せとみ　　　ゆめほっぺ

山口県農業技術部柑きつ振興センターの開発品種です。
大型で、外観は張りのある温州みかん。
山口でしか栽培できないので、山口県産100％。

糖度13.5度以上、酸度1.35以下の果実で、外観２級以上のものだけが、「ゆめほっぺ」名で販売されます。

【　品種登録情報　】

農水省品種登録から一部抜粋転載。

作物区分 果樹
農林水産植物の種類 Citrus L.　（和名：カンキツ属）
登録品種の名称 せとみ（よみ：ｾﾄﾐ ）
登録年月日 2004/03/03
育成者権の存続期間 25年
品種登録者の名称及び住所
山口県 （753-8501 山口県山口市滝町1番1号）
この品種は、「清見」に「吉浦ポンカン」を交配して育成されたものであり、果形が扁球、果実の重さがやや重、果皮色が濃橙の育成地（山口県大島郡橘町）では３月上旬～４月中旬に成熟するかんきつである。果実の形は扁球、果形指数は大、果頂部の形は平坦、放射条溝及び凹環の有無は無、果梗部の形は切平面、放射条溝の多少は中である。果心の充実度は粗、大きさは小、果実の重さはやや重、果皮の色は濃橙、油胞の大きさは大小混合、密度は中、凹凸は凸、果面の粗滑は粗、果皮の厚さは厚、果皮歩合及び剥皮の難易は中である。じょうのう膜の硬さは軟、さじょうの形及び大きさは中、色は濃橙である。果汁の多少は中、甘味は高、酸味は中、香気の多少及び種子数は少、胚の数は多胚である。発芽期及び開花期は中、成熟期は中で育成地においては３月上旬～４月中旬である。隔年結果性は高、浮皮果の発生は無、裂果の発生は少、貯蔵性は中である。「清見」と比較して、果形指数が大きいこと、果心が大きいこと等で、「不知火」と比較して、果梗部が切平面であること、果皮の色が濃橙であること等で区別性が認められる。

【　「ゆめほっぺ」の商標登録情報　】

出願日：平成16(2004)年 8月 17日
商標(検索用)：ゆめほっぺ
権利者　氏名又は名称：山口県農業協同組合
平成22年に、加工品（冷凍、ゼリー、菓子類、飲料、酒類等）の商標を再登録しています。
甘くて頬（ほっぺ）が落ちそうなほど美味しいと言う意味でつけられたそうです。

【　清見ファミリーの一員　】

清見は、優秀な親品種で、たくさんの美味しい柑橘品種の生みの親になっています。
ポンカンとの交配も多く存在します。

誕生年は、登録申請または育成終了の年としています。

吉浦ポンカンのほうも、「南津海（なつみ）」の親品種。

【　じっさいに食べてみる　】

購入の個体は、4月初旬に入手。おおきめの蜜柑のようなやや扁平な形。重量感もあります。
皮はむきやすくて、特に工夫はいりません。

この時期、しっかり酸抜けしており、柑橘らしい心地よい甘さと香りが感じられました。
フルーティーで、ジューシーなのですが、もっちりした食感で、弾力が感じられ、かなり美味しく感じます。プチプチ感もしっかりあります。
じょうのう膜も、食べられます。

惜しむらくは、タネがけっこう入っています。しかも、多い方。避けながら食べる必要があります。芯の部分の空洞が大きいですが、そういう性質の柑橘です。

果肉部分は、かなり充実している柑橘は多いです。
「たまみ」のように、カジュアルで美味しい品種が増えているのは、うれしい限りです。
できれば南津海のように、シードレスが出てくると申し分ないです。

ちなみに、「南津海シードレス」も山口県農業技術部柑きつ振興センターの開発。
おいしい果物に感謝したいです。

202204
202308改