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アイマサリ あいまさり
長崎県が育成した、ジャガイモ品種です。
2017年出願 2021年品種登録。
ジャガイモシストセンチュウとジャガイモYウイルスに対する抵抗性を持つとのことで、今後切り替えが期待されます。
コメントを見ていると、やたらと「ポテサラに向いている」というのが多いです。
つまり、加工用途(業務用)として好適とみているのでしょう。
のちほど、青果用としてはどうなのか、自分なりの意見を書いてみます。
今回の個体は、自宅で栽培したものです。
夏植え秋どりですが、種イモを切って植えると失敗すると思います。
春植えであれば、あまり神経質になる必要はなさそうです。
【 品種登録情報 】
農水省に品種登録されています。抜粋し転載。
作物区分 食用作物
農林水産植物の種類 Solanum tuberosum L. (和名:バレイショ種)
登録品種の名称 アイマサリ (よみ:アイマサリ )
登録年月日 2021/09/28
育成者権の存続期間 25年
品種登録者の名称及び住所 長崎県 (850-8570 長崎県長崎市尾上町3番1号)
・・・塊茎の形は短卵形、塊茎の目の数は極少、塊茎の皮色は淡ベージュ、塊茎の目の基部の色は黄、塊茎の表皮のネットは無又は極少、塊茎の肉色は明黄、上いも重はかなり重、上いも数はやや多、上いもの平均重は重である。 出願品種「アイマサリ」は、対照品種「アイユタカ」と比較して、幼芽の頂部のアントシアニン着色の強弱が中であること、花の数が少であること、休眠期間が短であること等で区別性が認められる。対照品種「デジマ」と比較して、幼芽の形が球形であること、幼芽の頂部のアントシアニン着色の強弱が中であること、花冠内面のアントシアニン着色の強弱が弱であること等で区別性が認められる。対照品種「ニシユタカ」と比較して、複葉の緑色の濃淡が中であること、花冠内面のアントシアニン着色の強弱が弱であること、休眠期間が短であること等で区別性が認められる。
参考 育成機関の研究報告です。
長崎県農林技術開発センター研究報告 「バレイショ新品種「アイマサリ」の育成」
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010941524.pdf
上記によると・・・
ニシユタカよりも収量があって、ジャガイモシストセンチュウとジャガイモYウイルスに対する抵抗性を持つ品種だそうです。
つるんとして、デコボコのほぼ無い、芽も浅い外観。
火の通りが早く、やや粘性。
農研機構では、青果・業務加工用品種でサラダ用途に向いているとしています。
ポテサラにすると美味しいとのこと。
【 長崎県が育成したジャガイモ品種 】
11品種が、農水省に品種登録されています(2023.11)
(内数字)は、出願年。
「メイホウ」(1986) 「アイノアカ」(1994) 「普賢丸(ふげんまる)」(1997) 「春あかり」(2002) 「アイユタカ」(2003) 「西海31号」(2006) 「はるか」(2007) 「ピルカ」(2009) 「さんじゅう丸」(2010) 「ながさき黄金(こがね)」(2015) 「アイマサリ」(2017)
じゃがいも全般については、拙文を参照いただくと、全般的な知識が獲得できると思いますので、是非ご覧ください。
「じゃがいも」について tikuwapopブログ
https://tikuwapop.com/blog/2022/05/17/poteto-hidtory-worldwide/
元々は、長崎に最初に伝わった「ジャガイモ」。
標高の高いアンデス原産のジャガイモを、どうやって長崎に根付かせてきたか、少しわかっていただければと思っています。
【 じっさいに食べてみた 】
粉質ではないようで、少しのシットリ感と、キメの細かな肉質であるとのコメントが多いです。
違ったアプローチで、トライしてみたいと思います。
「焼きジャガ」
ストーブの上で焼くこと約40分。
粉質ではありません。しっとりホクホク。
湿度感のある、しっとりした果肉。
写真でつたわれば幸いです。
食べると、旨味はあるのですが、甘味や香りの点では、わりと無個性な印象。
すうーっと入ってきて、するりと抜けていく感じです。
エグミもないです。
しっとりしているせいか、果肉の、ほぐれは良いです。
ああ、こういうのがポテサラに向くのかも、と思いました。
何かの味に簡単に染まってくれる、素直な性格のジャガイモ。
そういう意味で、優秀でかしこい子です。
用途は広い印象で、オールラウンダー。
ジャガバターにしてもいいかもしれません。
フライ適性は不明ですが、糖分が少なそうなので、揚げ物にも合いそう。
つるりとした綺麗な外観の、マルチな才能を持ったジャガイモです。