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伏見とうがらし ふしみトウガラシ 伏見甘とう

カテゴリ:やさい

夏になると、大量に出回る野菜。
辛いものが発生する理由も丁寧に説明を加えています。

ファイル名:fusimiamatou202209.jpg

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伏見とうがらし 伏見甘とう 

ナス科トウガラシ属の野菜。
範囲は広く、ピーマンやベル型のピーマン、シシトウガラシ、小型で辛いトウガラシ、大型のパプリカなどなど。さまざまな色・形・大きさをしています。

日本の甘とうがらしの代表的なものが伏見とうがらし。


【 トウガラシ属と歴史 】

中南米原産で、チリのあたりで多様な品種に分化したとされます。
コロンブスが西欧に持ち込んだ際に、黒コショウの仲間ではないかとして、植物名にpepperとついた経緯があります。つまり辛かったんですね。胡椒と区別するため、チリペッパーや、レッドペッパー(英国)など、pepperという呼び名が今もそのまま定着します。
一般に小さな果実ほど辛味があるとされますが、これも、大型のベル品種に辛いものがあり、はっきりとした区別がありません。要は、一般にはこういう形質だが、遺伝上、こんな形質がポコッと生まれてしまうケースがあるということかと思います。
甘味種は、長い年月をかけた分化の結果、甘い品種と辛い品種に分かれたのでしょう。

トウガラシ属の食用には5種あります。
カプシクム・アンヌーム(Capsicum annuum L.)
カプシクム・フルテッセンス(C. frutescens L.)
カプシクム・キネンセ(C. chinense Joeg.)
カプシクム・バッカートゥム(C. baccatum L.)
カプシクム・プベッセンス(C. pubescens Ruiz.et Pav.)

もっとも広く栽培されているものがアンヌーム種で、日本国内でも沖縄島とうがらし(フルテッセンス種)を除き、すべてアンヌーム種です。
おなじみのタバスコはフルテッセンス種、辛みの強烈なハバネロ(ハバネーロ)はキネンセ種。
主な流通種である、「アンヌーム種」の起源は、メキシコ南部~中央アメリカと考えられ、有史以前から栽培され多様性を持ちます。
コロンブスの航海時代に西洋に伝わり、のちインド~中国~日本へ伝わったようです。16世紀前後ですから、案外新しく伝来した作物です。しかも、驚くほどのスピードで伝わっています。
大陸経由で伝わった説もありますが、ポルトガル船だと思われます。


【 トウガラシ類のいろいろ 】

世界の中でも、日本はとても多くの種類のトウガラシがあるそうです。気候や地理的な条件もあるのでしょう。
在来種が多く記載されている論文をご紹介しておきます。これでも、まだ一部かと思います。
トウガラシ在来品種を用いた研究動向と遺伝資源としての保全と利用/松島憲一氏
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2030922384.pdf

トウガラシ分類

ピーマン等のベル型のものは、「大果群」に含まれます。
その中にも、かなり辛い、見た目はピーマンの、「ぼたんこしょう」「かぐらなんばん」がありますね。
つまり、果実の大きさと関係なく、トウガラシ類には辛いものが普通に存在しています。



【 なぜトウガラシは辛いのか?なぜ辛くないものがあるのか? 】

トウガラシの、隔壁や種の部分は特に辛いです。辛味の成分は「カプサイシン」。
辛さの単位は「スコヴィル辛味単位(SHU)」で表されます。
トウガラシの辛さが得意な人もいるでしょうが、一般的には加減して味わいたい部類のものです。
辛くなったのは、実は、トウガラシの生存戦略だとされています。
人間には辛く感じるトウガラシですが、鳥にカプサイシン受容体がなく、辛味を感じないそうです。
あちこちに飛ぶ鳥の糞に混じってトウガラシの種が撒かれれば、広範囲に子孫を増やすことができます。
鳥には、歯がなく、平べったい種を丸呑みするので、種も傷つきません。実に都合が良かったわけです。


