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一般的な品種のさつまいもは、デンプンが糖に変わる温度が70℃前後に対し、クイックスイートは50°ととても低いのが最大の特徴です。が、実食では、焼いたほうがしっとりしていました。農林水産省九州農業試験場で交配、その後、農林水産省農業研究センター(つくば市)で実生から選抜されたようです。
2022年時点で、あまり見なくなったので、市場の評価が良くない?のでしょうか。
作付けデータもないので推移は不明です。
【 品種登録情報 】
農水省に品種登録されています。抜粋し転載。
作物区分 食用作物
農林水産植物の種類 Ipomoea batatas (L.) Lam.
(和名:カンショ種)
登録品種の名称 クイックスイート(よみ:クイックスイート )
出願年月日 2002/08/01
出願公表の年月日 2002/12/16
登録番号 13190
登録年月日 2005/06/22
育成者権の存続期間 25年
品種登録者の名称及び住所 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 (305-8517 茨城県つくば市観音台三丁目1番地1)
この品種は、「ベニアズマ」に「九州30号」を交配して育成されたものであり、草型は匍匐型で、葉は単欠刻浅裂、いもの皮色は赤、肉色が黄白の電子レンジ調理が可能な青果向きの品種である。---いもの形状は長紡錘形、大小は大、皮色の基本色は赤、補助色は紫、皮色の濃淡はやや濃、分布は均一、肉色は黄白、条溝は微、皮脈は無、外観はやや上、---
農研機構 品種詳細 クイックスイート
https://www.naro.go.jp/collab/breed/0100/0102/001538.html
外観が優れ、良食味の系統である。糊化温度が50°C程度である低温糊化性澱粉を含むため、迅速調理が可能で、利便性を有する青果用としての利用等が期待される。
とあります。
主成分であるデンプンと、サツマイモに含まれる「アミラーゼ」という酵素が関係しています。
デンプンは、アミラーゼを介して、「麦芽糖」や「オリゴ糖」を作り出すことができます。
その条件として、デンプンが「糊化(こか)」した状態にすることが必要です。
その温度は、糊化を始めるのが65〜75℃くらいとされています。
また、80度の高温になると、アミラーゼの働きは悪くなってしまいます。
焼き芋を美味しくするには、温度調節がとても大切です。
この品種では、50℃程度の比較的低温で糊化するので、焼き芋機を使わなくても、電子レンジでアミラーゼが働く温度帯に誘導できるようです。
じっくり加熱が、焼き芋の基本。
忙しい時代にはマッチした商品といえます。
ブログでサツマイモ全般についてまとめ記事を書いています。
広範囲の知識を得られます。参考にしてください。
「サツマイモ」について
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