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かんきつ中間母本農6号|心にチクっとささるワードで作る「ちくわPOP(ちくわぽっぷ)」|農産物直売所やスーパーの青果売り場の活性化に!農に特化したPOPが無料!!

かんきつ中間母本農6号

カテゴリ:くだもの

小さな果実ですが、きわめて異例な特色をもっている事がわかります。
いずれの日にか注目が集まりそうです。

ファイル名:6-202304.jpg

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かんきつ中間母本農6号  農6(のうろく)


ちゅうかんぼほんのう6ごう と読みます。
なんともいかめしい名前です。通称「農6(のうろく)」だそうです。

「中間母本(ちゅうかんぼほん)」とは、すぐれた遺伝特性を持っている新品種育成に有用な系統を指しています。つまり、新品種を作る際に期待された品種ということです。
この柑橘は、美味しいものの、かなり小型で皮が堅く皮むきしにくいなどの理由で、育成母として扱われていました。

ところが、意外なことに、食べた人たちが高評価。
青果用として各地で栽培されるようになったほか、大手メーカーも、この柑橘を使った商品を生み出しています。

UHA味覚糖 「ぷっちょ 熊本県産かんきつ中間母本農6号」
https://puccho.jp/blog/puccho/comment.php?_id=402
202304時点でHPで確認。

また、濃厚な甘味と多汁であること、特有の香りをもつことから、有名果実店でジュースとして提供されているようです。
ほかにも、特別な機能性成分を多量に含んでいて、今後俄然注目されそうです。後述。

混合花粉を受粉しても種が入らないなど、この系統の後代にも高確率で無核個体がでやすいこと、良食味であることからも、すぐれた交配親として再注目されそうな予感があります。
今後、親しみやすいネーミングをつけて、特産化されそうな予感。


【 品種登録情報 】

この柑橘は農水省に品種登録されています。抜粋し転載。

作物区分 果樹
農林水産植物の種類 Citrus L. (和名:カンキツ属)
登録品種の名称 かんきつ中間母本農6号 (よみ:カンキツチュウカンボホンノウ6ゴウ )
登録年月日 2004/06/04
育成者権の存続期間 25年
品種登録者の名称及び住所
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 (305-8517 茨城県つくば市観音台三丁目1番地1)
この品種は、「キングマンダリン」に「無核紀州」を交配して育成されたものであり、果形が扁球、果実の重さが中、果皮色が橙の育成地(静岡県静岡市)では1月下旬に成熟するかんきつである。・・・果実の形は扁球、果形指数は中、果頂部の形は平坦、放射条溝及び凹環の有無は無、果梗部の形は球面、放射条溝の多少は中である。果心の充実度はやや密、大きさは小、果実の重さは中、果皮の色は橙、油胞の大きさは小、密度は密、凹凸は平、果面の粗滑及び果皮の厚さは中、果皮歩合は大、剥皮の難易は中である。じょうのう膜の硬さはやや軟、さじょうの形及び大きさは中、色は橙である。果汁の多少は多、甘味は高、酸味は低、香気の多少は多、種子数は無である。発芽期は晩、開花期はやや晩、成熟期はやや早で育成地においては1月下旬である。隔年結果性は中、浮皮果及び裂果の発生は無、貯蔵性は中である。「キングマンダリン」と比較して、果面が滑らかであること、無核であること等で、「無核紀州」と比較して、果実が大きいこと、果皮が厚いこと等で区別性が認められる。

隔年結果性は中で、豊産な柑橘。小型で120g程度の大きさです。温州みかんでいえば、Mサイズくらいの重量感になります。

カラマンダリン(カラみかん)の花粉親になっている「キングマンダリン」が種子親。
「無核紀州」は、30gほどのとても小さく、糖度の高い柑橘。
強い無核(種無し)特性は、「無核紀州」から受け継いだのでしょう。

なお、「かんきつ中間母本」の名がつくものは、農1号~農8号まであります。


【 じっさいに食べてみた 】

和歌山県産の、サイズ無選別のものでした。
とても小さいものは、60g前後、普通なのかなという大きさで120gほどで、それでも小さい部類に入る柑橘です。

皮周辺からは、あまり香りは感じられません。外観はデコボコがあるものやいびつな形のものもあって、一定な感じではないです。

皮むきしにくいとの情報だったので、ナイフで頭のところを切って剥くと、するする剥けました。

指を突っ込んで剥こうとすると、皮が厚めなので手こずります。

食べてみると、ビックリの濃厚な甘さをもつ柑橘です。
酸味は少なく、強い香りを持っている果肉です。

ミカンとオレンジと、そして何か。しかも複雑。
何かの香りに似ているなと思って考えてみると、シークワーサーに似た感じの香りです。
とても独特の香りが混ざった、不思議な体験です。

種はまったく見当たらず、じょうのう膜も、薄く柔らかで、皮さえ剥いてしまえば、丸ごと食べられる柑橘。
とても小さいサイズの中には、美味しいものの濃厚さの無いものもありました。また、じょうのう膜が相対的に厚く感じます。ある程度の大きさがあるほうが良いのかも知れません。

この柑橘は、小さいなかにも、強い個性と濃厚な味わいが詰まっています。
食べた人にとって、印象に残るような食体験で、個性的な存在です。
なるほど、育種親だけにしておくのは勿体ないですね。


食後に、口の周りがレモンを丸かじりしたようなヒリヒリする感じがありました。
グレープフルーツを食べたあとに感じる、アレです。ナリンジンという物質も多いのでしょう。


付記 機能性成分について

とても独特な香りの元なのでしょう、フラボノイド成分が突出して多いことも、この柑橘の優位点です。
農研機構  品種詳細 かんきつ中間母本農6号
https://www.naro.go.jp/collab/breed/0400/0405/001362.html

表4で、平紀州/シークワサー/タチバナ/キングと比較した、フラボノイド成分が、とびぬけて多くなっています。
「カロテノイド」のほか、「ノビレチン」「タンゲレチン」といったフラボノイド成分がとても多い果汁であると判ります。注目を浴びている成分ですので、この点でも今後活用が進むかもしれません。

関連ワード

かんきつ中間母本農6号のうろくノビレチンフラボノイド成分交配親品種

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