辛味のない品種も、何らかの理由で、生存戦略上必要になったのかもしれません。


【 甘長トウガラシの類と伏見とうがらしについて 】

在来種で甘長トウガラシ呼ばれる、辛くならないトウガラシは、各地に残っています。
日光とうがらし(栃木)伏見甘(京都)、そら南蛮(長野小諸)、杉谷とうがらし(滋賀甲賀)、田中とうがらし(京都)、ひもとうがらし(奈良)、紫とうがらし(奈良)などです。

さて、伏見とうがらしについて。
「伏見とうがらし」は、甘長トウガラシの代表的なものとされています。

伏見群と呼ばれるものに、伏見甘、日光、札幌太や、剣崎なんば、青森在来(清水森ナンバ)といったものがあります。
栃木名産の日光とうがらしは、辛味の少ないタイプ。
札幌太は辛いタイプ。
剣崎なんばは、石川在来の辛い品種。
清水森ナンバは、青いうちは辛味が少ないのですが、赤くなると辛味を増します。
同じ仲間に、「伏見辛」があり、こちらは、辛くなる品種です。

ということは。
伏見群のトウガラシは、たいてい辛いのです。
つまり、伏見群と呼んでいるものは、そもそも、「伏見辛群」なわけです。
その中に、たまたま、「伏見甘」という甘味種が存在している、ということです。
そのあたりが、同じ仲間の「ピーマン」などと由来の違うところ。


【 甘とうがらしが 辛くなる という事故について 】

先述のとおり、伏見とうがらしや万願寺とうがらしなど、辛くないはずのものが、ものすごく辛いときがあって、クレームになったりします。
理由を掘り下げてみます。

トウガラシ類は中南米原産で、チリで多様な品種に分化したと説明しました。
辛味のある、胡椒と区別するため、チリペッパーや、レッドペッパー(英国)など、pepperという呼び名が今もそのまま定着しています。

一般に小さな果実ほど辛味があるとされますが、これも、大型のベル品種に辛いものがあり、はっきりとした区別がありません。
外観上は一般にはこういう形質だが、遺伝上、こんな形質がポコッと生まれてしまう・・・というケースがあるということかと思います。
というよりも、甘味種は、辛かったものの中から見つかったもののうち、甘いものが、長い年月をかけた分化の結果、甘い性質を安定的に発生するようになった と考えた方が良さそうです。

日本の江戸時代の記述では、辛味のあるものがトウガラシである としています。
ということは、「トウガラシ」とは辛いものであると認識していたということです。
そのうち、甘味種として固定したものについては、時期はわかりませんが、存在はしていた可能性があります。

では、本題に入ります。
伏見とうがらしは、辛味の少ない系統のものです。
にも拘わらず、辛い物がまれに発現します。
在来では、伏見、万願寺、ひもとうがらし(奈良)、三宝(鳥取)、日光とうがらし、そら南蛮(長野小諸)、杉谷とうがらし(滋賀甲賀)、田中とうがらし(京都)などが甘とうがらし品種として残っています。
これらの品種であっても、環境次第では辛味が強く発現するケースがあると思われます。
理由は諸説あります。

◆「近くに鷹の爪など辛味種を植えると起きる(メタキセニア)」とされます。
しかし、トウガラシにはメタキセニア現象はないので俗説です。

◆辛くなる原因は、植物への急激な環境変化が、引き起こす原因と考えられています。
急激な水分減少による変化、急激な降雨による根いたみ、高温期に津薬価した単為結果(種なし果)で辛味が強くなることがわかっています。

伏見とうがらしをはじめ、甘味種には遺伝的に残っている、辛味成分「カプサイシノイド」を生産する能力が、環境変化をきっかけにして、スイッチが入ると考えればよさそうです。

この「事故率」は0%が望ましいです。
辛味のでない品種育成は今後も重要なテーマということになります。

なお、同系統の「万願寺」の「万願寺甘とう」には現在辛味発生の可能性は、極低いです。
理由は、「万願寺とうがらし」の項で説明しています。

https://tikuwapop.com/sozaiDetail.php?num=1368&words=%E4%B8%87%E9%A1%98%E5%AF%BA

発祥の地、京都舞鶴と、周辺の綾部・福知山の特産。
ほぼ100%「京都万願寺2号」に品種切り替えしています。
伝統野菜の点では疑問が残りますが、伝統野菜の良さを伝える努力・・・ということになるでしょうか。

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