たまみ　タマミみかん

皮むきしやすく、じょうのう膜ごと食べられる香りのいい柑橘。
品種登録までに、20年以上の歳月がかかっています。

【　品種登録情報　】

農水省に品種登録されています。抜粋し転載。

作物区分 果樹
農林水産植物の種類 Citrus L.（和名：カンキツ属）
登録品種の名称 たまみ（よみ：ﾀﾏﾐ ）
登録年月日 2006/12/14
育成者権の存続期間 30年
品種登録者の名称及び住所　国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 （305-8517 茨城県つくば市観音台三丁目1番地1）
この品種は、「清見」に「ウイルキング」を交配して育成されたものであり、果形が扁球、果実の重さが中、果皮色が橙の育成地（静岡県静岡市）では１月中旬に成熟するかんきつである。---果実の形は扁球、果形指数はやや大、果頂部の形は陥没、放射条溝の有無は無、凹環の有無は不明瞭、果梗部の形は切平面、放射条溝の多少は無である。果心の充実度は粗、大きさは小、果実の重さは中、果皮の色は橙、油胞の大きさ及び密度は中、凹凸は凸、果面の粗滑はやや滑、果皮の厚さはかなり薄、果皮歩合は小、剥皮の難易は易である。じょうのう膜の硬さは軟、さじょうの形は中、大きさは小、色は橙である。果汁の多少は多、甘味は高、酸味は低、香気の多少は多、種子数は中、胚の数は単胚である。

交配親となっている清見は、日本初のタンゴールで、たくさんの親品種になっています。
交配父の「ウィルキング」は、小型で甘く果汁が多い品種。ウィルキング臭と呼ばれる、強い香りをもつ柑橘です。

「たまみ」は、耐寒性があって糖度も安定しています。過着果になった翌年は着果がすくなく、隔年収穫になりやすいようです。愛媛、静岡、愛知が主な産地。

農研機構が品種紹介をしています。転載。
農研機構
「清見」に「ウイルキング」を交雑して育成した成熟期が1月中旬頃のミカンです。甘味が強く、オレンジ様の強い香りがあり、食味良好で、有核ですが、剥皮が容易で、じょうのう膜が薄く食べやすい品種です。
1980年(昭和55年)に果樹試験場興津支場(現 果樹研究所カンキツ研究部興津)において「清見」に「ウイルキング」を交雑して育成した系統です。1998年(平成10年)4月よりカンキツ第8回系統適応性・特性検定試験に「カンキツ興津51号」として供試し、育成地を含む30試験地において地域適応性の検討を行ってきました。2003年(平成15年)8月の平成15年度系統適応性・特性検定試験成績検討会において新品種候補として適当であるとの結論を得ました。
果実は平均 150g位、果形は扁球形で果形指数 130位です。果頂部はやや凹んでいますが、果梗部は平らです。果皮は橙色で、果面はやや滑らか。果皮の着色開始は11月上旬で、完全着色は12月上旬となっています。果皮の厚さは2mm内外で、薄く柔らかいので剥皮は容易です。浮き皮はほとんど発生せず、発生しても軽度です。果肉は橙色で柔らかく、果汁量は多いのが特徴です。じょうのう膜は薄く柔らかいので食べやすく、す上がりの発生はほとんどありません。果汁の糖度は12%内外で高く、酸含量は1月中旬には 1.0%程度になります。オレンジ様の強い香気があり食味は良好です。成熟期は1月中旬頃で、含核数は平均7粒程度、種子は単胚性となっています。

【　じっさいに食べてみた印象　】

表面がわずかにでこぼこして、色は薄くも濃くもない橙色です。
小さめのほうがおいしくなるようです。
大きめのＬサイズくらいの、和歌山県産の個体。

皮に厚みがあって、指がはいってしまえば皮むきはしやすく、おしり側からのほうがむきやすいです。
浮き皮はありません。

じょうのう膜ごとポイと口に入れてモグモグ。
種が出てきますので、ペッって出してください。
じょうのう膜は、ほどほどの厚みで、その間香りと酸味と甘さが続いて、とても食べた感が強く満足感がありました。小型のものは、じょうのう膜も薄いようです。
香りは嫌みのないもので、強いものではなく、さわやかでした。

今度は小さいものを選んでみたいですが、なかなかお目にかかれないかもしれません。
しっかりした酸味と、香りのよさが印象的。

種はすくないほうですが、無ければもっと人気が上昇するような、おいしい柑橘でした。

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202308改