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ドワイエンヌ・デュ・コミス 洋梨 202210TX|心にチクっとささるワードで作る「ちくわPOP(ちくわぽっぷ)」|農産物直売所やスーパーの青果売り場の活性化に!農に特化したPOPが無料!!

ドワイエンヌ・デュ・コミス 洋梨 202210TX

カテゴリ:くだもの

昭和天皇裕仁陛下の料理番のコメントで有名になった洋梨。
洋梨品種も日進月歩です。表記ちがいを制作。

ファイル名:doyenn-du-comice-20221015tx_001.jpg

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セイヨウナシ 西洋梨  


科:バラ科 Rosaceae
属:ナシ属 Pyrus
種:セイヨウナシ P. communis

和ナシは、ナシ属の 種:ヤマナシ P. pyrifolia 変種ナシ var. culta です。

セイヨウナシは有史以前からヨーロッパ中~東部にあったとされ、起源はよくわかりません。
ナシの類は、ヨーロッパ・アジア大陸に原生分布しているので、その何処かなのでしょう。
古代ギリシャでは、セイヨウナシを「神へのみつぎもの」として、盛んに栽培されていたようです。
紀元前ローマの園芸書には、6種の品種や、接ぎ木、貯蔵法についての記述があるそうです。すでに一定以上の栽培知識が定着していたといえます。

ギリシャから渡ったフランスでは、気候がセイヨウナシの栽培環境に合っていたようで、ここでもかなり古くから栽培されてきました。育種も盛んで、フランスの記録では、1690年に67品種、1867年になると900種以上の記録があります。

現在世界でもっとも広く栽培される品種「バートレット」は、英国バークシャー州で発見された偶発実生が広まったものです。元の名前は「ウイリアムス・ボン・クレチエン」。
「バートレット」は人名で、アメリカで栽培普及をした人の名前がそのまま残ったものです。17世紀には栽培適地であるカリフォルニア、オレゴンなど西部で広まって、一大産地となります。


【 日本での栽培歴史 】

明治になって、政府が仏、米国から輸入した苗木は、官営の 三田育種場で養成され、各地に配布されます。

山形県では明治20年ごろから栽培が始まります。当初バートレット、フレミッシュ、ビューティーといった品種だったそうですが、間もなく枯れ死したようで、その後も官民によって様々な品種が試みられました。
大正天皇が皇太子時代に、バートレットの苗木を県民に与えたのが明治42年。当時バートレットは「缶詰加工用」として栽培されたそうです。
現在は「ラ・フランス」が主力になっていますが、ここに至るにはあと100年を要します。


愛知、兵庫、岡山では、輸出用として栽培が試みられますが、結局輸出できず、次第に衰退。現在も残る樹が点在し、収穫されています。

結局、栽培に比較的向いている、東北(山形・秋田・福島)や、新潟、長野で明治以後も産地として残りました。とくに、山形県の内陸盆地は、立地が適していたことから特産地となります。



【 ドワイエンヌ・デユ・コミス という品種について 】

3500種以上はあると思われるセイヨウナシ。
日本ではおそらく30種に満たない品種が経済作物として出回っていると思われます。
換言すると、品種は少なく、絞り込まれているといえます。

この品種は、評価は高い歴史のある品種ですが、手間がかかること、経済作物として成り立ちにくい点で、希少種の扱いになります。生産者もごく少ないです。
フランス生まれで、コミス・ホルティコール果樹園で見つかったので、今もその園地の名前が残っています。
省略して「コミス」と呼ばれたりします。
ドワイアンヌ という表記もあります。ドワイエネという表記もあります。日本語化した時の問題なので、あまり気にしても仕方ありません。「ドワイエン」に聞こえます。


日本には、明治には米国経由で導入されたようです。その後の由来ははっきりしません。

明治当初は、色々な品種が投入され試されています。
昭和天皇の料理番・秋山徳蔵氏いわく、「果物の王」「アイスクリームのよう」「記憶に残る味」と言わしめる味わいとされ、いつしか「幻の洋梨」扱いになってしまいました。
普通に売っているという品種ではないのは確かで、通販か、特定時期に出回るのを待って購入するしかないような商品です。
栽培の難しさだけでなく、入手のしにくさも、幻(まぼろし)品種としての扱いになっているのでしょう。

直訳では、「Doyenné du Comice」=主席司祭職のコミス 転じて、高僧コミス→まれな存在のコミス ということになるのでしょうか。



【 実際に食べてみた 】


2022/10/03に購入した時点では、黄緑色の果皮色で、まだだなとわかる状態を2個入手。
長野県産で、同じ生産者のもの。


2022/10/14 一方の果皮色が黄色みが強くなったので、そちらを切ってみる。
ちょうどいい時に切ったか、もしくは少し遅いのかという感じ。
セイヨウナシは、こういう微妙な部分が絶妙で、そこが面白さだったりします。

皮は適度に締まっているが、熟したところはズルズルになった所も一部あります。
実の堅さはほぐれて全体が熟した印象。
果肉全体の印象は、とくにグズグズな感じではなく、整っていて好印象。

実際に食べてみると、香りよく、甘さもじゅうぶん、酸味は少ないが少し感じられる。
果肉の抵抗感はあまり無く、スジっぽさもほぼ感じられません。
かなり美味しい具合で切ることができたと思います。
文句なくなめらかな果肉。そう強いわけではないが、いい香り。
酸味が強くなく、適度で、品のある甘味。
水分が多く、とろりとしたシズル感も強い。セイヨウナシ特有のとろける感じが堪能できます。

個体としては約300g以上ありましたので、じゅうぶんな食べ応えを感じました。
案外、口の中でとろけていくので、たくさん食べた、という感じがないところも、洋梨らしいところです。


保存については、色々記述がありますが、一旦追熟して良い状態になったものを保存し続けるのは難しい事です。
どうしてもという場合は、冷凍、コンポートなどの加工品にするしかありません。
生食ならではの楽しみは、ごく短い一瞬のヨロコビ。大切に食べてください。


個人的には、美味しさは文句なしですが、至高の味わいという点では、主観ですが、バラードなど、後発品種のほうが、食べごろが非常に判りやすく、適期に、より感性に訴える味わいをもたらしてくれるように思います。


なお、写真の左側のものも翌日切ってみました。
濃厚さはあまり感じられませんが、しっかりした食感が残って、甘さもしっとり感じられます。
サラダにも良いなと思いました。


生食適期が判りづらいからこそ、面白みがあるという考え方もあるかもしれません。
私は必ずしも、そうは思っていません。
香りや、カラーチャートを使った方法など、誰にでもわかりやすいほうが、一般の消費にとっては、かならず良い体験につながると信じています。
進歩は、どの世界でも今も続いていくもので、決して立ち止まらないものです。


洋梨品種も日進月歩です。表記ちがいを制作。

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