aggregatum
平たく言えば、玉ねぎの変種 ということになります。
英語では「shallot シャロット」
小さめの玉ねぎで、甘みが少なく、香りづけに使われます。
【 呼び名が混乱した理由 】
しかし、ここから話はややこしくなります。
東京築地の東京中央青果の川井彦二さん、当時30歳くらいだったそうですが、静岡県を訪れた際、ラッキョウの若取りを食べて、「これは売れる!」と直観します。しかし、「若ラッキョウ」「根ラッキョウ」「芽ラッキョウ」では売れそうに無いなと思ったようです。
解らないではない話です。
井川氏は、「エシャロット」に似てるんじゃないか??と考え、お洒落な名前「エシャロット」として売り出します。昭和30年代のことだそうです。
当時は、「エシャロット」の存在は知られていなかったので良かったのですが、そのうち本家本元の「エシャロット」が輸入されるようになって、さあ、困りました。
こりゃまずい、ということで、産地は「エシャレット」と、似たような名前をつけて売ることにしたようです。つまり、「エシャレット」は、造語といって良いでしょう。
省略して「エシャ」と呼ぶこともあるようですが、「これで解決!」とはいかないように思います。
「若どりラッキョウ」=エシャロット
「エシャロット/シャロット」=ベルギーエシャロット
などとして 区別されたりしています。
これだと、どっちもエシャロット・・・
現在も、「エシャロット」で検索すると、
こういう画像ばかり出てきます(これは滋賀県産)。
名前を変えたところで、もう収まりがつかない状況になっています。
【 で、エシャレットとは? 】
ラッキョウの若どりです。
国内シェアトップの茨城県
県営業戦略部販売流通課「茨城をたべよう」
https://www.ibaraki-shokusai.net/brand/esharetto/
サツマイモ産地でも知られる、行方(なめがた)市では、深植えして、軟白栽培したものを若いうちに収穫するとあります。
エシャレット生産量平成28年データ / e-Stat
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003320984
約700tの生産量。
うち茨城県462t、静岡県209tとなっています。
市場のほとんどが、この2県で生産されていることになります。
一方、「ラッキョウ」の生産量は
① 鳥取 ②鹿児島 ③宮崎
となっています。
エシャレットは、砂丘地よりも排水のよい赤土に向いているのでしょう。
栽培環境は、ラッキョウと同じと言えないようです。
【 ラッキョウについて 】
ラッキョウは、中国原産とされています。日本には平安時代の記録があるので、かなり古くからの伝来植物。国内では、ほとんどを甘酢漬けとして加工されます。
大球種の「らくだ」、小型の「八つ房」、台湾から導入した「玉ラッキョウ」、といった品種があります。
沖縄などの、「島ラッキョウ」は、伝来経路が違うのか、系統が違うのか、はたまた環境の違いか、別物として扱われます。
【 エシャレットの楽しみかた 】
味噌やマヨネーズをつけて、生で食べるのが定番。
辛味が強く、お酒に合います。
苦手な人は、刻んでしまえば、少しは気にならなくなります。
和え物に足したり、塩昆布と混ぜたりしても面白い。
焼くとホクホクになります。