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王林 おうりん
Orin
科:バラ科 Rosaceae
亜科:サクラ亜科 Amygdaloideae[1]
属:リンゴ属 Malus
種:セイヨウリンゴ M. pumila
【 いまも人気の「王林」 】
世界中で生産されるりんご。品種は数千種あるとされています。
日本で現在生産量が多い品種は①ふじ ②つがる ③王林 ④ジョナゴールド で、ここ十年ほど順位の変動はありません。
王林は、3番目に多くつくられている品種で、青(黄)りんごで最も多く生産されています。
ただ、その他の品種の生産量が大きく伸びていて、嗜好の多様化に伴って、生産現場や卸、小売の市場の見方も変化してきています。
りんごの生産量も減っていますが、王林についても、一時の8万tから5万tに減少しています。
上位品種のうち、「ふじ」「つがる」は、戦前からある品種で、「王林」は戦後の1952(昭和27)年生まれ。
いずれも古くからある国産品種ですが、いまも根強い人気に支えられています。
ちなみに、4番目に多い「ジョナゴールド」は、アメリカ生まれで戦後秋田県に導入されました。
【 登録されないまま広まった「王林」 】
王林は、福島県伊達郡桑折町(こおりまち)の、大槻只之助(おおつきただのすけ)氏が「ゴールデンデリシャス」と「印度」を交配してできた品種。ゴールデンデリシャスの偶発実生ではとの説もあります。初めて実をつけたのが昭和18年。
農林省品種登録審査に持ち込んだのですが、審査を通らなかったといいます。
理由は「外観がよくない」。
登録されないまま、このリンゴの良さに目をつけたのは、生産者の方でした。
王林と名前をつけたのが当時、伊達果実農協組合長 大森常重氏で、「りんごの中の王様」として東京市場に持ち込んでいます。
王林が生産現場と消費の双方で増えていった理由がいくつか挙げられます。
◆生産
貯蔵性がよい / 病害虫の影響が少ない / 赤りんごとの差別化 / 着色管理しなくていい(玉回し)
◆消費
サクッとした食感 / 良い香り / 酸味少なく甘さじゅうぶん
【 王林の特性 】
黄緑色~黄色の果皮。赤くなっている部分があれば、日光によるもので異常ではありません。
酸味が少なく、甘さが引き立っているところが、赤りんごに無い良さ。
甘さはじゅうぶんに甘いと言えます。
香りもあって味わいに複雑さを増しています。
なお、蜜入りにはならない品種です。
外観上は、サビが出やすい品種。
サビの原因は、霜や降水量と関連するそうです。
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