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はるか
長崎県と、農研機構が 共同育成したジャガイモ品種です。
芽のまわりが、赤くなる特徴があります。
キタアカリよりも、はっきりしており、一目で区別がつきます。
実際に栽培してみました。後述。
【 品種登録情報 】
農水省に品種登録されています。抜粋し転載。
作物区分 食用作物
農林水産植物の種類 Solanum tuberosum L. (和名:バレイショ種)
登録品種の名称 はるか (よみ:ハルカ )
登録年月日 2009/02/26
育成者権の存続期間 25年
品種登録者の名称及び住所
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 (305-8517 茨城県つくば市観音台三丁目1番地1)
長崎県 (850-8570 長崎県長崎市尾上町3番1号)
いもの形は倒卵形、皮色(1次色)は白黄、皮色(2次色)は淡赤、皮色(2次色)の分布は目周囲、目の深浅はやや浅、肉色(1次色)は白、肉色(2次色)は無、休眠期間は中、枯ちょう期は中、早期肥大性はやや速、上いも重は中、上いも数は中、上いも平均1個重は中、肉質はやや粘、Yモザイク病抵抗性は弱、疫病圃場抵抗性は弱、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性推定遺伝子型はH1である。 出願品種「はるか」は、対照品種「さやか」と比較して、花色(1次色)が赤紫系であること、皮色(2次色)が淡赤であること等で区別性が認められる。
「T9020-8」を母に、農研機構が育成した、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性をもつ「さやか」を父として交配されています。
農研機構の説明では、水煮特性が良いだけでなく、「サラダおよびコロッケ加工適性も有しており汎用性に優れている」とあります。でん粉価は「男爵薯」、「さやか」よりもやや低いとのこと。
形がくずれにくめで、マッシュにすると美味しいのかな、と想像。
実際に食べてみたら、やや違った印象が残りました。後述。
【 栽培してみた 】
栽培適地は、寒地とされています。
自園地(中間地)で栽培をしてみましたが、良好な生育でした。
発芽も良好です。
多収品種とされていますが、生育期間が短いせいか、収量は少なく終わりました。
90日目で、まだ青々とした樹の状態。
まだまだ元気な様子。
放っておこうかとも考えましたが、梅雨に入りそうだったので、全部掘ってしまうことにします。
他品種よりも、小さなジャガイモが少なく、けっこう揃いの良い印象です。
外観は、芽のあたりが赤くなるので、他のジャガイモと容易に区別がつきます。
形状は、長くなった鶏卵のような感じで、つながっていた、へその緒側がやや尖った感じになります。
芽が赤っぽくなるものは、キタアカリが知られていますが、それよりも、赤みが濃いです。
芽も浅い印象です。
【 たべてみた 】
全体に長卵型をしたものが多く、皮はつるんとしています。
切ってみると、果肉はとても色白。
断面の褐変は無いようで、優れています。
まずは、千切りして、生でいただきます。
生で???
はい、このジャガイモ、生で食べられます。
というか、そういう言説が複数見つかったので、自分でも試してみなくては、と思った次第。
生じゃが 初体験・・・
千切りしたものを、水でじゅうぶんさらしてください。
濁りがなくなるまで続けてください。
塩もみして、ごま油でいただきます。
ん?
パリパリ、サクサク。
食感がしっかりしていて、歯ごたえが強いです。
なるほど、生でも食べることができます。
ただ、食中にジャガイモの筋が長く口の中に残ってしまいます。
切り方に工夫が必要で、横にスライサーを使うと問題解決できそうです。
味自体は、ジャガイモには何かの主張があるようには思えませんでした。
でも、なかなか楽しい体験です。
千切りにした残りがあれば、手短に出来るガレットを作ってみて下さい。
なお、ガレット用は、水にさらしませんので、最初に取り分けておきましょう。
次に、マッシュしてポテサラにすることに。
蒸した状態を、そのままいただきます。
蒸した断面はこちら。
じつにハッキリとした断面で、迷いがありません(笑)。
食べてみます。
ん??
甘い。けっこう甘味の強いジャガイモです。
意外です。
ちなみに、この品種は、保存することで、もっと甘味を増すようです。
果肉はしっかりしていて、メークインのような断面になります。
断面だけを見ると、粘質な印象です。
マッシュしてみると、あらあら、ちょっと印象が変わります。
キメ細かくて、粉質な感じに変化しました。
なかなか美味しいポテサラになります。
「さやか」や、「きたかむい」は、実にポテサラ向きの美味しいじゃがいもですが、
そこまでではなくても、さっぱりとしたキレの良いポテサラになった印象です。
貯蔵して甘味を増したほうが、印象は違ってくるでしょう。
しっとり、モチモチのジャガイモは、実にポテサラ向きの品種ですが、
「はるか」の場合は、蒸しあがった状態から潰すと、やや粉質に変化するようで、面白いです。
煮物にした場合は、きれいに断面が出ます。
崩すと、きめ細やかな果肉を楽しめます。