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ムカゴ むかご 零余子 珠芽(しゅが) 球芽(たまめ)
ここでは、食用のヤマイモ類のムカゴということで説明します。
知らないで見ていると、「豆?」か「ミニ芋?」のようです。
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その前に、ムカゴって何?から始めます。
通常知られているのは、種による繁殖です。親植物の「めしべ」に受粉することで、子房の中にある胚珠(はいしゅ)が殻で守られた種となって、親の形質を受け継いで再び繁殖します。
受精することで、子孫をつくる方法です。現在小学校5年が理科の時間に教わっているようです。すっかり忘れています。
ところが、例外がいました。受精しないで子孫を残す方法です。
「ムカゴ」は受精していません。葉または茎が肥大化した組織です。ムカゴとは、「栄養繁殖器官」と呼ばれる部分で、「クローン」。親とまったく同じ性質のものです。
作物を繁殖性で分類すると、「栄養繁殖性作物」と「種子繁殖性作物」に分けることができます。
中学校では「無性生殖」「有性生殖」と教えているそうです。栄養生殖 無性生殖
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クローンには、子房や胚珠はないですが、ムカゴがそのまま地面に落ちると根を張って、親?と同じように成長していきます。
クローンはギリシャ語「K l on」= 小枝のことだそうです。全く同じ遺伝子組成を持っていますが、ヒトにこの技術を適用することには倫理面で議論があるところです。
でも、植物界はすでに勝手に適応してしまっているんですね。身近なところに沢山存在しています。
「栄養繁殖」には、挿し木、接ぎ木、株分け、ランナー、球根の分球などの方法も含まれます。つまり、茎や葉や根からも栄養繁殖できます。まさに「K l on」です。
生殖細胞の受精を経由しない無性生殖って身近にたくさんあるんです。
洋ラン、バラなどの花。リンゴやブドウ。じゃがいもの種イモ、さつまいもの差し芽。シイタケなど。
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その他のムカゴの類について
ムカゴをつくる植物は色々あって、食用として身近なものには、ヤマノイモの類のほか、ニンニク、アカザカズラ(オカワカメ)、オニユリ(ゆり根)といったものがあります。
ムカゴすべてが食べられるというわけでもないので、食用として知られるヤマイモのムカゴが、いわゆる「ムカゴ」として独り立ちして、ムカゴといえば、ヤマイモ類のムカゴのことになっています。
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ヤマイモのムカゴの用途
ホクッとした食感のムカゴ。ザルでこするようにまぜて、水洗い。余分な皮を落とします。すり鉢を使う人もいます。水気を切って、沸騰した鍋で塩ゆで4~5分。下処理はこれだけです。
むかごごはんは定番。素揚げを甘辛煮にしたり、炒ったり、塩ゆでそのまま頂いたり。野趣味のある味わいなので、おつまみにいいですね。
下処理したものは、余ったら、平たくならして、冷凍保存もできます。
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