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スナップエンドウ snap pea TX
カテゴリ:やさい
別名スナックえんどう。
理由は後述。誤解しているサイトが多いです。
ファイル名:snap-pea-20220125tx.jpg
スナップえんどう スナックえんどう
目:マメ目 Fabales
科:マメ科 Fabaceae
属:エンドウ属 Pisum
【 来歴と呼び名の経緯 】
19世紀には似たものがあったとされますが、現在はその種は消滅しています。
その後、ギャラティン・バレー・シード・カンパニー社の、カルビン・ランボーン氏が、エンドウの変異種とサヤエンドウを交配します。
日本に入ってきたのは、1970年代とのこと。
日本で売り出すときに、㈱サカタのタネが、「スナックエンドウ」の名前にしました。
じつは、品種名だったのです。後述します。
スナックみたいに美味しい!という意味で名付けたのでしょう。
しかし、英語表記は「sugar snap pea」「Snap pea」
Snapは、擬音。「パキンと折れるお豆」という感じでしょうか。
日本国内では、長らく、「スナップ」と「スナック」が混在することになりました。
この状況に終止符を打とう、ということで、1983年 農林水産省により、名称が統一され、「スナップエンドウ」が正式な名称としています。
https://web.archive.org/web/20090510061007/http://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/0307/07.html
㈱サカタのタネは、いまも「スナック」を名前に入れています。
登録品種の種苗を譲渡するときは、登録された品種の名称を使用することが義務づけられています。また、育成者権の消滅後であっても名称使用の義務は続きます。
種苗法22条に従って、サカタのタネでは、現在も「スナック」の名称を使っています。
なお、「スナック」えんどうは、商標登録されたことがありません。
同社の「スナックいんげん」は商標登録があります。
㈱サカタのタネが品種登録した、スナックの名がついた品種については後述します。
そのほかの、スナップエンドウ。
ニムラサラダスナップエンドウなど、「ニムラ」の名を付した、スナップタイプのエンドウがあります。
「ニムラサラダ1~2号」「ニムラ丸莢1~2号」
育成者は二村伊三郎氏で、サヤエンドウなどで多くの品種を育成・登録しています。
ほかに、トキタ種苗株式会社「ゆうさや」、永池育種農場「ネオパラホワイト」、三井化学株式会社「虎の子」「ハッピーニュース」、 三井東圧化学株式会社「てきれいき」が品種登録されています。
品種登録をしていないスナップ系エンドウはほかにもありそうです。
種苗法では、種の袋に「品種名を表示」すると決められています。
しかし、種の袋を見ただけでは、登録品種名までは判らなかったりします。
【 サカタのタネ の 「スナック」えんどう 】
「スナック」の名がはいった複数のエンドウ品種が登録されています。
品種登録者は、いずれも㈱サカタのタネ。
もっとも古いものは、出願日が1978/12/28 の「スナック」です。
以下登録があるものを列記。数字は登録年月日。
・「スナック」 1981/05/27
・「つるなしスナック1号~3号」 1984/09/05
・「半つるスナック」 1984/09/05
上記品種の育成者は、カルビン ランボーン氏。
・「ホルンスナック」 1985/01/23
・「スナック 753」 1986/08/08
サカタのタネの育成。
「ホルンスナック」は、つるなしタイプ。
最後発の「スナック 753」は、つるありで大莢の、人気品種です。
【 スナップエンドウの父 】
スナップエンドウの父と呼ばれる、カルビン ランボーン(Calvin Lamborn)氏について簡単にふれておきます。
ユタ州立大学で博士号を取得。アイダホ州ツインフォールズのギャラティン・バレー・シード・カンパニー(Gallatin Valley Seed Company)で、育種家として活躍しました。
「スナップエンドウ」の発見は、ねじれやすい、クセの強いエンドウの変異種のrogueという豆に注目。サヤの厚みがとても厚いことに気づいて、サヤエンドウと交配してみたのが始まり。
生涯を通じ、品種改良、試験、選抜を続けました。
子供をおんぶするお母さんが、しゃがんで豆の収穫をしているのを見て、しゃがまず作業できる、つるの高い位置で出来るエンドウ豆を作り出しています。
品種に、奥さんや子供たちの名前をつけたそうで、人々や家族を大切に思う人柄が伺えます。
2017年没。
ご子息の、ロッド・ランボーン(Rod Lamborn)氏が後を継いでいます。
【 このお豆の特徴 】
丸みがあって、ふっくらとした、かなり厚いサヤを持ったエンドウマメです。
サヤに厚みのあるおかげか、採りたては、とてもジューシーで甘いです。
食感もサクサク感があって、とても楽しい!
エンドウにある、殻部分のうす皮がないことから、ある程度成熟しても、サヤの口は開きません。
豆が成長しすぎて、パンパンになったものは、採り遅れです。
ただし、堅くてサヤが食べられない時でも、グリーンピースみたいに、お豆は食べられます。
下処理はスジとり。簡単ですね。
スジは、へこみのある側にあります。
頭からでも、おしり側からでも取れます。
解体してみます。
中のお豆は、スジのある側とつながっています。
何故か、交互にならんでいて、面白いですね。
加熱すれば、さやごと食べることができます。
レンジ加熱もできます。洗ってラップし、レンジで1分。手軽です。
塩ゆでしたり、グリルでアツアツをふり塩だけで、じゅうぶん美味しい!
ゆでる場合は、色止めのため冷水に落としましょう。
水につけすぎたり、加熱しすぎは、栄養も失うので注意。
スープにすれば栄養まるごと味わえます。
和え物、天ぷら、煮物、炒め物など、多くの料理シーンで活用できるお豆です。
食感もよく甘みたっぷり。
厚みがあってボリューミーなので、満足感も高いです。
本来のジューシーな味わいを楽しみたいので、できるだけ早く食べましょう。
食べきれない時は、茹でたあと チャック袋に平たく詰めて冷凍できます。
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