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タアサイ ターサイ キサラギナ ヒサゴナ 如月菜 塌菜(ターツァイ)
英語表記 Chinese flat cabbage、Rosette pakchoi
目:アブラナ目 Brassicales
科:アブラナ科 Brassicaceae
属:アブラナ属 Brassica
種:ラパ B. rapa
変種:タアサイ var. narinosa
濃い緑色の中国野菜。結球しないタイプで、肉厚。気温が低いと、地面の近くで放射状に葉を開きます。
英名のロゼット・パクチョイは、地面からロゼット状に葉が出る、パクチョイ ということなのでしょう。
ロゼット状とは、根元から横広がりに放射状の葉が出るもので、タンポポが判りやすいです。
ロゼット型の植物の利点は、茎をつくるエネルギーを節約できること、葉が開張して太陽をたくさん浴びれることがあげられます。生存戦略上有利です。
タアサイとは、地に這う菜という意味だそうです。
ただ、気温が上がると、直立ぎみになるようです。
本国では、華北・華中など揚子江の北側でつくられています。
華南では栽培は少ないそうです。
耐寒性があることや、寒さで食味が良くなることが影響しているのでしょう。
【 日本での栽培 】
日本には昭和のはじめに、各地に導入されます。
興津園芸試験場が最初とされます。
昭和10年以降、群馬県農業試験場に導入され、日本の気候に順化します。
熊沢三郎によって「キサラギナ」の名を与えられます。
キサラギ=「如月」。旧暦2月をさす日本の暦である「和風月名」です。
なかなか普及には至らず、のちの日中国交正常化(1972年)以後増えていったとされます。
冬野菜のイメージがありますが、業務用需要も大きいので、ハウス等で通年栽培されています。
大産地は、静岡、茨城、北海道で、国内産の8割を占めます。
タアサイとの交配もでています。
タキイ 「ちょうほう菜」(コマツナと)
タキイ 「ビタミン菜」(大阪しろなと)
ウタネ 「サラダ小松菜」(コマツナか)
タキイ 「みそめ」(コマツナと)
アブラナ科は交雑しやすく、「植物界の犬」と呼ばれるほど、変種が多いです。
種苗会社のもの、自然発生したもの、個人で交配したものもあるようです。
雪菜、ちぢみ菜、ちぢみ雪菜には、ターサイ系統のものがあります。
くわしくは、拙文「雪菜」を参照ください。
【 食べ方 】
タアサイは油との相性がよいため、炒め物に最適です。
熱を加えると甘みとコクが出るので、中華炒めが典型的な利用法。
アクは少なめでクセがないことも、料理の幅を広げます。
アクが気になるときは、さっと茹でると、気にならなくなります。
火を通しても緑色は損なわれず、鮮やか。
ただ、加熱しすぎると、おいしくない印象です。
できれば短時間で仕上げたいです。
鍋物やみそ汁、おひたしなど、和食にも使えます。
寒さに強く、霜に当たると糖分をたくわえて甘味を増すので、中間地の露地なら、秋まきが良いです。
ビックリするほど大きくなる場合があります。
外観上は、葉っぱのちぢれた感じが、寒締めほうれん草に似ています。
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