素材ダウンロード
紅甘夏 べにあまなつ TX
カテゴリ:くだもの
どことなく懐かしいような味わいが人気なのでしょう。
ファイル名:20240430tx.jpg
紅甘夏 紅あまなつ べにあまなつ
カワノナツダイダイ(甘夏)の枝変わり品種。
熊本県天草郡(現天草市)有明町の吉田泰一氏の自園地で、カワノナツダイダイが紅色の果皮を持つ変異種を発見。昭和38年(40年か)のこと。
皮色が、黄色ではなく、紅色に変わったので、この名で呼ばれます。
果肉色も、甘夏が黄色みの強いのに対し、紅甘夏はオレンジ色が混じったような濃いめの色です。
農林認定品種に品種登録がないか検索しましたが、わかりませんでした。
種苗名称登録第285号に登録されています。
収穫は12月前後ですが、酸抜きのために貯蔵されて、春を感じる頃になると市場に出回ります。
農水省の統計では「夏みかん類」として集計されています。
令和2年の栽培面積は1460haで、6番目に多くなっています。
ハッサクとほぼ同じ栽培面積で推移しています。
誕生から半世紀を経ていますが、柑橘類の中では、現在もメジャーな存在という事ができます。
【 この柑橘の味わい 】
たっぷりした厚めの皮。
「ムッキーちゃん」のような皮むき器でなくても、ナイフでヘタ周辺を四角にえぐると、一気に皮むきしやすくなります。
じょうのう膜は厚めで、食べようとは思えません。
種の数は個体差があるようで、環境によっては1房に5粒ほど入っていたりします。
この柑橘が好きな人には、さほどの障害でもないのでしょう。
何と言っても、大きめでツブツブ感のある食感が魅力。
多汁感も、そこそこ感じられます。
少々の苦味も、良いアクセントになっています。
甘味は、今時の柑橘に比べるべくもないですが、やさしい酸味とともに、程よい調和があります。
はじける果肉。爽やかで、どこか懐かしいような味わい。
そんな感じでしょうか。