素材ダウンロード
南水 なんすい
長野生まれの赤ナシ品種。
大玉で黒斑病や黒星病に耐病性を持っています。
交配は昭和48(1973)年です。55(1980)年に初結実、58(1983)年に有望系統として選抜・育成し、品種登録までに17年を要しています。
10月に入って出回ります。
【 品種登録情報 】
農水省に品種登録されています。抜粋し一部を転載します。
作物区分 果樹
農林水産植物の種類 Pyrus pyrifolia (Burm. f.) Nakai var. culta (Mak.) Nakai (和名:ニホンナシ変種)
登録品種の名称 南水 (よみ:ナンスイ )
登録年月日 1990/06/13
育成者権の存続期間 18年
育成者権の消滅日 2008/06/14 ※期間満了
品種登録者の名称及び住所
長野県 (380-8570 長野県長野市大字南長野字幅下692の2)
この品種は、「越後」と「新水」の交雑実生であり、果形が扁円で甘味が強く、育成地(長野県下伊那郡高森町)において9月末~10月上旬に成熟する赤なしである。・・・果肉の色は白、果肉の硬さはやや軟、果肉の粗密は中、甘味は多、酸味はやや少、香気は極めて少、果汁は多、種子の数は多である。成熟期はやや晩であり、育成地において9月末~10月上旬で、「新星」とほぼ同時期である。芯腐れ、みつ症状及び裂果は無、果実の貯蔵性はやや長である。「豊水」と比較して、果実の形が扁円であること、成熟期が晩であること等で、「新星」と比較して、果実の形が扁円であること、甘味が多いこと、酸味が少ないこと等で区別性が認められる。
JA長野県のHPに、「南水」の育成に関わった南信農業試験場の方に取材した記事があります。ぜひご覧ください。
JA長野県 / 信州伊那谷生まれの梨、南水物語
https://oishii.iijan.or.jp/products/post-164
当時、「新水」を奨励していたのですが、高温障害の体験から、肥大のよい「新水」を親に、育成を試みたそうです。
大玉で美味しいことから、昭和62年に「南農なし1号」という系統名で試験栽培が始めたそうです。
名前の由来については、育成した「南信農業試験場」の「南」と新水の「水」から取られています。
【 じっさいに食べてみた 】
けっこう大きな部類の個体で、400g近い重量感のある梨。
全体に強い赤茶色で、軸まわりに少し青みがさしています。
切ってみると、香りはあまりありません。
一口食べてみると、とても甘い!
噛むと果汁も多く、ジュワーッと美味しさが広がります。
酸味はあまり感じられません。
食感がシャリシャリして、全体に満足度が高い梨でした。
「あきづき」に似た印象も残りました。
貯蔵性もよく、冷蔵で2か月もつそうです。