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レッド ムーン レッドメーク 紅メークイン 紅じゃがいも 金時メークイン
科:ナス科 Solanaceae
属:ナス属 Solanum
種:ジャガイモ S. tuberosum
赤い色が目をひく、じゃがいも。
果肉は黄色っぽいので、さつまいもに似ています。
粘質で、味のほうも、さつまいもみたい、という評が多いです。
皮色は赤、肉色は黄色、肉質は粘質で、甘みのある果肉です。
長い形になりやすく、メークインに似ているので、「レッドメーク(イン)」と呼ばれることがあります。
でこぼこが少なくて、ツルリとした皮です。
サカタのタネの育成品種。
家庭菜園向きの作りやすい品種を目標に選抜・育成された品種だそうです。
【 品種登録情報 】
農水省に品種登録されています。 抜粋し一部転載
作物区分 食用作物
農林水産植物の種類 Solanum tuberosum L.(和名:バレイショ種)
登録品種の名称 レッド ムーン(よみ:レッド ムーン )
登録年月日 1991/02/21
育成者権の存続期間 15年
育成者権の消滅日 2006/02/22 ※期間満了
品種登録者の名称及び住所 株式会社サカタのタネ (224-0041 神奈川県横浜市都筑区仲町台二丁目7番1号)
この品種は、パン アメリカン シード(株)(アメリカ合衆国)から導入の種子(名称不詳)から選抜、育成された固定品種であり、いもの皮色は赤色、肉色は黄色、肉質は粘質の家庭菜園向きの品種である。叢性はやや開張型、個重型・個数型の別は個数型、幼芽の色は赤紫、茎の長さは長、太さはやや細、翼はやや波、色は緑、分枝数はやや多である。萌芽時の葉色は帯赤、葉色は緑、頂小葉の形は中間、大きさは中、小葉形は中間、大きさは中である。花の数はやや少、大きさは中、色は赤紫系である。ふく枝の長さは長、いもの長短はやや長、形は楕円形、皮色は赤、表皮の粗滑はやや滑、目の数及び深浅は中、肉質は黄である。休眠期間は短、耐乾性は中、初期生育はやや速、早期肥大性はやや遅、上いも重はやや少、数はかなり多である。でん粉重及び貯蔵性は中、でん粉価は低、白度はやや低、肉質は粘、黒変及び煮くずれの程度は微である。「紅丸」と比較して、花色が赤紫系であること、肉色が黄であること、肉質が粘であること等で、「メークイン」と比較して、皮色が赤であること、肉質が粘であること等で区別性が認められる。
【 種から育成されたジャガイモ 「真正種子」について 】
サカタのタネが、パンアメリカンシード(株)から仕入れた真正種子の、いずれかを選抜育成したとあります。真正種子の来歴は不明だそうです。
じゃがいもにも、ちゃんと種があるんです。
自園地 ホッカイコガネのようす。
花が咲いたあと、トマトに似た青い実が地上に成っています。
実の中には約100粒ほどの小さな種があります。
出来やすい品種もありますが、全くできない品種もあります。
じゃがいも博物館 ポテトエッセイ第19話 浅間和夫氏(元 北海道立根釧農業試験場馬鈴しょ科)
https://potato-museum.jrt.gr.jp/e019.html
じゃがいもの種についての記述があります。
難解?な部分もありますが、真正種子(True Potato Seeed)について詳しく書かれていますので、読んでみてはいかがでしょうか。
浅間氏はジャガイモ博物館(サイト)館長で、じゃがいもに関する著述も多く残しています。
育成方法について
北海道立総合研究機構 北見農業試験場 「ばれいしょ新品種が育成されるまで」
https://www.hro.or.jp/agricultural/research/kitami/sosiki/bareisho/bareisho2.html
万単位の実生を選抜した種イモから、さらに選抜を繰り返しています。
実の中にある、たくさんの種は、ひとつひとつ性質が違うそうです。
多様な性質を持っている反面、育種の点では、たいへん根気のいる作業でしょうね。
ただ、ウイルスにかかっている事が少なく、軽くて嵩張らない種として、今でも途上国では使っているようです。
じゃがいもは、ナス科の植物。
ナスやトマトに似たような種をつける、と考えると、納得がいきます。
【 レッドムーンの 関連情報 】
「レッド ムーン」の変異株として品種登録されたものに、「グラウンド ペチカ」があります。
俵正彦が育成した、例のデストロイヤー模様の、お芋。
なお、赤い皮のじゃがいもは、アンデスレッド、さやあかね、インカのひとみ、タワラヨーデルなど、けっこうあります。
粘質だけでなく粉質のものもあります。
好みのジャガイモに出会えるかもしれません。色々試してみて下さい。
ちなみに、赤皮で果肉も赤いものには、ノーザンルビー、ドラゴンレッド(西海31号)があります。
カラフルポテトは、食卓を彩り豊かにしてくれます。
【 栽培してみた 】
HCで種イモを購入。
4月上旬に植え付け。
途中から、あまり元気がない様子でした。
90日で収穫してみましたが、収量は少なかったです。
初期成育は悪くないのですが、ジャガイモ肥大が遅い晩生品種だそうです。
じっくり待って掘ったほうが良いようです。
また、耐暑性は弱いそうです。
梅雨前には、結構気温が上昇してきます。
早めに植え付けて、じっくり育てる必要があるようです。
【 食べた印象 】
粘質なじゃがいもなので、でん粉価が低く煮崩れしにくいです。
カレーやシチュー、おでん、肉じゃがなどに向いています。
でん粉価が低いため、焼き物やフライ用途にはあまり向きません。
皮むき後の褐変はほぼありません。
コクがあって、メークインとはまた違った楽しい味わい。
外観もそうですが、ほんのり甘味があって、どことなくサツマイモに似た印象を受けます。
皮がうすくて、加熱すると、ツルリとむけます。
蒸し芋にしてサラダもいいですね。
種イモはサカタのタネのサイトで購入できます。
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