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紅菜苔 コウサイタイ こうさいたい 紅菜花 ベニナバナ
Purple-stem mustard
科:アブラナ科 Brassicaceae
属:アブラナ属 Brassica
身近なキャベツやハクサイなどと同じアブラナの仲間で、菜の花の一種。
春を告げる野菜です。
【 来歴 】
中国湖北省揚子江の中流地域が原産とされます。
唐の時代にはあったといいますから、かなり昔からあるようです。
日本に入ったのは昭和10年代と古いのですが普及には至らず、1970年代以降、日中国交を機に栽培も普及したとされます。
葉の色は緑ですが、葉脈や葉柄、茎は、紫色に近い赤です。
寒さにあたるほど紫は濃くなるようです。
花も菜の花に似ています。
とう立ちした茎葉と花芽を食べる野菜。
和名の紅菜苔(こうさいたい)は、紅色をした菜花で、なぜか「苔(こけ)」の字がついています。
とう立ちすることを「抽苔(ちゅうだい)」と言いますので、「紅色」+「菜花」+「抽苔」の合成語と考えられます。
名前ひとつにも、工夫が見られます。
【 食べてみた印象 】
赤い色は「アントシアニン」。
普通に茹でると色が抜け落ちますが、酢を少し加えて茹でることで、ある程度は残ります。紫色は嫌だなという場合は、普通にゆでて下さい。
茎のほうから茹でて、30秒~1分程度と、短いほうが、食感が残って美味しく感じます。
茹でてしまえば、、色も緑色になって、味自体もクセがないので、抵抗感なく食べられます。
見た目で敬遠するのは惜しいです。
茎の食感もアスパラっぽい感じ。食べ応えも感じられます。
苦味がなくて、菜の花が苦手という人も、きっと好きになります。
ぬめりがありますが、印象は個人差で、あまり気にならないかもしれません。
和え物、おひたしといった定番のほか、パスタや焼きそばに加えたり、中華炒め、漬物に。
油との相性も悪くありません。天ぷらも美味しい。
なんでも使えてクセも少ないので、お子さんにも好かれそうです。
出回る期間が短いので、見つけたら買っておきたいですね。
【 種の入手 ほか 】
種は各社からいろいろ出ていて、入手しやすいです。
時期になれば、たいていの種コーナーで入手できると思います。
アブラナなので、連作障害、害虫と、発芽温度に注意。
暖地であれば、秋まき春どりのほうが、栽培しやすいでしょう。
摘芯して脇芽収穫を長く楽しめます。
寒さには強いほうとされますが、氷点下になる地域では、トンネルかハウス栽培で。
在来固定種なので、種取りできますが、交雑には注意が必要です。
コウサイタイの改良種として、サカタのタネが出している、「オータムポエム(アスパラ菜)」「ウインターポエム」があります。
どちらも、コウサイタイと菜心(サイシン)の交配。
オータムポエムは広く普及していてよく見かけます。
2つをむすびつけて記憶していると、お客さんへの説明に幅が出ます。
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