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ワスレグサ 忘れ草 カンゾウ 野萱草
以前はユリ科でしたが、のちススキノキ科、現在は ツルボラン科 Asphodelaceae ワスレグサ属に分類されています。
植物分類のDNA解析による、APG分類を採用した結果、ユリ科などで分類が大きく変わっています。
APG I (1998)~APG IV(2016)まで数回の改定がありました。
ついていくの大変です。
国内では、「ヤブカンゾウ」「ノカンゾウ」「ハマカンゾウ」などが自生しています。
ここでは、食用としての、ワスレグサの話です。
【 ワスレグサの名前 由来 】
「忘れ草」には名前の由来がいくつかあるようです。
① 花が一日限りでしぼむと考えられていたので
② 若菜が美味しいので嫌な事を忘れる
③ 花の美しさで嫌なことを忘れる
華やかさを感じさせる、ユリに似た形のオレンジの花のヤブカンゾウ。
一日でしぼんでしまう、と考えられていましたが、実際には再び咲くことがあるようです。
いずれにせよ、誰にも忘れてしまいたい事、思い出したくない事が多いようです。
ちょっとロマンも感じさせる名前です。
「忘れ草」は、万葉集に複数登場するほか、和歌・俳句にも登場する「夏」の季語になっています。
似た名前の「ワスレナグサ(勿忘草)」は、中世ドイツの悲恋物語に、名前のルーツがあります。キク科の植物で、ワスレグサとは特に関係ありません。
【 採集と食べ方 】
春先の土手などに群生しています。案外発見しやすいです。10cm以下の、あまり大きめでないものを選びます。
深めにナイフを入れて、収穫。全部とってしまわないようにしましょう。
商業栽培にはなりにくい植物なので、直売所などで入手することになります。
サッと洗って、加熱して食べます。ヌメヌメ感が独特。
あまり長く加熱すると、本来の食感が楽しめません。
アクや癖のない味で、30秒ほどゆでて、酢味噌あえ、ごま和え、おひたし。
生であれば、炒め物、てんぷら、味噌汁の具などに。
豚肉巻きにして食べましたが、憂いを忘れることはできませんでした(笑)。
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