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コンフェレンス コンファレンス conference洋梨TX
カテゴリ:くだもの
淡泊ながら、これはこれで美味しい洋梨ですね。
追熟後との色変化がわかるものにしてみました
ファイル名:conference-20221013tx.jpg
セイヨウナシ 西洋梨
科:バラ科 Rosaceae
属:ナシ属 Pyrus
種:セイヨウナシ P. communis
和ナシは、ナシ属の 種:ヤマナシ P. pyrifolia 変種ナシ var. culta です。
セイヨウナシは有史以前からヨーロッパ中~東部にあったとされ、起源はよくわかりません。
ナシの類は、ヨーロッパ・アジア大陸に原生分布しているので、その何処かなのでしょう。
古代ギリシャでは、セイヨウナシを「神へのみつぎもの」として、盛んに栽培されていたようです。
紀元前ローマの園芸書には、6種の品種や、接ぎ木、貯蔵法についての記述があるそうです。すでに一定以上の栽培知識が定着していたといえます。
ギリシャから渡ったフランスでは、気候がセイヨウナシの栽培環境に合っていたようで、ここでもかなり古くから栽培されてきました。育種も盛んで、フランスの記録では、1690年に67品種、1867年になると900種以上の記録があります。
現在世界でもっとも広く栽培される品種「バートレット」は、英国バークシャー州で発見された偶発実生が広まったものです。元の名前は「ウイリアムス・ボン・クレチエン」。
「バートレット」は人名で、アメリカで栽培普及をした人の名前がそのまま残ったものです。17世紀には適地であるカリフォルニア、オレゴンなど西部で広まって、一大産地となります。
【 日本でのセイヨウナシ 栽培歴史 】
明治になって、政府が仏、米国から輸入した苗木は、官営の 三田育種場で養成され、各地に配布されます。
山形県では明治20年ごろから栽培が始まります。当初バートレット、フレミッシュ、ビューティーといった品種だったそうですが、間もなく枯れ死したようで、その後も官民によって様々な品種が試みられました。
大正天皇が皇太子時代に、バートレットの苗木を県民に与えたのが明治42年。当時バートレットは「缶詰加工用」として栽培されたそうです。
現在は「ラ・フランス」が主力になっていますが、ここに至るにはあと100年を要します。
愛知、兵庫、岡山では、輸出用として栽培が試みられますが、結局輸出できず、次第に衰退。現在も残る樹が点在し、収穫されています。
結局、栽培に比較的向いている、東北(山形・秋田・福島)や、新潟、長野で明治以後も産地として残りました。とくに、山形県の内陸盆地は、立地が適していたことから特産地となります。
【 名前の由来と、食べた印象 】
日本語表記になると、「コンファレンス」という表記もあります。
単に、発音を日本語化した時の表記問題といえます。英国生まれの品種。
会議=conference が名前の元で、英国で1885年に開催された西洋梨協議会で最優秀だということで名付けられたとされます。
欧州では主要な品種の代表格。
国内では10月上旬に収穫される品種で、形は様々ですが、比較的スリムな細長い形状になりやすいようです。特に、「首」にあたる部分がひょろりと長くなりやすいようです。
比較的淡泊な味わいで、濃厚な路線ではありません。
色を見ながら追熟しますが、複数買ったときは、黄緑くらいで一度切ってみてもいいかもしれません。放っておくと黄色みのある色になりますが、元々なめらかな果肉なので、あまり熟してしまうと、実がグズグズな感じになってしまうので、早めに切ってみましょう。
皮がズルリとむけてしまう状態では、すすみすぎているかもしれません。
酸味はほとんど感じず、香りもおだやかですが、甘さはじゅうぶん。
小ぶりな果実ですが、満足度があります。
スジ感もなく、滑らかな果肉です。黄緑色が残ったものは、さっぱりとした、程々の食感が残る果肉で、甘さにはあまり差はなく、この方が良いように思いました。サラダやヨーグルトにもいい感じです。
微妙な印象差なので、そういう意味では、食べごろ判断はしにくい類の洋梨です。
画像で、入手時の黄緑色と、実際に切った時の色の比較をしていますので、参考になさってみて下さい。