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ロマネスコ Broccolo RomanescoTX
カテゴリ:やさい
おなじ形が連なる幾何学的模様は「フラクタル構造」と呼ばれます。
他の植物にも、同じような神秘が隠されています。
ファイル名:broccolo-romanesco20220301tx.jpg
ロマネスコ カリフラワー・ロマネスコ ブロッコリー・ロマネスコ
romanesco broccoli cauliflower romanesco Broccolo Romanesco
科:アブラナ科 Brassicaceae
属:アブラナ属 Brassica
種:ヤセイカンラン oleracea
変種:カリフラワー botrytis
ふしぎな蕾の配列をもつ、アブラナ科の野菜。
「世界一美しい野菜」「悪魔の野菜」などの異名をもちます。
じつに不思議としか言いようのない、姿かたちを持っています。
のちほど、すこし脱線しながら、説明を加えていきたいと思います。
【 来歴 】
イタリアが原産とされます。
Broccolo Romanesco(伊)は、「ローマのブロッコリー」の意味になります。
16世紀には、イタリア・ローマとドイツで栽培されていたようです。
ヨーロッパで量産されるようになったのが1990年代ということですから、ごく最近のことです。
日本では、いつの間にか見かけるようになりました。
ケールやキャベツは自家不和合性をもっていて、互いに容易に交雑します。
おかげで多様な形質に分化したのでしょう。
蕾が肥大して塊になっている、という点で、ブロッコリーとカリフラワーに似ていると言えます。
ブロッコリーはケールの花蕾が肥大した変異。
ブロッコリーの変異種がカリフラワーとされています。
カリフラワーのほうが後という説が有力のようです。
では、「ロマネスコ」は? 諸説があります。
●ブロッコリーとカリフラワーの交配~変異説
●ブロッコリーとカリフラワーの元祖である、とする説
まるでニワトリと卵で、結論の出ない不毛議論になっています。
【 特徴 】
何と言っても、視覚的に非常に特徴的な、「うずまき模様」があります。さらに、中にも「うずまき模様」が何重にもできています。
「フラクタル構造」と呼ばれる規則的な幾何学模様です。
見ていると自然の不思議を感じます。ドリルの先端にも見えてきます。
ひとつの説として、 偽の開花の「記憶」が、延々と同じ模様を作り出したとの論文があります。
植物界には、他にも同様の性質を持っているものとして、松ぼっくりや、ヒマワリの花があげられます。
「フィボナッチ数列」で説明しているサイトも多いです。
デザイン書を見ていると、必ず出てくる、美の「黄金比」。「黄金螺旋」と呼ばれるものです。
これらは、「フィボナッチ数列」で説明ができる、ということです。
ご興味を持たれた方へ。
教育開発出版㈱ フィボナッチ数列と黄金比
もっと数学の世界⑦(中学生以上)PDF
https://www.kyo-kai.co.jp/img/support/motto/motto7.pdf
【 国内での産地と取り組み状況 】
JAあいち知多管内 上野蔬菜部会で「やりがい君」の名前で1990年代に取り組んだそうです。
しかし、消費者に受け入れられず、あえなく数年で生産中止となったようです。
早すぎたのでしょうか。
現在は認知されるようになって、再生産中。
大規模栽培を行っている地域として、北海道伊達市があります。
いずれにせよ、流通量は多いとは言えず、量販店で普通に見かけるようになるには時間がかかりそうです。
クリスマスツリーにも似ているので、クリスマスシーズンにも人気だそうです。
【 入手可能な種 】
一例です。
・野崎採種場 / うずまきER
・HORTUS社 / 黄緑サンゴ Romanesco natalino
・サントリー / 本気野菜 カリッコリー(ライムイエローの花蕾)
・トキタ種苗 / ミケランジェロ / ダ・ビンチ
・中原採種場 / カリブロ花椰菜(F1)
ほかにも「ロマネスコ」名で種が各社から多く出回っていて入手しやすいです。
別名 黄緑珊瑚(キミドリサンゴ) サンゴ礁 うずまき カリッコリー カリブロ やりがい君 といった名前で商品が販売されているようですが、商標登録は確認できませんでした。
202402時点。
栽培期間もブロッコリーより長いので、ご承知おきください。
【 その他 品種登録情報 】
農水省にブロッコリーの変種として品種登録されているもののうち、外観がロマネスコのものを列記します。案外少なく、2件のみ(202402)。
農水省の品種登録から一部を抜粋し転載。
・連山(種の名前は連山2号)
愛三種苗株式会社 (451-0052 愛知県名古屋市西区大道町一丁目23番地)
「VERDE-ROMANESCO」の自然交雑系から選抜した固定品種であり、花らい球の形状が尖形で、花らい色が淡黄緑色になるカリフラワー・・・
・ミナレット
ティーエスシード株式会社 ( オランダ王国 ヘンドリック イド アンバクト市 フラウヘイレン通り20B)
この品種は、「ロマネスコ」の自然交雑系から選抜した固定品種であり、・・・
【 ロマネスコの味わいと特徴 】
味はブロッコリーで、食感はカリフラワー風。コリコリして、ブロッコリーやカリフラワーの中間的な味わいです。何はともあれ、その形状と色合いをサラダなどで楽しみたいところです。
ブロッコリーよりも、はるかに重量感があります。
茎のほうから、円錐状に包丁をいれると、簡単にバラせます。
葉以外の茎もすべて食べられます。
ゆで時間は、大きさによりますが、2分ちょっとで良い印象。茹ですぎは食感を損ないます。
サラダや付け合わせ、和え物、マリネ、天ぷらなど、想像力次第でメニューは思いつきそう。
軸は炒め物などに活用してください。
ブロッコリーよりも食べやすくて、クセも少ないです。
毛嫌いしないで一度食べてほしい野菜。
ビタミンC含有は優れているとされますが、食品成分データベースには無く、栄養成分の相対的比較はできませんでした。
栄養成分も、ブロッコリーとカリフラワーの中間みたいになるんでしょうか。
202111改
202202改
202402改