千雪　　あおり27

品種登録名は、「あおり27」です。
コードネーム風です。
青りんごではなく、「青森生まれのりんご」。

青森りんご試験場（現　地方独立行政法人 青森県産業技術センター）の育成。

褐変しない　という特性が、特異な点。
でも、生食しても、独特の果実で、存在感もたっぷり感じられます。
中生品種。着色もよく、果点が美しいうえに、糖度も高い、優良品種。

写真にあるように、芯のまわりが、赤く染まったようになる個体が出ますが、正常です。

【　品種登録情報　】

農水省品種登録情報を抜粋転載します

作物区分 果樹
農林水産植物の種類 Malus Mill.　（和名：リンゴ属）
登録品種の名称 あおり27　（よみ：ｱｵﾘ ﾆｼﾞｭｳﾅﾅ ）
登録年月日 2008/03/18
育成者権の存続期間 30年
品種登録者の名称及び住所　青森県 （030-8570 青森県青森市長島一丁目1番1号）
この品種は、「金星」に「マヘ７」を交配して育成されたものであり、果形が扁円、大きさが中、果皮を被う色が紫紅の育成地（青森県黒石市）では10月中旬に成熟する中生種である。・・・果肉の色は黄白、果肉の褐変化は極弱、硬さは硬、肉質は粗、蜜の多少は極少、甘味は高、酸味及び渋味は弱、香気及び果汁の多少は多、種子の形は倒卵、大きさは小である。発芽期及び開花期はやや早、成熟期は中で育成地においては10月中旬である。・・・「あおり１３」と比較して、果実が小さいこと、蜜が少ないこと等で、「ジョナゴールド」と比較して、果皮を被う色が紫紅であること、果点が大きいこと等で区別性が認められる。

【　特許および商標登録　】

特開2020-203837「千雪」と「かおり」の品種について、美容および健康増進の原料となる組成物について特許情報があります。

たしかに、特有の魅惑的香りがあって、いつ注目されてもおかしくない存在ではあります。
商標について2022時点確認できません。

【　捕捉　】

美しいと感じるくらいの果点（斑点）が果皮にひろがります。
香りが独特で、強く、南国フルーツや花に似たような香りがします。
蜜入りにはなりにくですが、堅めの果肉でしっかりした存在感。
果肉がザックリとした粗い感じですが、リンゴらしい食感があって好感がもてます。
すりおろしりんご　にした時でも、褐変しにくく、加工用途にも向いています。

褐変しにくい品種について、染色体領域を農研機構と青森県産業技術センター協同で原因を突き止めています。
こちら
https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nifts/149533.html

DNAマーカーを用いて、育成初期段階で褐変しにくい個体の選抜が可能であるとしています。

【　その他情報　】

地方独立行政法人 青森県産業技術センターの育成品種を紹介します

あおり9（彩香）
あおり13（北紅）
あおり11
あおり12（しおりの詩）
あおり16（恋空）
あおり15（星の金貨）
あおり21（春明21）
あおり24（はつ恋ぐりん）
あおり25
あおり27（千雪）
紅はつみ

最後にある、紅はつみは、2018年登録。
星の金貨や恋空など市場で支持される品種を生み出しています。

上記202301時点。