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カイアポいも シモン芋 TX
カテゴリ:やさい
栄養がすごいらしい、というのは、自分で調べてみましょう。
自分で食べた感想を重点にしました。
ファイル名:202301tx_001.jpg
シモン芋 カイアポいも
そのそも、シモン芋の「シモン」は人名で、「ブラジル連邦国立農科大学」教授とされる人の名前。
調べたものの、大学の存在が確認できませんでした。廃校または誤って伝わっているかもしれません。
ご存じの方、お教えください。
シモン教授が、ブラジル密林に住むインディオが食べている白いサツマイモを持ち帰ったのが始まりとされています。
「カイアポ芋」は、南米アマゾン川上流の、カイアポ山地の白イモの交配とされていますが、シモン芋と同じものではないかと考えられています。
ブラジルの大学教授シモン氏が、カイアポ芋を持ち帰って、「シモン芋」と自身の名をつけて広めたと考えたほうが良さそうです。
ですので、ここでは区別せず、おなじ物として扱います。以後、「シモン芋」として説明していきます。
なお、非常に情報が少なく、公的機関の調査も無いことから、なかなか表現し辛いイモではあります。
コピペの流用も多い結果、何が本当なのか、だんだん判らなくなってきます。
シモン芋の名前についても、後述する、台湾出身の医師、楊天和(ようてんほう)氏の子息の名をとったとする説が、コピペで広まっています。シモン教授の学校名も、ブラジル連邦国立農科大学のほか、ブラジル連邦大学、ブラジル農科大学、ブラジル大学などなど。いずれも調べた範囲見つかりませんでした。日本語検索では限界があるのかも知れません。
通販サイトが大量にありますが、信用性に欠けるページが多いと思いました。
【 日本への伝播 】
1973年 台湾出身の医師 楊天和氏が医療に役立つと考え、ブラジルに渡ってシモン教授から種イモを譲り受けたのが最初とされます。
楊天和氏は、高知県の離島、沖の島の診療所に勤務した際、島民に栽培をよびかけ広めたそうです。
以後、「シモン一号」と呼ばれ、現在もわずかに育てられているようです。
産地化として、宮崎県、大分県、熊本県、長崎県など、暖地での栽培が多いです。
根茎や葉っぱを、粉末やお茶などに加工しているようです。
【 この芋の特殊性 】
一般的なサツマイモは、肥沃な土壌を要求しません。
やせた土地でも、元気に育つのが、救荒作物として広まった理由です。
シモン芋は、「肥料食い」の作物で、連作が不能です。
一度栽培すると、土壌のミネラルや微量な栄養を吸収しつくして、その後、他の作物が育たなくなってしまいます。そのため、一般に2~3年畑を休めないと、次の作物を植えられないようです。
換言すれば、それほど強力に栄養素を吸収した作物でもあるわけですが、経済作物としての地位は、不安定です。
【 栄養面の優位性 】
ミネラル、ビタミンを多く含み、繊維質が豊富で、民間薬として利用されたとする記事が多いです。
とくにカルシウム、カリウム、各種ビタミン、ナイアシンなど栄養素が多いとされます。
注意してみると、生芋データではない物もあり、調査機関が明示していないものがあります。
琉球大学と沖縄全薬が出している論文では、抗酸化能について検討したものがあります。
いろいろ栄養素の優位性について調べましたが、残念ながら、一次情報に到達できませんでした。
日本栄養食科学会で発表されたとするサイトがありますが、組織の存在を確認できませんでした。
「高知大学農学部分析」とある情報は、見つけることができませんでした。
「日本食品分析センター調べ」とする情報もありますが、「一般財団法人日本食品分析センター」サイト内にデータはなく、委託を受けて分析したものと思われます。非公開です。
「(財)東京顕微鏡院 食品・環境科学センター分析」との情報も非公開。
文科省の食品成分分析にはありません。
データとされるものの比較の中には、乾燥粉末100gと、サツマイモ(生)の100g比較を取り上げている表もあります。つまり同じ条件での比較とは言えません。
同時に、ガンに効く、糖尿病の改善、ダイエットの味方など、薬機法(以前は薬事法)に抵触するとしか思えないものもあって、調べて行くほど、怪しげな部分が気になります。
というわけで、「栄養が高いらしい」としか申し上げられません。
また、このサイトでは、その部分に以後触れません。
栄養素を掲載しているサイトは、色々ありますのでサーチしてみて下さい。
【 特許情報 】
シモン芋に関した、いくつかの特許申請があります。食品関連の概略だけまとめます。
◆熊本製粉株式会社
芋を使った麺類・パン・水産動物用餌料
葉からの抽出物
◆有限会社シモン
シモン芋および葉の粉末状健康食品
◆有限会社九州シモン本舗
シモン芋、茎葉等を乾燥加工した健康茶
◆沖縄県
シモン芋エキスおよびスフィンゴ糖脂質製造方法
◆吉野 秀信
シモン芋を用いた加工食品(羊羹)
ほかに化粧品に関連したもの等があります。ご興味があればお調べください。
【 たべかた 利用法 】
甘さは無く、味もはっきりしないサツマイモとされます。
生での流通は非常に少ないと思われます。
イモ苗は通販で入手できます。
加工食品では、チップス、大学芋、サラダのほか、焼酎づくりや、葉を粉末をお茶や麺類に練りこむなどして利用されています。
インディオは、生芋の搾り汁を飲んでいるそうですが、話だけ聞くと、美味しそうではないですね。
というわけで、すこし勇気を出して色々と試してみることにしました。
◆生で食べてみる
しらない野菜も、色々生で食べてきましたが、少し勇気が必要です。
食べると、次郎柿に似たコリコリ感があって、しっかりした強い食感。
味や香りは乏しいですが、逆にクセのないもの。
少し粉っぽい感じがありました。
皮周辺から、何かの匂いが感じられます。サツマイモとは異質なものです。
◆焼き芋にしてみた
甘くないという評の、この芋。細くて手頃な大きさがあったので、ストーブで焼き芋にしてみます。
食べてみると、意外に甘さが感じられます。
ホクホクではなく、しっとりとした果肉で、あまり違和感がありません。
皮も食べてみようということで、食べてみると、やはり、何かの匂いがして、違和感を感じますが、まあ、そのうち慣れるもので、けっこう美味しくいただけました。
これは、「アリ」です!
◆茹でてみる
ゆで時間は案外長く、一口大に切ったのですが、結局20分近く加熱。
楊枝がスッと入ったので、食べてみます。
やはり、甘さがある。とても甘いとはいえないにしても、甘くないムラサキイモよりは、食べやすいです。
少々の筋感と、ねっとり感のあるもの。ホクホクの粉質ではありません。
◆チップスにしてみる
0.5mm程度の厚さでスライス。
揚げるうちに、少し丸まってきます。
怖いので、すこし揚げ過ぎかな、という位にしてみます。少々塩ふり。
食感がカリッカリで、普通に美味しい。先ほどまで感じられた、皮付近の、何かの匂いというかエグミは少ないです。サツマイモチップスを作った感じで、とくに違和感はないですね。
総合的に考えると、次のようになります。
生でも食べられるようですが、加熱して食用にします。粉質ではなく、少々ねっとりした感じ。加熱は少々長いのですが、煮崩れしないので、シチューやカレーでも良さそうです。少々の甘さと、皮付近の何かの香りがありますが、さほど気になるほどではありません。
チップスにすると、カリカリ感が強く、なかなか美味しいですよ。
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