素材ダウンロード
にじゅうまる ひぜんユース 佐賀果試35号TX
カテゴリ:くだもの
出回る量が増えて、入手しやすくなりました。
とはいえ、気軽に買える価格とは言えません。
御褒美にどうぞ。
ファイル名:tx_001.jpg
佐賀果試35号 にじゅうまる ひぜんユース ひとつまる
「にじゅうまる」は、佐賀果試35号の選抜されたものの商標です。
見た目、香り、甘さ、果汁、食感。そのすべてが「二重丸」、というのが、ブランド名の由来。
基準に達しなかったものは、以前「ひとつまる」として流通していましたが、2023年3月以降は「ひぜんユース」と名乗ることになりました。
「肥前国、荒削りの輝く原石」という意味をこめたそうです。
「ひとつまる」のほうが良かったような気もするのですが・・・。
【 品種登録情報 】
農水省に品種登録されています。抜粋し転載。
農林水産植物の種類 Citrus L. (和名:カンキツ属)
登録品種の名称 佐賀果試35号 (よみ:サガカシ35ゴウ )
登録番号 26212
登録年月日 2017/08/21
育成者権の存続期間 30年
・・・品種登録者の名称及び住所 佐賀県 (840-8570 佐賀県佐賀市城内一丁目1番59号)
果実の形は扁球、果頂部の形は平坦、果頂部放射条溝の有無は無、果頂部の凹環の有無は無、果梗部の形はやや凹、果梗部放射条溝の多少は多、果心の充実度は粗、果心の大きさは極小、果実の重さはかなり重、果皮の色は橙、油胞の大きさは大小混合、油胞の密度は中、油胞の凹凸は平、果面の粗滑は滑、果皮の厚さは薄、果皮歩合は極小、剥皮の難易はやや易、じょうのう膜の硬さは軟、さじょうの形は中、さじょうの大きさは中、さじょう(果肉)の色は濃橙、果汁の多少は多、甘味は高、酸味は低、香気の多少は中、種子数は無、発芽期は中、開花期は中、成熟期は早、隔年結果性は中、浮皮果の発生は無、裂果の発生は中である。出願品種「佐賀果試35号」は、対照品種「はるみ」と比較して、葉身の大きさが大であること、種子数が無であること等で区別性が認められる。対照品種「不知火」と比較して、枝梢のとげの多少が無であること、葉身の大きさが大であること、果梗部の形がやや凹であること、果皮の厚さが薄であること、さじょう(果肉)の色が濃橙であること等で区別性が認められる。
育成の経過はこちらを参照ください。
農業および園芸 2022年2月「カンキツ新品種‘佐賀果試35号’」 https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010940915.pdf
佐賀県果樹試験場うまれ。
「西之香」×「太田ポンカン」の交配。
1996年から育成が開始され、約20年かけて生まれた品種です。
「西之香」は、清見×トロビタオレンジの交配ですので、清見ファミリーの孫世代ということができます。
2021年3月に初出荷されています。
2024年時点では、入手は容易になっていて、量販店で入手可能です。
かなり栽培面積が増えているのでしょう。
収穫から2か月ほど、酸抜きの貯蔵を経て出荷されます。
【 清見ファミリー 】
日本最初のタンゴール「清見」。
この柑橘も、「清見」の系統という事ができます。
すぐれた性質をもっているだけでなく、単胚性種子をもつことから、多くの品種親になっています。
【 実際にたべてみた 】
以前入手したのは、同じ佐賀果試35号のうちの「ひとつまる(現在は ひぜんユース)」でした。
ずいぶんゴツゴツした、皮にデコボコのある個体で、みっちり詰まって、重量感がありました。
今回入手したのは、選抜品にあたる、「にじゅうまる」。
約250gで、手に持った重量感は温州ミカンとはまるで違います。
断面のちがい
「にじゅうまる」は、ひぜんユースにくらべ、中心部がつまって、色合いも全体にオレンジの赤味が強く出ている印象です。
以前入手した「ひぜんユース」は、パンパンに張った実が、皮を変形させるくらいに充実しています。
この果実は、中心部になるほど粗い果肉構造になります。
右の写真のほうが、「二重の〇(まる)」が出来ているのが良くわかります。
オレンジのような香りがあります。
味のほうは、オレンジというよりも、温州ミカンに近い味わいがします。
酸味は かなり少なくて、丸みのある優しい甘さ。
プチプチ感のある果肉。
糖度が高い品種ではありませんが、甘さは、十分に感じられます。
中心部が粗ですが、とくに味のグラデーションは無い印象です。
薄い皮で、実と密着していますがすが、皮むきは難しくはありません。
ブチブチと千切れる感じになります。
うす皮も食べられます。
たまたまこの個体には小さな種(シイナ)が1個入っていました。
花粉が多い品種が混植された圃場では、種が入ることがあるようです。
202404