味一号　　みえの一番星　　みえ紀南1号

9月中旬から出てくる、超極早生の露地みかん。
最初見た時は、ハウスものかと思いました。

品種名が「みえ紀南1号」。
「味一号」が商標。
選抜品は「みえの一番星」で、商標登録されています。
ブランドとして、外観がよく、糖度１０以上、酸度１．１以下は「みえの一番星」の名前で出しているようです（JA伊勢　R5年9月時点）。

JA伊勢の広報では、この年の初選果作業は9月12日。
入手時は9/20でしたが、仲卸さんによると「これで打ち止め」とのことで、ごく短期間流通するようです。
R5年の市場への出荷量は、900ｔとのこと。

酸味は、ほぼ無く、ジュースと甘味を楽しむ品種です。

ＪＡ伊勢統一選果場では、カメラとセンサによる選果の時点で「あまっこ」「味」「柑」の３段階に分けて出荷しています。
外箱に記載があります。店頭では表示されないかもしれません。

【　商標登録情報　】

「みえの一番星」は商標登録されています。
以下

登録番号：第5444994号
先願権発生日：平成23(2011)年 8月 2日
商標(検索用)：みえの一番星
権利者　氏名又は名称：伊勢農業協同組合

役務範囲は、三重県産のミカンとなっています。
今後追加情報があるかもしれません（202309）。

【　品種登録情報　】

農水省に品種登録されています。「みえ紀南1号」。
抜粋し転載。

作物区分 果樹
農林水産植物の種類 Citrus unshiu Marcow.　（和名：ウンシュウミカン種）
登録品種の名称 みえ紀南1号　（よみ：ﾐｴｷﾅﾝ1ｺﾞｳ ）
登録年月日 2008/03/18
育成者権の存続期間 30年
品種登録者の名称及び住所
三重県 （514-8570 三重県津市広明町13番地）
この品種は、「崎久保早生」の珠心胚実生から育成されたものであり、果形が扁平、果実の重さが中、果皮色が濃橙の育成地（三重県南牟婁郡御浜町）では10月上旬に成熟する温州みかんである。・・・大きさ及び果実の重さは中、果皮の色は濃橙、油胞の大きさはやや大、密度は疎、凹凸は平、果面の粗滑はやや滑、果皮の厚さ及び果皮歩合は中、剥皮の難易は易である。じょうのう膜の硬さは軟、さじょうの形及び大きさは中、色は濃橙である。果汁の多少及び甘味は中、酸味は低、香気の多少は中、種子数は無である。・・・「崎久保早生」と比較して、さじょうの色が濃橙であること、甘味が高いこと等で、「宮本」と比較して、果心の充実度が粗であること、甘味が高いこと等で区別性が認められる。

三重県　農業研究所　のレポート
http://www.pref.mie.lg.jp/nougi/hp/29048026872.htm
「平成5年に極早生温州みかんである「崎久保早生」に「サマーフレッシュ」の花粉を交配する事によって得られた種子を用いて育成された珠心胚実生系統」であると説明されています。

「崎久保早生」は、「宮川早生」に比べ、25日程度も熟すのが早いようです。
「サマーフレッシュ」は、ハッサクを親にもつ、晩生の大型柑橘。
なかなか個性的で、不思議な取り合わせです。

【　じっさいに食べてみた　】

Sサイズの小型のみかん。
この時点では皮色が大部分が緑色でしたが、数日で黄色く変わるようです。
選果の時点で「あまっこ」「味」「柑」の３段階に分けて出荷しているとのことです。
入手できた個体は「柑」と箱のラベルに印刷があります。

皮は、普通の温州ミカンのように、するすると剥けます。
香りは、強くはありませんが、さわやかな柑橘臭。

酸味はありません。ほぼ無いという印象。
甘味は少なく、ぼーっとした、曖昧な甘さです。
いくつ食べても同じような感じでした。
グレードの差でしょうか。
もう少し甘いと、満足感が得られます。

ちなみに、冷やして食べるのをオススメします。
この時期、まだ暑い日もあります。
少し冷やして食べると、単純ですが「冷たくて美味しい」と思いました。
冷たい、天然のジュースの味わい。

まるで子供のようなコメントですが、素直にそう思います。
残暑の季節に出て来るミカンならではの楽しみかたです。