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シャドークイーン
農研機構育成の、カラフルポテト。
同じカラフルポテトの紫色である、キタムラサキ(平成16年に命名登録)と比べても、シャドークイーンはずいぶん紫色が濃くて、ムラがない色づき。
「キタムラサキ」より濃い紫肉をしており、アントシアニン色素(主成分ペタニン)の含量は約3倍に相当します。
収量は「インカパープル」に比べると多いですが、「キタムラサキ」には劣るとされます。
【 品種登録情報 】
農水省 品種登録DBより 抜粋し転載します。
作物区分 食用作物
農林水産植物の種類 Solanum tuberosum L. (和名:バレイショ種)
登録品種の名称 シャドークイーン (よみ:シャドークイーン )
登録年月日 2009/02/26
育成者権の存続期間 25年
品種登録者の名称及び住所
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 (305-8517 茨城県つくば市観音台三丁目1番地1)
---早期肥大性は中、上いも重はやや小、上いも数は少、上いも平均1個重は中、肉質は中、Yモザイク病抵抗性は弱、疫病圃場抵抗性はやや弱、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性推定遺伝子型はhである。 出願品種「シャドークイーン」は、対照品種「インカパープル」と比較して、花色(1次色)が白であること、肉色(2次色)が無であること等で区別性が認められる。対照品種「キタムラサキ」と比較して、いもの形が長楕円形であること、肉色(2次色)が無であること、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性推定遺伝子型がhであること等で区別性が認められる。
育成の詳細について。
育種学研究 11: 145–153(2009)
「有色バレイショ品種「キタムラサキ」,「ノーザンルビー」および「シャドークイーン」の育成」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsbbr/11/4/11_145/_pdf
北海道農業研究センターの育成です。
育成時は「ばれいしょ農林57号」。
キタムラサキの改良種で、解放受粉種子を選抜とあります。
断面色も鮮やかで、「キタムラサキ」に比べ食味が良く、ゆでても、色落ちが少ないです。
紫色の色素はアントシアニン。
加熱後の褐変も少なくて、優れた特性をもっています。
ゆでると、崩れないわけではないですが、粉質ではないので、しっとり系といえます。
栽培上は、シスト線虫抵抗性がないため、注意が必要です。
2021年、新品種「シャイニールビー」と「ノーブルシャドー」が発表されています。
ただ、2024年現在、品種登録には至っていません。
「ノーブルシャドー」は改良種で、「シャドークイーン」にはない、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性があることから、今後産地では注目されるかもしれません。
とても保守的な、日本のじゃがいも市場。
カラフルなジャガイモも、徐々に受け入れられる環境になってきました。
【 用途 調理 】
しっとり系かつ、色を活かした調理をこころがけたいです。
他の品種よりも、色づきの点では安定しています。
反面、色移りする可能性もあるので、調理の段階で注意が必要です。
別鍋で蒸すなど、加熱してしまえば、色移りの心配はないです。
チップスなどのフライ特性が良く、褐変は少ないです。
見た目も楽しいので、おすすめです。
煮崩れは、男爵並みとされていますので、他のポテトとマッシュして、2色サラダも面白いです。
コロッケにすると、個性的な断面になります。
ポタージュスープにして、生クリームを添えると、きれいなコントラストが生まれます。
加糖すればスイーツにも転用できます。